アジアの企業にのしかかっている負債の実際の額を考えると、企業の破産への対応が未だに政策の最優先課題であることは明らかである。この状態は、1997-8年のアジア金融危機の後に行われた大規模な規制の見直しによって多少改善したにもかかわらず、依然、深刻である。さらに、アジアの企業の倒産に続いて広範囲に起る筈の再建も無い為、自国の金融制度では隠されている、より大きな損害に各国の政府は目を向けざるを得なくなっている。効果的なリスク管理の実践、再建を行うための健全な法制度、清算と回収、そして根本的な制度的インフラと能力向上には、アジア諸国の認識が必要である。アジアのリスク管理制度は、新たな不良資産を回避できたのか。既存の不良貸付に対処するための法律と実践の改善にはどの程度進歩がみられたのか。どのようなイニシアチブが新たに取られているのか。これらの疑問に対する回答のいくつかを、本書から見いだすことができる。本書には2004年11月にニューデリーで開催されたForum for Asian Insolvency Reformの議事録を収録している。アジア地域における債務超過とリスク管理における最近の動向について、地域全体及び各国の見通しをまとめたものである。