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ロシアのコーポレート・ガバナンス改革を支援する
OECD円卓会議開催
2000/12/6
ロシア・コーポレート・ガバナンス円卓会議は、OECDと世界銀行の後援で、11月15日から16日までモスクワで開催され、ロシア企業の情報開示の質に関する評価が議論されました。この会議では、1年半前に決められたプロセスに基づいて、ロシアの政府高官と民間企業経営者が各国の専門家や投資家といかに透明性と情報開示を改善していくかについて話し合いが行われました。
円卓会議の主な結論は以下の通りです。
- ロシアでは経営幹部による企業の私物化が横行している。
所有権の構成、議決権、経営陣と取締役会の顔ぶれについて情報開示を進める必要がある。第三者が企業のガバナンスについて評価し、さらには、違法取引を早期に把握できるようにするため、情報開示の頻度とタイミングを大幅に改善する必要がある。
- ロシア企業は総じて透明性に対して否定的な態度をとっている。
問題は、経営側に透明性の高い財務報告をする気がなければ、会計士や監査人は任務の遂行が困難になるということである。従って、会計士や監査人が十分に責務を果たせるようにするには、企業風土を変える必要がある。
- 模範的な情報開示を行っているロシア企業はほんの一握りしかなく、多くのロシア企業の情報開示は海外の投資家が期待している水準に遠く及ばない。
ロシアの監査からは、金融市場が発達している国と同様の保証が得られない。様々な会計システム、過酷な税制、複雑でしばしば透明性に欠ける所有権構成などに伴なう問題は、ロシア企業が透明性に対して否定的な態度をとっていることによって増幅されている。こうした状況を考えると、監査役、特に国際的な大手監査法人はロシア企業の監査を行なう際にはくれぐれも注意する必要がある。
- ロシア企業の役員は情報開示の監督面でより大きな責任を果たす必要がある。
取締役会は投資家が望んでいる保証を行えずにいる。監視制度が整備されておらず、適切な会計基準、監査基準の適用がまだ統一されていない。取締役会は支配的株主に牛耳られており、取締役は他の株主に対する受託責務を完全に理解していない。
- ロシア企業の監査委員会は開催頻度を高めるとともに運営方法を改善する必要がある。
一部の国では、監査委員会は管理システムと情報の真実性について投資家に更なる保証を与えるという役割を負っている。一部のロシア企業でも監査委員会を導入する動きは見られるが、監査委員会の構成と責任は他の国の場合と異なっている。特に客観的で独立した判断を行なう委員会の能力に関してはそうである。取締役会に置かれる監査委員会の代わりにロシア法で規定されている審査委員会を活用するよう奨励する必要があるが、それでうまく行くという保証はない。
- 情報開示の義務付けだけで全ての問題が解決するわけではない。
情報開示に基づいて効果的な規制を行なえるかどうかは多くの要素にかかっている。法の支配環境や利害のある投資家、その他の様々な要素が必要とされるが、ロシアではそれらをいずれも強化する必要がある。規制機関はまだ効果的な監視を行うことができず、その強化に多くの課題が残されている。国際基準は参考にするには役立つが、それをロシア企業に適用するのは非常に難しい。
第3回円卓会議開催中に多くの関連行事が行われた。
- 会計士や監査役がロシアにおける情報開示の改善に向けて動き出した。
国際会計開発フォーラム(IFAD)の幹部が政府代表や会計士/監査役協会と会合を持ち、改革への「見通し」とそのロシアへの影響について討議した。OECDは同フォーラムに積極的に参加している。
- 行動のための重要課題について初めて話し合いが持たれた。
円卓会議がまとめたロシア・コーポレート・ガバナンス白書の一次草案が討議された。同白書は、議会による調整法の採択、裁判所や行政機関による現行法の執行、金融市場参加者や民間専門家組織(会計事務所など)による監督の厳格化などを勧告している。基本的な考え方としてOECDの原則に依拠しているこの白書は、2001年末までにロシアの政府や民間企業経営責任者、国際金融機関などに提出されるほか、ロシアのコーポレート・ガバナンス法の起草においても参考にされることになっている。
- 大手ロシア企業と機関投資家は、ロシア企業が市場で投資家から信用を得ていないことに言及した。
2.5兆ドル以上を運用する国際的機関投資家がロシアの大手企業8社の幹部と会合を持ち、ロシアにおけるコーポレート・ガバナンスの質に対する共通の懸念について話し合った。OECD/世界銀行の民間部門コーポレート・ガバナンス諮問グループ(PSAG)の投資家責任作業部会の要請によって初めて開かれたこの会合では、主に、ロシア企業が投資家に信頼されていないため資本市場で極めて低い評価しか与えられていない現状の打開策について話し合われた。アイラ・ミルスタインPSAG議長が率いるこの作業部会は、ロシア企業に対し企業価値の向上や国際的な事業発展への手段としてコーポレート・ガバナンスをとらえるよう呼びかけた。国際的機関投資家とロシア企業は、実証可能なコミットメントの合意を目指して民間ベースの対話を行なっていくことを決めた。
- 円卓会議の期間中にロシアのコーポレート・ガバナンスに関するウェブサイトが開設された。
円卓会議の活動の一環として、ロシア投資家保護協会がウェブサイト(www.corp-gov.org)を開設した。このサイトは同協会が今後も維持することになっている。
OECD原則を基礎にするロシア法
連邦証券市場委員会は、コーポレート・ガバナンス法の起草に関する広範な諮問プロセスを開始した。起草に向けた最初の動きとして、コーポレート・ガバナンス調整会議の第一回目の会合が11月20日にサンクトペテルブルクで開かれた。OECDは、ロシアのコーポレート・ガバナンスに対する主要な国際基準としてOECD原則を用いることを決めた議論において主導的役割を果たした。委員会の野心的な計画によって、ロシアのコーポレート・ガバナンスは改善されるだろう。調整会議では、委員会は現行法の実施強化と法律違反に対する制裁権限の行使に注力すべきであるという結論に達した。
結論: OECDと世界銀行の後援によるロシア・コーポレート・ガバナンス円卓会議は最高レベルで影響を及ぼしている。プーチン大統領は、ジョンストンOECD事務総長との最近の会談で、投資改善のための優先課題としてコーポレート・ガバナンスを挙げた。多数国パートナーとの広範な協力や多岐にわたる官民の圧力は成果を上げており、ロシアの改革を支援する動きが現われ始めている。
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