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コーポレートガバナンス


トルコのコーポレート・ガバナンスは改善しているが
課題も残る

2006/10/17

OECDの新報告書「トルコのコーポレート・ガバナンス:パイロット・スタディ」によれば、トルコのコーポレート・ガバナンスは改善していますが、今後トルコ企業が成長の機会を十分に活かすには、少数株主の不公平な取り扱いなど、主要な問題の解消に取り組む必要もあります。

本報告書は、「OECDコーポレート・ガバナンス原則」(1999年公表、2004年改訂)の勧告に照らしてトルコのコーポレート・ガバナンスの基準と慣行を評価したもので、OECD加盟国を対象とするこの種の調査としては初めてのものです。

良好なコーポレート・ガバナンスは、企業や国がグローバル市場で効果的に競争し、長期的な成長資金を誘致したい場合には、極めて重要なものとなっています。

本報告書によれば、トルコにはコーポレート・ガバナンスに関する強力な規制枠組みがあります。上場企業による市場への情報開示は改善されており、国際的な会計・監査基準の導入も進められています。報告書はトルコ政府に対し、会計基準の設定プロセスをトルコ会計基準審議会に一元化することなどを盛り込んだトルコ会社法改正案を可能な限り早急に採択するよう促しています。

しかし、いくつかの課題も残されています。報告書は、トルコでは同族経営の企業グループが一般的で、株式持ち合いの程度も高いことが多いと指摘しています。支配株主は、多くの場合、企業グループ(その多くにイスタンブール証券取引所の上場企業が含まれる)の経営と事業戦略面で主導的な役割を果たしています。このこと自体は問題ではありませんが、効果的なセーフガードがないと、支配株主が企業全体や少数株主の利益に反する商取引上の条件を課したりするなど、悪用される可能性があります。市場規律―コーポレート・ガバナンス基準を守らなければ社会的な批判や訴訟、大幅な株価下落などのリスクを犯すことになる、と企業に思わせる金融市場の力と定義される―は依然として比較的弱いのが現状です。

この問題に対処するため、OECDはトルコに対し、グループ企業間取引に関する情報開示を強化したり、支配の行使によって生じた損失を被支配会社に補償するよう支配会社に義務付けたりしているトルコ会社法改正案の施行などにより、関連会社間取引に関する法律を強化するよう勧告しています。

また、企業の所有者や支配者に関する、より詳細で理解しやすい情報開示を株式公開企業に義務付けるよう勧告するとともに、法律違反への罰則強化を提案したり、これらの法律の執行により多くの資源を投入するよう当局に促したりもしています。

さらに、機関投資家の株主権の行使範囲を拡大することも促しています。現在、資本市場理事会(CMB)の規制下に置かれている年金基金や投資信託は、投資先企業のガバナンスに積極的に参加できない上、コーポレート・ガバナンス慣行を監視するインセンティブを制限するポートフォリオ限度も課されています。この制限を撤廃するとともに、年金基金や投資信託は、投資に適用しているコーポレート・ガバナンス方針についても情報開示すべきです。

このほか、報告書は、企業業績の改善や、全株主の公平な取り扱いを確保する上で取締役会が極めて重要な役割を果たすことも強調しています。取締役会がこのような役割を果たすには、客観的で独立性の高い判断力を行使する能力と意欲を持っていなければなりません。この点に留意し、報告書は、すべての株式公開企業が取締役会の機能について株主に十分な情報開示を行うとともに、OECDにより勧告されている取締役会の構成と慣行を完全に実施するよう勧告しています。

最後に、報告書は、監督・規制・執行当局には専門的かつ客観的に行動する能力、誠実さ、資源が必要であると強調しています。CMBのような独立的な規制機関には安定的な資金、予算の使途を決める自由、政府からの明確な支援が必要である、と報告書は述べています。CMBその他の独立的な金融当局が今後も強力な指導力と独立性を有することは、トルコ企業の長期的な活力とトルコ経済全体にとって極めて重要です。

「トルコのコーポレート・ガバナンス:パイロット・スタディ」は、コーポレート・ガバナンスに関するOECD運営グループによって発行されています。評価は、世界銀行その他の利用向けに運営グループによって最近開発された新評価方法の草案を用いて行われました。

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