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教育

「図表で見る教育2001年版」発表

2001/6/13

教育支出への需要の高まりと格闘するOECD諸国

 OECD諸国は、高まるニーズに応えて教育施設への投資を増やしています。しかし、この分野への公的支出の伸びが全体的な経済成長率と同じ水準に達しているのは、トルコ、ギリシャ、ニュージーランド、ポルトガル、デンマーク、イタリアなど少数の国に過ぎません。これが、世界の主要先進国について主な教育指標の年間比較を示したOECD「図表で見る教育」最新版の結論の1つです。

 米国では、教育施設への公的支出の対GDP比は1997年以来、OECD平均の5%を下回っています。国民所得全体に占める教育への投資額の割合が今でもOECD平均を上回っているのは、民間支出の水準が平均を上回っているために過ぎません。大多数のOECD諸国では、教育支出の伸びは高校卒業後進学する学生数の伸びに追いついていません。この結果、多くの国で学生1人当たりの支出は減少しています(オーストリア、チェコ共和国、ハンガリー、デンマーク、英国では10%以上の減少)。

 OECD諸国平均で見ると、1999年には高卒者の25%が大学で学士号を取得しており、この比率は1998年に比べ1%上昇しています。学歴の高い人ほど収入も多くなる傾向があります。30〜34歳の年齢層で見ると、大卒者の収入は平均で高卒者より60%多く、中卒者以下に比べると2倍も多くなっています。

 しかし、各国間の教育格差は広がっています。英国、ニュージーランド、フィンランド、オランダ、米国では、今や高卒者の3人に1人が大学で学士号を取得しているのに対し、トルコ、チェコ共和国、メキシコ、オーストリア、ドイツ、イタリアでは、この割合は6人に1人以下へと低下しています。

 しかも、多くの国では最終学歴の平均が上昇していることで、依然として教育の提供と成果における根強い不平等が隠されています。すべてのOECD諸国で高卒者数は増えています(高卒の資格を持たない人の比率は、25〜34歳の年齢層では28%と、55〜64歳の年齢層(55%)の半分に過ぎません)が、高校を卒業していない人も依然としてかなり存在しています。メキシコ、トルコ、ポルトガル、スペイン、イタリアでは、25〜34歳の年齢層の45〜75%が高校を修了していません。

 こうした人たちが取り残されないようにすることが重要な課題となっています。社会的に排除されてしまうリスクがあるからです。多くの国で、こうした人たちが後になって継続的な教育や研修によって追いつくことができる機会は限られています。25〜64歳の年齢層の仕事関連の年間平均教育・研修時間を見ると、高卒者は40時間、大卒以上は64時間以上なのに対し、高卒資格を持たない人はわずか17時間に過ぎません。

 他に「図表で見る教育2001年版」に収録されている指標は次の通りです。

  • 韓国、日本、米国、オーストラリア、カナダ、英国などの多くの国では、高等教育機関への支出全体に占める民間支出の割合が今や30%を超えています。日本では、民間資金が高等教育機関への支出全体の半分以上を占め、韓国では民間資金の比率が80%を超えています。

  • 学校経営を民間部門に任せる政府が増える傾向にあります。平均で、小学生と中学生の13.5%が民間の教育機関に在籍しており、10.6%が資金は政府に頼っているものの経営は民間が行っているという学校に通っています。民間経営、政府資金の中学や高校に在籍する学生が全体に占める割合は、ベルギーでは58%、オランダでは76%にも達しています。オーストラリア、韓国、スペインでは、生徒の20%以上が私立の学校に通っています。

  • OECD諸国を通じて、教育は就職に関しても個人に大きな恩恵をたらしています。大半のOECD諸国で、就業率は学歴とともに上昇し、特に女性についてはこの傾向は顕著です。30〜44歳の年齢層の男性で見ると、高卒資格を持たない人の失業率は平均で大卒者の3倍以上、高卒者の2倍以上にも達しています。

  • 学歴の上昇は経済成長にも寄与しています。大半のOECD諸国で、過去20年間の国民1人当たりGDP成長率への学歴上昇の寄与度は約0.4パーセント・ポイントと推計されています。

  • いくつかの国は教員の高齢化という時限爆弾を抱えています。多くのOECD諸国では、10年以内に退職年齢に達する教員の比率が高く、憂慮されています。一部の国では教員の高齢化が加速しています。平均で、中学教員の約3分の1が50歳以上で、ドイツとイタリアではこの比率は40%を超えています。

  • コンピュータは21世紀の学校環境に欠かせないものとなっていますが、その利用状況を見ると、国際的にも国内的にも依然として大きな格差があります。コンピュータを利用している中学生の比率は、1999年時点で、ベルギー(フランス語地域)やチェコ共和国の約45%からデンマーク、フィンランド、アイスランドの85%強まで大きな開きがあります。カナダ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ニュージーランドでは中学校の85%がインターネットに接続されていました。

  • 教員の給与にも大きな開きがあります。公立中学校教員の年間法定給与(教員暦15年)は、チェコ共和国、ハンガリー、トルコの1万ドル以下からスイスの5万ドル以上まで大きな差があります。こうした差は、購買力平価調整後には均一になっており、生徒1人当たりの教育コストの違いに大きく影響しています。

  • 働きながら勉強している若い女性の比率はどの国でも男性より高く、その差は平均で5パーセント・ポイント強にも達しています。ほとんどすべての国で、働きながら勉強する女性の雇用形態の60%以上はパートタイムになっています。
     

 本報告書の詳細については、OECD教育・雇用・労働・社会問題局の
Andreas Schleicher(andreas.schleicher@oecd.org)までお問い合わせください。

"Education at a Glance: OECD Indicators 2001 Edition"
ISBN 92-64-18668-9 \4,950 pp.412


[図表を見る]

 

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