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2002/5/13
2001年の政府開発援助(ODA)は、実質値でも国民総所得(GNI)に占める比率でもほぼ前年並みとなりました。米国と多くのEU加盟国のODAが増加したため、日本のODAの減少分を相殺する形になりました。ODAが開発援助委員会(DAC)加盟国のGNI全体に占める比率は0.22%で変わりませんでしたが、この比率は1990年と1992年には0.33%でした。名目値で見ると、2001年のDAC加盟国の開発途上国向けODAは514億ドルでした。
2001年の名目値のODAが2000年の537億ドルから514億ドルへと減少したのは(Table1,Chart 1参照)、一つには、一部の通貨の為替レートが対米ドルで切り下がったためです。実質値で見ると、ODAはわずか1.4%の減少にとどまり、ほぼ前年と同じ水準でした。
EU加盟国と米国のODA増加分が日本の減少分を超える
米国のODAは109億ドルへと増加し、日本がODA拠出額で首位に立った1992年以来初めて世界最大の援助国となりました。米国の援助実績は対GNI比で0.10%から0.11%へと改善しています。米国に次ぐ援助国は日本(97億ドル)で、以下、ドイツ、英国、フランス、オランダの順となりました(EU全体で260億ドル)。
対GNI比0.7%という国連のODA目標を達成したのは引き続きデンマーク、ノルウェー、オランダ、ルクセンブルグ、スウェーデンのみでした。
その他の注目点としては以下が挙げられます。
- DAC加盟22ヶ国のうち13ヶ国(EU加盟9ヶ国を含む)が実質値でODAを増加させています。実質値でODAを最も増加させたのはスペイン、アイルランド、ルクセンブルグでした。
- 2001年の米国のODAが増加したのは主に9月11日の同時多発テロを受けてパキスタンに6億ドルの経済支援をしたことによるものです。
- 日本のODAは約40億ドル減少しました。これは主に2000年の1ドル108円から2001年には1ドル122円へと12.7%の円安が進行したためです。また、日本の国際機関向けのディスバースのタイミングや、金融危機から立ち直ったアジア諸国からの借款返済といった要因もあります。実質値では日本のODAは18%の減少となります。
DAC加盟国は世界全体のODAの95%以上を占めています。DACに加盟していないOECD加盟国の中では、韓国のODAが名目値で2000年の2億1,200万ドルから2001年には2億6,600万ドルへと増加しています。これは実質値では41%の増加です。
モンテレイ会議以降のODA見通し
5月16日にパリで開かれるDACハイレベル会合では、加盟国が2002年3月のモンテレイ開発資金国際会議で発表した計画につき、開発担当の閣僚と援助機関首脳による討議が行われます。これらの計画が完全に実現されれば、DACのODA総額の対GNI比は2006年には0.24%へと上昇することになります(実質GNI伸び率を年率で平均2.5%と想定)。
- モンテレイ会議直前にバルセロナで開かれた欧州理事会で、EU加盟国は対GNI比0.7%という目標の達成に向けて2006年までにEU全体のODAの対GNI比を0.39%まで高める方針を打ち出しました。これによって、EUは、既にODAの対GNI比が0.33%を超えている一部加盟国はその水準を維持するか更に高める努力をする一方、全加盟国が2006年までに最低でも0.33%まで高めるよう努力することになります。フランスは最近、同国のODAは2002年に再び増加し、対GNI比0.36%まで上昇するだろうと発表しました。
- モンテレイ・コンセンサスで、先進国はミレニアム開発目標などの国際的な目標の達成に向けて開発途上国向けODAを増額する方針を表明しました。さらに、幾つかの援助国がODAを増額する意向を発表ないし再確認しました。特に米国は2006年まで、その中核的開発援助を毎年50億ドル(約50%の増加)ずつ増額していく計画を発表しました。米国のこの追加的な資金は、健全なガバナンス、健康、教育、さらには企業発展や起業家精神を支援する健全な経済政策への積極的な取り組みを示す開発途上国に向けられる新たなミレニアム・チャレンジ勘定に投入されることとなりましょう。
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