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2005/04/11
2004年の開発途上国向け政府開発援助(ODA)は過去最高の786億ドルを記録しました。インフレとドル安を考慮すれば、実質で見ると2003年の前年比4.3%増に続き、2004年は4.6%増となります。
開発援助委員会(DAC)加盟国のODA総額の対国民総所得(GNI)比は0.25%で2003年と同率でしたが、2002年の0.23%、2001年の0.22%と比べて上昇しました。
2004年のODAは実質で31億ドルの増加ですが、この背景には以下が挙げられます。
- 国際機関への拠出額が37億ドル増加
- アフガニスタンとイラクへの援助が総額で15億ドル以上増加
- 技術協力が12億ドル増加
- 債務救済総額が21億ドル減少
- 純融資額が13億ドル減少
2004年はDAC加盟22ヶ国のうち15ヶ国のODAが増加しました。金額ベースで見ると、最大のODA供与国は引き続き米国で、以下、日本、フランス、英国、ドイツの順となっています。ODAの対GNI比0.7%という国連の目標を上回っているのは引き続きデンマーク、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、スウェーデンだけです。
米国の2004年の純ODAは190億ドルで、2003年に比べ実質で14.1%増加しました。対GNI比も015%から0.16%へと上昇しました。この増加の大半は、援助やソフトローンの供与を行っている世界銀行グループの国際開発協会(IDA)向けの18億ドルに上る拠出金によるものでした。米国のアフガニスタン向け援助(8億7,500万ドル)とイラク向け援助(29億ドル)も大幅に増加しました。2004年の米国のODAがDACのODA総額に占める比率は24.2%と1986年以降の最高に達し、最低を記録した1995年の12.5%に比べるとほぼ2倍となりました。
日本の純ODAは実質で4.8%減の89億ドルとなり、対GNI比も0.19%へと低下しました。ただし、総額ベースでは24.5%増の161億ドルとなりました。この増加は、イラクに対する復興支援に加えて、主に一部の重債務国に対する債務救済が大幅に増加したことによるものです。しかし、債権を放棄した借款の大半は供与された時点でODAに算入されていたため、この債務救済は純ODAにはほとんど影響しませんでした。また、特にアジア金融危機から立ち直った国々からのODA借款の返済増も日本の純ODAに影響を与えました。
欧州連合(EU)に加盟しているDAC15ヶ国のODA総額は実質で2.9%増の429億ドルとなり、DACのODA総額の約55%を占めました。対GNIは0.36%で、2003年の0.35%を上回るとともに、2006年までに0.39%の達成というEUの目標にもほぼ沿っていますが、このうちの5ヶ国については最低でも0.33%という目標を達成するには引き続きODAを大幅に増やす必要があります。EU加盟国は2002年のモンテレイ開発資金国際会議に先立ち、これらの目標の達成を公約しています。
EU加盟国のうち、ベルギーは2010年まで、フランスは2012年までに0.7%の国連目標を達成すると公約しています(中間目標として2007年までに0.5%を達成)。また、スウェーデンは2006年までに1%、スペインは2006年に0.33%、2008年に0.5%、英国は2007〜2008年までに0.47%、2013年までに0.7%という目標を公表しています。
EU諸国で2004年の援助額が実質で最も増加したのは以下の各国でした。
- オーストリア(22%増)、主に債務救済による
- ギリシャ(13.1%増)、技術協力と緊急支援の増加による
- ルクセンブルク(10.5%増)、地域開発銀行への拠出金増額による
- ポルトガル(異例ともいえる187.5%増)、アンゴラへの多額の債務救済による
- スペイン(14.5%増)、国際機関への拠出のタイミングによる
- 英国(8.8%増)、プロジェクト/プログラム援助支出と債務救済の増加による
ODAはデンマーク(3.5%)、フィンランド(5.9%)、フランス(4.3%)、アイルランド(2.2%)、スウェーデン(1.4%)でも実質で増加し、ドイツ(−0.4%)は実質的に横ばいでした。
ベルギーのODAは、コンゴ民主共和国への大規模な債務救済を実施した2003年をピークに、実質で30.3%減少しました。イタリアの減少(−9.7%)は主に債務免除の減少(約4億ドルの減少)によるものでした。オランダのODAも、インドが同国によるODA融資を全額返済したため、4.0%減少しました。これらの繰上げ返済により、オランダはODAの対GNI比が0.74%となり、目標の0.8%を下回りました。オランダは2005〜2007年に目標を上回る対GNI比を達成することにより、今後も2004〜2007年の平均ではこの目標を維持することを目指しています。
上記の援助額のうちEU加盟国により拠出され、欧州委員会(EC)によって管理されている援助額は2004年に7.1%増加し、資金の支出の効率化傾向は続いています。
その他のDAC加盟国によるODA(実質)の変化は以下の通りです。
- オーストラリアのODAは2.3%の微増
- カナダのODAは12.2%の増加。これは、インドが同国によるODA融資を返済した2003年に比べ返済が減少したことによる
- ニュージーランドのODAは8.2%の増加。これは南太平洋の各種援助機関向け供与額の大幅増を含む
- ノルウェーのODAは微減(−2.9%)。
- スイスのODAは減少(−3.0%)。ただし、スイスが開発途上国からスイスへやってくる亡命希望者の初期費用まで含めれば、この数値は大幅に上昇する
DACに加盟していないOECDの援助国のうち、暫定的ながら2004年のODAデータを公表した国は、EUに加盟し開発予算への拠出を開始したポーランドのみで、これによると同国のODAは1億2,400万ドルへと増加しました。
2005〜2006年のODAはさらに大幅に増加する見込みです。加盟国がモンテレイ会議やその後に公約した通りのODAを実施すれば、ODAの対GNI比は2004年の0.25%から2006年には0.30%へと上昇するはずです。このようにODAの増加が見込まれるのは主に以下の要因が考えられるためです。
- 世界銀行の国際開発協会(IDA)への拠出金−2005年2月、援助国はIDAの援助額(贈与と借款)を少なくとも25%増やすためIDAへの拠出金を180億ドルとすることで合意。
- 二国間援助予算の増加−一部のDAC加盟国は二国間援助プログラムを大幅に拡大している。例えば、米国がミレニアム・チャレンジ・アカウント(MCA)に取り組んでいるほか、他の二つの援助大国−フランスと英国−も2012〜2013年までに国連の0.7%目標を達成するための野心的な計画の一環として二国間ODAを増やしている。
- 津波支援−インド洋津波による大規模災害で、官民双方とも異例ともいえるほど多額の救済・復興資金を打ち出している。DACは公約どおりに
援助資金の拠出が行われるかどうか追跡する方針。
- イラクへの債務救済−2004年末、パリクラブはイラク債務の多くを救済することで合意した。イラクと債権国間の二国間協議の進展ペースにもよるが、この債務救済のうち最大で150億ドルが2005年のDAC加盟国によるODAとして報告される可能性がある。
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