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Home OECD Tokyo > 開発 > 開発援助委員会ハイレベル会合ジャン−クロード フォール議長の声明

開発

開発援助委員会ハイレベル会合
ジャン−クロード フォール議長の声明

2002/5/17

1. 開発援助委員会(DAC)のハイレベル会合(HLM)は5月15日から16日にパリで開催され、開発協力担当大臣と国際機関代表が出席した。

2. この2002年のハイレベル会合は、貿易と開発に関する拡大セッションを含むOECD閣僚理事会と同時に開催された。OECD加盟国の閣僚は、開発政策の一貫性を向上させる上でのOECDの役割を強化する「共通の開発課題に向けたOECDの行動」に関する声明を採択した。それは、開発途上国のガバナンスおよび政策能力の向上を支援し、援助効果を高め、適切な援助量を確保し、パートナーシップと説明責任を強化するものである。(1)

3. 同時に開催されたこの二つの会合の特徴は、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)の代表が、OECD閣僚会議とDACハイレベル会合の両方に出席し、同イニシアティブのためのOECDやDACの支援を今後、相互の信頼とパートナーシップを基礎にどのような形で行うかについて話し合うことができた点である。

ドーハおよびモンテレイの成果

4. DACハイレベル会合は、2001年11月のWTO閣僚理事会でまとめられたドーハ開発アジェンダ、および2002年3月の開発資金国際会議で確認されたモンテレイ・コンセンサスに盛り込まれた開発のための重要な目標を再確認した。これらの会議では、相互関与と説明責任に基づき、成長、持続可能な開発、貧困削減の分野での重要かつ測定可能な達成を実現するため、グローバル・パートナーシップの共通の指標としてミレニアム開発目標が設定された。現在のモメンタムを維持し、ヨハネスブルグでの持続可能な開発に関する世界サミットを成功させて、この開発に向けた世界共通の課題を前進させなければならない。

5. 会議参加者は、市民社会や民間部門がドーハとモンテレイにおいて、また新たなグローバル・パートナーシップの一部として、重要な役割を果たしたことを認識した。参加者は、民間資金の流れを奨励する必要があること、また、安定した資金フローの増加と貿易と投資の更なる発展につながるカバナンス環境を整備を進めることで一致した。NGOを通して一般社会からの資金フローを増やす必要性も強調された。

6. DAC加盟国は、これまでの約束を確実に実施することが、開発協力政策の分野においても、また開発に影響を与える各国の諸政策、就中、貿易、農業、環境、開発の分野における一貫性においても、今や中心的課題になっていると見ている。このコミットメントは、二国間援助国および国際援助機関に共通のものである。

7. DAC、世界銀行、IMF、UNDPは、この課題を前進させるために密接に協力している。

ODAの見通し

8. DAC加盟国は、ODAの新たな見通しを歓迎した。ODAは、10年連続して減少したが、その後は安定し、DAC加盟国の大半は2001年にODAを増額している。今のところ、モンテレイで示された新たなコミットメントが実現する今後4年から5年間はODAが著しく増加すると見られている。DACは、関係の国際機関と協力し、ミレニアム開発目標の達成に向けて、こうしたコミットメント実現に向けて進捗状況をモニターし、支援して行く。
中期的にどの程度の援助額が入って来るかをを知ることは、相手国のマクロ経済の安定および健全な行政運営に重要であり、また、援助を適切に管理するためにも大切である。

開発の有効性

9. モンテレイ会議における援助量増加の見通しは、持続可能な成長や発展を促進し、貧しい人々の生活の改善において目に見える進展を実現させるためには、援助を効果的なものにするための一層の努力と手を携えていかなくてはならない。。開発協力は、その実施において柔軟性が求められる一方で、以下の様々な点を考慮して進められる必要がある。

  • 健全な諸政策および良き統治をもたらすためにその国が自分で進めている開発戦略が出発点である。援助は、国家としてのビジョンを持ち、説明責任のある政府の実現、参加型の開発および世界経済への統合を目指して改革を行っている国を支援するよう注意深く計画されなければならない。

  • このような国主導の枠組みにおいては、国レベルでの援助国間の一層の調整が必要である。この観点から、DACは、最近の貧困削減戦略レビュープロセスの教訓を生かすための体系的な取り組みを支援すると同時に、国レベルで補足性、相乗効果、効果性を高める観点から二国間援助をどう行うべきかについて更に検討を行う必要がある。

  • 援助国の慣行の点では、一層の調和が重要である。これは、複雑な手続きが開発途上国パートナーに与えている負担を大幅に減らし、開発途上国側で、効果的なリーダーシップと効率的かつ説明責任のある行政管理のための能力を向上させるためである。DACは、最良の慣行に関する参考資料を作成中であり、この作業には開発途上国15ヵ国が積極的に参加している。この作業は、世界銀行・IMF開発委員会が要請した多国間開発銀行との広範な活動プログラムの一環として今後フォローアップされる予定である。

  • 民間部門と公的部門の能力構築を優先課題とし、援助プログラムの計画および実施の中にこれを組み込むこと。
    ・ ミレニアム開発目標達成に向けた進捗状況を国連、世界銀行、IMFと共に引き続き監視すること。

  • 援助管理を医療や教育といった重要な部門において国レベルの開発目標や結果と連動させる。DACは、この問題に関して多国間開発銀行と協力して取り組んでおり、「開発成果の測定、監視、管理の向上」に関する第1回ラウンドテーブルが、2002年6月5日から6日にワシントンで開催される予定である。

政策の一貫性

10. OECD加盟諸国の広範な政策は、開発途上国の今後に重大な影響を及ぼす。DACハイレベル会合は、「共通の開発課題に向けたOECDの行動」に関するOECD閣僚理事会の共同声明、およびOECDの開発の一貫性に関するプログラムを歓迎した。このプログラムは、加盟国の政策の開発に関する諸側面およびかかる政策が開発途上国に及ぼす影響に対する理解を促進するものである。DACは、こうした部門横断的な取り組みにおいて、その相互審査などを通して、十分な役割を果たさなければならない。

11. 開発政策の一貫性は、ドーハ開発アジェンダとモンテレイ・コンセンサスの両方において重要な要素である。貿易、農業、金融政策(債務削減を含む)が重要分野である。ドーハの交渉に参加した開発途上国にとっては、最貧開発途上国の輸出産業として成長する可能性のある産物の分野で高い関税や農業補助金を思い切って削減することが優先課題であろう。実際に、OECD閣僚は、保護主義的手段を用いないとの決意を新たにし、ドーハ・アジェンダの実施が妨げられることのないよう、責任を果たすことを確認した。(2)

12. 加盟国は、DACが貿易のための能力構築に大きく貢献してきたことを指摘した。それは具体的には、貿易関連技術協力のための統合的枠組みの実施に向けて他の国際機関と緊密に協力してきたこと、また、ドーハ開発アジェンダ・データベース構築のためにWTOとの共同作業を行ってきたことである。技術協力活動に関するこのデータベースは、マイク・ムーアWTO事務局長とドナルド・ジョンストンOECD事務総長が今会合中に署名した書簡の中で発表された。(3)

NEPAD

13. DAC加盟国は、NEPAD代表との会談を歓迎した(4)。アフリカのイニシアティブであるNEPADの特徴は、アフリカ人自身の努力と責任を第一とすることであるというのが、NEPAD代表からの重要なメッセージであった。その特徴は、アフリカ相互審査メカニズムが開始したことによってより明らかなものとなった。またNEPAD代表は、アフリカのあらゆる地域や国々が、その多様な状況にも拘わらず、NEPADが関わる政治・経済改革や開発といった課題に取り組むプロセスとしてのNEPADの包括性という特質も強調した。DAC加盟国は、NEPAD特有の特質を認識すると共に、アフリカ地域の大部分における開発の遅れに見られる深刻な問題に対処するために必要となる積極的な改革と開発プロセスへの「投資」の必要性と機会を認識した。

14. 議論により次のことが明らかになった。

  • 現在、健全なガバナンスを中心とした開発パートナーシップへの共通のアプローチが存在している。

  • NEPADは、互いに協力しあい、健全なガバナンス及び援助の量と援助の実効性に関する説明責任を高め、政策の一貫性を高めることで、アフリカでのモンテレイ・コンセンサス実施のための基礎を提供している。

  • 今後、こうした要素はDAC、NEPAD間の現在行われている交流プロセスにおいて取り上げられるべきであり、また、今後OECD、NEPAD間で行われるであろう対話においてより明確化されるべきである。

困難なパートナーシップにおける開発協力

15. リスクがあるにも拘わらず、援助国は、逼迫している(under stress)諸国(「経済低迷国」、「破綻国」、「逼迫した低所得国−LICUS」)への援助が危険なものであっても、また国民や議会に対するより一層の説明が必要となるにもかかわらず、これらの諸国と関わり続けるべきであるとの幅広いコンセンサスがある。短期的な貧困削減のための効率性だけに注目した援助配分のやり方は見直されるべきであり、困難なパートナーシップや紛争後の復興におけるニーズを考慮すべきである。DAC加盟国は、パートナーシップが困難な状況下でとるべき行動に関する一連の基本原則を含む「困難なパートナーシップにおける開発協力」の分析および提言を強力に支持する。行動が必要とされる広範な分野には次のようなものが含まれる。

  • 政治システムが貧しい人々の声や正当な利益により適切に対応することができるよう、能力構築を含め、諸条件を整備する。

  • こうした逆境において効果的に機能する政府機関および非政府機関がある場合には、貧困者向けサービスへの支援を維持する。

  • このような困難な状況においては一層の取り組みが必要となる、援助国間の調整および政策の一貫性を強化する。

16. 困難な状況にある国々がいつ暴力的な紛争に陥いる危険があるかを見極め、また、暴力への弾みを抑制するために素早い対応をとるための「道具箱」を共有する必要がある。これを踏まえDAC加盟国は、「暴力紛争防止支援に関するDACガイドライン」実施に関連して、暴力防止のための最良の慣行に関する共同作業を継続していくことを勧奨した。今後は、開発協力の手段を通してテロリズムの特定とそのリスクへの対応に関する作業も行う。

17. 会合では、この作業と世界銀行による「逼迫低所得国」の分析作業との結合、また、それらの結果の補完性について指摘された。今後の作業を、UNDPとも緊密な協力のもと、DACと世界銀行が共同で進めることが提案された。また、特定の国について、その国の独自性を重視した助言を行う実際上の共同諮問活動に関する提案についても支持が得られた。

18. DAC加盟国は、5月2日から3日に開かれた「アフガニスタン復興に関する専門家会議:短期的見通し」の成果を評価した。この会議では、外部の専門家や関連のDAC作業部会から、アフガニスタン復興に携わる援助国およびアフガニスタン暫定政権への実際的な助言が行われた。DAC加盟国は、DACとOECD開発協力局が、この種の他の会議も臨時会合として開催することを提案した。


(1) 2002年5月15-16日 OECD閣僚理事会共同声明 を参照のこと。    
(2) 上述、第13項参照のこと。
(3) OECD 2002年5月16日ニュースリリース 参照のこと。
(4) NEPAD実行委員会参加のアルジェリア、エジプト、ナイジェリア、セネガル、南アフリカの閣僚とOECD閣僚間のこれまでの議論に関するOECDと「アフリカ開発のための新パートナーシップ」 を参照のこと。

 

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