OECD プリント

市場競争の拡大は雇用創出と生産性向上に寄与

 

2002/12/12

製品市場における競争の増化は、消費者にとって好ましいだけでなく、生産性向上と雇用創出に拍車をかけ得ることが、OECDがこのほど実施した研究の結果報告されました。この報告書では、日本と欧州大陸国の多くは、競争を最も奨励している国に製品市場規制を合わせれば、生産性レベルを2〜6%高めることができると指摘しています。

競争が増すことにより各種リソースの効率的利用が進み、生産性は高まります。同時に、技術革新と新技術の速やかな普及も促されます。製品市場をよりダイナミックなものにするための改革はまた、競争増化による物価下落により、実質賃金の伸びをもたらします。例えばテレコム業界の自由化をはじめ、1970年代後半から1990年代後半にかけて行なわれた改革は、OECD諸国の雇用率を平均1.5ポイント上昇させ、競争を奨励する政策が最も積極的に導入された国では2.5%の伸びに達したと報告書では論じています。

また本報告書は、同様の雇用率向上は、現在、厳格な市場規制を敷いている国で今後起こり得ると指摘しています

こうした改革は、長期的には失業率を低下させ、全体として労働者に恩恵をもたらすものの、特定の業界では、労働者が雇用の喪失や賃金の削減に見舞われる可能性もあります。こうした影響は、しばしば改革に対する重要な政治的障害となるため、競争の激化によって職を失った労働者ができるだけ早く再雇用されることが重要になります。本報告書では、製品市場に制限的な規制が設けられ、より一層の競争の必要性がある国では、労働市場においてより強い規制が見られる傾向があることに懸念を示しています。

本報告書『製品市場の競争と経済パフォーマンス』(Product Market Competition and Economic Performance)は、近日出版予定の『OECDエコノミック・アウトルックNo.72』中の一章となっています。

Copyright OECD Tokyo Centre. All rights reserved.