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2006年のOECD諸国の開発援助、前年比5.1%減

 

2007/04/03

主なメッセージ

世界の主要援助国であるOECD開発援助委員会(DAC)加盟22カ国が2006年に行った援助は1,039億ドルで、2005年に比べ5.1%減少しました。

この中には192億ドルの債務救済(特にイラクとナイジェリア向けの例外的な債務救済)が含まれています。債務救済を除くと、その他の形態の援助は1.8%減少しました。

DAC加盟22カ国のうち16カ国が、2002年モンテレイ開発資金会議で設定した2006年のODA目標を達成しました。

サハラ以南アフリカ向け援助(債務救済を除く)は2006年もほとんど変わらず、2010年までにアフリカ向け援助を倍増させるというG8グレンイーグルス・サミットのコミットメントは達成されませんでした。

2006年のODA(純額)

2006年の開発援助委員会(DAC)加盟国によるODA総額は5.1%減少し、1,039億ドルとなりました。これは加盟国の国民総所得(GNI)総額の0.30%に相当します。(表1および図1参照)。実質値でみると、1997年以降初のODAの減少となりましたが、依然として最も高いレベルを保っています(2005年を除く)。

この減少は予測されていたものでした。2005年のODAは、パリクラブによる大規模な債務救済措置(特にイラクとナイジェリア向け)により、過去最高の1,068億ドルへと押し上げられました。2006年も、加盟国がパリクラブ合意のさらなる段階を実施し、イラクに30億ドル強、ナイジェリアに約110億ドルを供与したことで、債務救済の供与(純額)が依然としてODA(純額)の大きなシェアを占めました(表2参照)。債務救済を除くと、ODAは1.8%減少しました。

速報値によると、サハラ以南アフリカ向け二国間ODA(純額)は実質で23%増加し、約280億ドルとなりました。しかし、増加の大半は債務救済の供与によるものです。実際、ナイジェリア向け債務救済を除くと、サハラ以南アフリカ向け援助は2%増に過ぎませんでした。

国連目標のGNI比0.7%を超えていたのはスウェーデン、ルクセンブルグ、ノルウェー、オランダ、デンマークのみでした。2006年の最大の援助国は米国で、以下、英国、日本、フランス、ドイツの順となっています。DACに加盟しているEU15カ国のODA総額はODA全体(順額)の57%を占めました。

2006年の米国のODA(純額)は227億ドルと、実質で20%減少しました。米国のODAのGNI比も0.17%へと低下しました。この低下は主に、2005年に米国がイラクの対米債務を数年の繰り延べではなく放棄したことにより、同年の債務救済が極めて高水準に膨らんだためでした。米国のサハラ以南アフリカ向け拠出(56億ドル)は、主に債務救済(14億ドル、うちナイジェリア向け6億ドル)と、教育、HIV/エイズ、マラリアプログラム向けの増加により、過去最高に達しました。イラク向けODA(純額)は高水準(48億ドル)を維持し、アフガニスタン向け(16億ドル)は増加し、後発開発途上国向け(55億ドル)は過去最高を記録しました。

日本のODA(純額)は116億ドルで、GNI比0.25%となりました。これは2005年に比べ実質で9.6%の減少ですが、これは主に、2005年にインド洋の津波被害に対する人道援助やイラク向け債務救済など極めて多額の支出を行ったことによるものです。日本のODA(純額)は、債務救済によりODAが増加した2005年を除き、2000年から減少傾向をたどっています。2006年のODA総額には国際金融機関への日本の拠出金の増額が含まれています。

DACに加盟しているEU15カ国のODA総額は実質で2.7%と小幅増加し、2005年の557億ドルから2006年には589億ドルとなりました。GNI総額比は0.43%で、EU全体の目標値0.39%を上回りました。この増加は主に債務救済の供与によるものです。

DAC加盟のEU10カ国の援助は以下の通り増加しました。

  • アイルランド(33.7%):二国間援助の増加と多国間機関への多額の拠出金を反映。
  • スペイン(20.3%):国連その他の多国間機関への拠出金の大幅増やAECI(スペイン国際協力庁)による拠出増による。
  • スウェーデン(15%):援助全般と債務救済の増加による。
  • 英国(13.1%):国際機関への拠出金の大幅増による。
  • デンマーク(2.9%)、フランス(1.4%)、ドイツ(0.9%)、ルクセンブルク(4.9%)、オランダ(4.2%)、ポルトガル(0.6%)の援助も増加。

援助が減少した国はオーストリア(−6.0%)、ベルギー(−2.7%)、フィンランド(−9.9%)、ギリシャ(−4.1%)、イタリア(−30%)で、これは主に国際機関への拠出のタイミングによるものです。

欧州委員会(EC)による援助は、近年のコミットメント増による財政支援の増加および拠出能力の改善を反映し、5.7%増の102億ドルとなりました。

その他のDAC加盟国による2006年のODAの前年比増減は以下の通りです。

  • オーストラリア(22.8%):債務救済供与の増加による(特にイラクおよび多国間債務救済イニシアチブ向け)
  • カナダ(−9.2%):債務救済の減少と、インド洋津波向けの援助が多額に上った2005年に比べ人道援助が減ったことによる
  • ニュージーランドは変化なし(0.0%)
  • ノルウェー(−2.2%)
  • スイス(−7.0%):債務救済供与の減少による

DAC非加盟7カ国の2006年のODA(純額)の前年比増減は以下の通りです。

  • 台湾(3.6%)
  • チェコ(6.4%):ECへの拠出増による
  • アイスランド(55.3%):開発協力向け拠出金の全般的な増額による
  • 韓国(−44.6%):世界銀行や地域開発銀行向け拠出金の減少による
  • ラトビア(−1.0%)
  • リトアニア(15.2%):ECへの拠出増による
  • スロバキア(−9.1%):二国間援助の減少による

2006年のODA総額

総額でみると、ODAは1,160億ドルとなりました。最大の援助国は米国(240億ドル)、日本(180億ドル)、英国(130億ドル)、ドイツとフランス(それぞれ120億ドル)、オランダ(約60億ドル)、スペインとイタリア(それぞれ40億ドル強)の順で、これらの国で全体の80%を占めました。

加盟国は2006年の目標を達成したか

2002年、DAC加盟国はモンテレイ開発資金国際会議を控えて、あるいはその会議中に、2006年の援助を2000年の水準より増額する旨の様々な発表を行いました(表3参照)。

15のEU加盟国はバルセロナで、2006年までにEU全体としてのODAのGNI比を0.39%、国別最低目標を0.33%へと引き上げることを発表しました。ギリシャ、イタリア、ポルトガルを除き、大半の加盟国は国別目標に達しました。スペインについては、国民計算システムが最近変更になったことから、国別目標に関する暫定的なデータが間に合いませんでした。2006年のEU全体としてのODAのGNI比は、主に債務救済の供与により、0.43%となり、2002年に設定した目標の0.39%を大きく上回りました。

2002年以降、EU加盟国の中には、2006年の目標を引き上げ、その目標を達成した国もあります。ベルギーはODAのGNI比0.50%という目標を設定し、スウェーデンは1%という目標を超えました。デンマークは0.8%という最低目標を維持すると約束し、アイルランドは7億3,400万ユーロの支出レベルの達成(2007年のGNI比0.5%、2012年が0.7%)を打ち出しました。

米国は、大規模な債務救済プログラムやサハラ以南アフリカ、アフガニスタン、イラク向け援助の増加により、2006年のODA(純額)が予想を上回りました。日本は、2006年のODA目標について発表を行いませんでした。ノルウェーは、近年のGNIの大幅な伸びのため、2005年までにODAをGNI比1%にするという目標を達成できませんでした。

将来の見通し

2007年のODAは、ナイジェリアとイラク向けの債務救済額が縮小することに伴い、再び小幅減少する見込みです。その後、援助国が近年の公約を果たせば、その他の形態の援助は増加することが見込まれます(図2参照)。

EUは2005年、援助を更に増額し2010年までにEU全体としてのODAのGNI比を0.56%、国別最低目標を0.51%へと引き上げることで合意しました。このEUの全体目標は、一部の加盟国が援助を国別最低目標以上のレベルへと増額することをコミットしているほか、DAC非加盟のEU諸国が国別最低目標を達成することで援助を増額する方針を打ち出していることを考慮したものです。

オーストラリアは、2010年までにODAを約40億豪ドルに倍増させることを発表しました。日本は2005〜2009年のODAを2004年の水準より総額で100億ドル増やすと表明しています。スイスは2009年以降の新たな目標を決定する予定です。

 

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