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OECD コーポレート・ガバナンス原則改訂版
2004/04/22
OECD加盟30ヶ国は、企業慣行のグッド・プラクティスに関する新たな提言を盛り込んだOECDコーポレート・ガバナンス原則改訂版を採択しました。これは、企業や株式市場に対する人々の信頼を再構築及び維持することを目指したものです。
改訂版は、近年企業経営に対する投資家の信頼を揺るがした幾つかの問題を受けてまとめられたものです。改訂版は、政府に効果的な規制枠組みを徹底することを求めるとともに、企業に対してはアカウンタビリティーの真の強化を求めています。また、機関投資家の自覚の向上と、取締役の報酬について株主が効果的な役割を果たすことを求めています。更に、相反する利益に対処するために、透明性向上と情報開示を進めることの必要性を指摘しています。
1999年に公表されたOECDコーポレート・ガバナンス原則は、ベンチマークとしてOECD諸国内外で広く採用されています。同原則は、金融安定フォーラム(FSF)により国際金融安定化のための主要な12基準の内の一つとして選ばれている他、世銀の新興市場におけるコーポレート・ガバナンスの改善に関する作業でも使用されています。
OECD諸国は2002年、企業セクターの動向を考慮に入れてOECDコーポレート・ガバナンス原則のレビューを行うことを求めました。改訂版は、OECD加盟国及び非加盟国政府の代表、並びに、企業・専門的機関、労働組合、市民社会組織、国際基準設置機関等が参加した協議プロセスの成果です。
ヴェロニク・イングラムOECDコーポレート・ガバナンス・ステアリング・グループ議長は次のように述べました。「改訂版は、効率的な市場を促進するとともに効果的な執行を容易にし、監督当局、規制当局、執行当局それぞれの責任を明確に定義するコーポレート・ガバナンスの規制枠組みの重要性を強調している。また、取締役会と経営者の真のアカウンタビリティーを強化するために、企業内で経営責任の透明性を高めることが必要であることを指摘している。」
他に改訂版に盛り込まれた点は次の通りです。
機関投資家
- 機関投資家は、そのコーポレート・ガバナンス政策を開示するともに、投票権の行使を如何に決定するか、また、投票に影響を与え得る利益の不一致を如何にマネージするかについても情報開示すべきである。
- 投票の意向について株主間で協議することに対する制限を緩和し、インフォームド・オーナーシップのコストを低下させるべきである。
株主の権利
- 投資家の権利は強化されるべきである。株主による取締役の解任や、指名と選任プロセスへの効果的な参加を可能にすべきである。
- 経営幹部と取締役の報酬方針について株主の意見を表明できるようにし、ストックオプションの導入は株主の賛成を必要とすべきである。
利益の不一致と監査人の責任
- 新原則は、格付機関とアナリストに対し、そのアドバイスに影響を与え得るような利益の不一致を避けるよう求めている。
- 監査人の責務を強化すべきである。その責務には、株主へのアカウンタビリティーと専門家として徹底した監査を行うという企業に対する義務が含まれる。
- 監査人は完全に独立したものとし、監査以外で企業と関わりを持つことによって影響を受けるようなことがあってはならない。
利害関係者の利益と内部告発者の保護
- 原則は、利害関係者の権利(法で定められているものと相互の同意によるもの)について言及している。
- 新原則は内部告発者の保護を唱道している。これには、機関を通して内部告発者が不満の表明や申し立てを行ったり、取締役に秘密裏に接触したりできるようにすることも含まれる。
取締役会の責任
- 取締役会の責務と責任は本質的に受託者としてのものであることが明確にされている。それは、特に企業グループが関係する時には重要である。
- 取締役会の独立と客観性をカバーする原則は、利益の不一致を避けるために拡大された。また拡大によって、ブロック株主や企業支配力を持つ株主によって特徴付けられる状況や、会計報告についての内部コントロールシステムの監視にかかわる取締役会の責任についてもカバーされるようになった。
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