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DACハイレベル会合
2003年4月22日−23日
2003/04/23
ジャン・クロード・フォール議長による記者発表
1. 開発援助委員会(DAC)の年次ハイレベル会合(HLM)は2003年4月22日から23日にパリで開かれ、各国開発協力担当大臣と援助機関首脳が出席した。
2. 国際開発関係国・機関が決然としてドーハ、モンテレイ、ヨハネスブルクで交わされたコミットメントの実施に乗り出しているのを受け、2003年のDAC
HLMは、特に大幅な貧困削減によるミレニアム開発目標(MDG)の達成に係わる政策、戦略、慣行、実績の改善をさらに進めていくことについて重点的に討議した。先行き不透明な国際政治経済環境について懸念されるなか、今後もこの点に重点的に取り組んでいくことが極めて重要である。
3. DAC HLMはこの点に関して2003年4月22日に発表された2002年のODA統計速報値に留意し、ODA総額(ネット)が5%増の570億ドルに達したことを歓迎した。DAC
HLMは、事務局の推計によればODA総額が2006年までに2001年の水準に比べ実質で約30%(160億ドル)増加することになる現行のコミットメントを確認した。一部の参加者は、長期的にはさらに増額するという自国のコミットメントを再度表明した。
援助効果
4. DAC HLMは、援助を増額すれば援助効果が上がることを強調した。こうした全体的枠組みにおいて、開発途上国自身が努力し、先進諸国が政策の整合性を高めれば、MDG達成の進捗度に反映される全体的な開発効果の向上につながる。このためには、二国間、多国間を問わず、あらゆるドナーの行動が国家主導の戦略をめぐり開発途上国との運営パートナーシップを強化していく方向に進化しなければならない。
5. ドナー慣行の調和化に関して、DAC HLMは2003年2月25日に「調和化に関するハイレベルフォーラム」によって採択された画期的な「ローマ宣言」を評価するとともに、二国間・多国間のドナーと開発途上国との共同の取り組みにおいてDACのドナー慣行作業部会によって作成された「グッド・プラクティス・ペーパー」を歓迎した。各国大臣と援助機関首脳は、本部および現在求められている分野で必要な変更を実施する意向を表明しており、これらの問題の進捗状況を2004年12月のDACシニアレベル会合(SLM)、さらに2005年初頭の国際開発金融機関その他の開発関係機関とのハイレベルフォーラムでもレビューする用意があることを確認した。
6. DAC HLMは、二国間および多国間の共同援助取り組みの共通基盤として、開発成果のモニタリングとレビューを支持した。MDGは援助システム全体に成果に基づく枠組みを提供した。また、「貧困削減戦略文書(PRSP)」などの国家主導の開発戦略が援助プログラムを策定するための共通の参照資料となることも確認された。
7. 従って、援助機関は援助の実施に際して、結果ベースの管理を強化する。また、援助機関は、国家主導の戦略をめぐる連携へのドナーの共同取り組み強化とドナー慣行の調和化(被援助国の限られた行政能力にとって深刻な負担となる多くの手続き要件の削減)にも協力して取り組む。DACは、進捗状況の測定とモニタリング、および、個別的なアプローチ・地域の多様性を尊重しつつ、各国のこの点に関する経験を共有していくための共通基盤を提供するよう求められた。DACピア・レビューを最大限活用すべきである。
8. DAC HLMは、調和化の進捗とドナーの連携への共同取り組みは、長期的に適用範囲を拡大していく可能性を考慮しつつ、調達手続きにおける良き慣行、結果ベースの管理・評価の利用強化、「後発開発途上国向け援助のアンタイド化に関するDAC勧告(2001年)」の持続的な遵守などに関する一層の努力によって、補完していかなければならないということで合意した。
9. DAC HLMは、新設された「援助効果とドナー慣行に関するDAC作業部会」に対し、ドナー慣行の調整と調和化に関するDAC正式勧告の見通しなど、これらの分野のすべてにおける作業プログラムを緊急に設計・監督するよう要請した。この作業部会は、援助国の高級実務者で構成すべきである。多国間援助機関、特に開発金融機関と国連開発グループ(UNDG)はその作業に参加すべきであり、開発途上国も必要に応じて招請すべきである。作業部会は2003年のDAC
SLMに報告し、2004年のDAC HLM/SLMに最初の主要な成果を提出すべきである。
責任分担または相互アカウンタビリティへの新アプローチ
10. DAC HLMは、モンテレイ合意およびMDGの達成に向けて断固として前進する必要から、開発の進展には継続的対話による双方向コミットメントを伴う責任分担が必要であることを確認した。この責任分担ないし「相互アカウンタビリティ」については、開発途上国はグッド・ガバナンスと適切な政策(紛争の防止と解決を含む)へのアカウンタビリティを示し、先進国は援助フロー、援助効果、開発のための政策の整合性強化に対する責任を受け入れるという、先進国と開発途上国の関係において必要とされる実践的メカニズムの妥当な説明と認識されている。こうしたパートナーシップの例としてコトヌー合意が挙げられた。
11. 開発途上国は相互アカウンタビリティによって優先的な開発への明確なコミットメントを求められるが、HLM参加者は、破たん国家または「困難なパートナーシップ」の趨勢を食い止めるためにも開発協力の取り組みを行うべきであると強調した。参加者は、二国間および多国間援助機関がこの分野で協力していく手段として新たな「学習・助言パートナーシップ」を歓迎した。また、参加者は「テロリズムに関する開発協力レンズ」に関する政策ステートメントを承認するとともに、安全保障セクター改革および戦争の政治経済学に関するDACの継続的な活動を奨励した。さらに、政策の整合性を確保し、鉱業部門の透明性を強化することが重要であると強調した。
12. DAC HLMは、国連(国連ミレニアムプロジェクト)でも開発委員会(MDG達成への各国の政策をモニタリングする見込み)でも、進捗状況を追跡し、共同でレビューを行う実践的メカニズムが整備されてきていることに留意した。参加者はこの点に関して、2002年閣僚理事会(MCM)コミュニケおよびそこに盛り込まれている「共通の開発課題に向けたOECDの行動」に関する声明を踏まえて、開発のための政策協調に関するOECDの水平プログラムを歓迎するとともに、DACとOECDの他の委員会がその進捗状況について徹底的に討議するよう求めた。
13. HLM参加者は、NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)がアフリカに関してモンテレイ合意を実施する基礎となるとした昨年のHLMで表明された評価を想起した。参加者は、アフリカのオーナーシップを尊重する仕方で、NEPADの諸原則と、特に2003年3月9日にアブジャで開かれたNEPAD国家元首・政府首脳実施委員会(HSGIC)によって承認されたアフリカ・ピア・レビュー・メカニズム(APRM)を支持し、関与していくことを確認した。
14. DAC HLMは、NEPADとOECD/DAC間の開発効果相互審査に関する初のECA(国連アフリカ経済委員会)との事務局交流に留意し、ECA事務局長K.Y.アモアコ氏によるプレゼンテーションから多くを学んだ。また、DAC
HLMはこの相互審査のためのECA提案に関する一層の取り組みへのNEPAD HSGICの基本的支援にも留意した。
15. DAC HLMは、開発効果相互審査の分野でさらなる取り組みと検討が必要であるということで意見が一致した。ガバナンスと援助に関するベスト・プラクティスの審査では、国家レベルと「アフリカのための戦略的パートナーシップ」(SPA)など既存の枠組みの利用に特に注意を払うべきである。全体的なレベルで、DACはこの経験から結論を引き出し、新たな問題を明確化する上で役割を担う。これらについては、DACとNEPADに新設される予定の「ODAフォーラム」の間で、あるいは、ECA年次総会などのハイレベル会合で、討議することができよう。HLM参加者は、特定の問題の解決はその性質上WTOなどの専門機関で取り扱われることを念頭に置き、政策協調の問題を取り扱うにあたって現実主義と実際主義を求めた。
経済成長と貧困削減のためのODA、民間投資、貿易のシナジー効果極大化
16. DAC HLMは、経済成長が貧困を削減する上で極めて重要な役割を果たすというコンセンサスについて詳しく討議した。現在の世界経済の低迷は貧困層にとって脅威であり、今後も当面は脅威となろう。低所得国、中所得国を問わず、開発途上国における持続的な経済成長への基礎的な前提条件を改善するとともに、経済成長の実現に貧困層を関与させ、その恩恵を享受できるようにするためには、あらゆる方策、特に貿易政策と援助政策の整合性強化を追求しなければならない。経済成長を実現するには民間企業の発展が極めて重要である。HLM参加者は、中小企業の育成に関する「ボローニャ・プロセス」の継続を奨励する。国際貿易・投資への参加および農村開発とリンクした農業生産性と農産物輸出の促進は、貧困層を経済成長に結びつける上で極めて重要な役割を果たす。カンクンでの次期WTO閣僚会議を6ヶ月後に控えて、ドーハ開発アジェンダの現在の実施ペースを懸念し、参加者は以上の点を再確認した。
17. HLM参加者は、援助は良い政策が実施されている国で最も高い効果を上げることを想起し、ガバナンス、貿易と投資のための能力付与環境、イノベーションと新技術の役割に関するOECDの知識は有益であると認識した。こうした知識は開発途上国にとっても、ひいては援助配分の上でも重要である。こうした文脈から、HLM参加者は3月4日から5日にDACと世界銀行、国連の共催で開かれた「ICT(情報通信技術)の開発プログラムへの統合」に関するグローバル・フォーラムを歓迎するとともに、開発に向けた政策協調への双方向的アプローチによってOECDの他の委員会とさらに交流を深めていくことを奨励した。
18. 同時に、DAC HLMは、投資を呼び込むためにも、貧困層が成長の実現に参加できるようにするためにも、開発途上国の経済におけるサプライ・サイド面を強化するために援助が介入する必要性が強まっていることを強調した。持続可能な医療・教育制度への支援に加え、開発途上国の能力強化、特に投資と貿易のための能力強化を後押しすることが重要である。開発途上国と先進国双方の民間セクターを取り込んだ、輸送、エネルギー、水道、衛生などの分野における公的インフラの資金調達と管理に改めて注意を払わなければならない。DAC
HLMは、2003年4月29日から30日に開かれるOECD閣僚理事会(MCM)の討議では、様々な形態の官民パートナーシップの基礎となる可能性のあるこうしたODAと民間投資の交流について然るべき考慮がなされるとの自信を表明した。MCMでは、開発問題は「利益の共有:開発途上国における成長と投資の促進」に関するワーキング・ディナーで取り上げられるので、DAC
HLMはDAC議長にこの問題に関連した討議の結論をOECD MCMに伝達するよう要請した。
19. DAC HLMは、新たにマンデートを与えられた「DAC貧困削減ネットワーク」に対し、主な成長要因と貧困削減の統合に重点的に取り組む作業プログラムを設計・実施するよう要請した。進捗状況と最終的な成果はDAC
SLMに提出すべきである。一部の参加者はDACに対し、民間フローに対する政府保証の役割と民間寄付金の税控除の問題についてもさらに深く掘り下げるよう求めた。
イラク
20. HLM参加者は、イラクの救済、復興、再建に係わる問題について非公式の意見交換を行った。すべてのドナーは、機能的な経済を有する自治イラクの確立を後押ししていくことへの同じ基本的な関心を共有した。緊急の人道的ニーズと長期的な開発目標の統合が重要であることから、参加者は国連が重要な役割を果たすことで合意し、目標に関するコンセンサス作りに取り組むとともに様々な国際機関による具体的な調整とアプローチの一体化を促進するため、早期のドナー会議開催への関心を表明した。この点で2002年5月2日から3日に開かれた「アフガニスタンの再建と復興に関するDAC専門家会議」が想起された。
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