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特別なニーズを抱える生徒への支援方法は
見直しが必要
2003/11/20
OECDの新報告書「Education Policy Analysis 2003」によると、特別な資金手当てを要する障害やその他の特別なニーズを抱えている生徒への支援方法は国によって非常に異なっているため、見直す必要のある政策分野の1つです。
本書は、3種類の特別なニーズ−障害、学習困難、その他の恵まれない状況−が20のOECD諸国*でどのように取り扱われているかを調査したものです。各国とも特別なニーズを抱える生徒にも公平に教育を受けられる機会を提供しようと努めており、このための給付金制度をもっていますが、調査によればこうした制度には非常に大きな開きがあります。
- ベルギー(フランドル地方)、カナダ(ニューブランズウィック州)、チェコ、米国では、障害認定により特別給付金の支給を受けている学生は全体の約3%です。メキシコでは、このような支援を受けている学生は全体の1%未満です。
- ベルギー(フランドル地方)では障害認定を受けたほぼ全ての学生が特殊学校に通っていますが、米国ではほぼ全ての学生が普通学校に通っています。
- フィンランドでは、学習困難認定により特別給付金の支給を受けている学生は全体の20%です。この比率は、英国では14%、他の大半の国では10%を大幅に下回っています。学習困難な学生に関するデータを有している4ヶ国−フランス、ルクセンブルグ、メキシコ、スペイン−では、この種の支援を受けている学生は2%未満です。
- スペイン、カナダ(ニューブランズウィック州)、英国では、学習困難な学生も100%普通学校に通っています。これに対し、ドイツとオランダの場合、学習困難な学生の半数以上は特殊学校に通っています。
特別なニーズを抱える生徒がどの程度特殊な施設ではなく普通学校に通っているかは、普通学校が多様なニーズにどの程度対応しているかを判断する目安となるものです。学校を特別なニーズを抱える生徒にとってより公平なものにするとともに、普通学校によるそうした生徒の受け入れを支援していくため、本書は学校職員にこれまでよりも一貫し、目的を絞り込んだ研修を受けさせるべきであると提言しています。学校側は職員同士のより効果的な専門知識の共有を奨励し、心理学や健康、社会福祉などの専門家とそれぞれ連携し、親や地域社会のその他の人々と緊密に協力していく必要もあります。
本書2003年版は、近年幾つかの国で高等教育ガバナンスに対して行われている抜本的改革についても調査しています。大学その他の高等教育機関は経営の自律性を高めていますが、にもかかわらず、政府は新たな評価メカニズム等を導入したり、資金助成を特定プログラムの導入にリンクさせたりして影響力を行使しています。内部的な大学運営方法も様変わりしており、大学全体を1つの企業体として経営管理することが重視されるようになっています。
本書はまた、個人、企業、政府が成人学習にも投資するようにするためのインセンティブとその手段に対して評価を行っています。現行制度では多くの場合、個人に対しても政府に対しても生涯学習に多くの時間と資金を投入させるだけのインセンティブが働いていません。中には、個人、企業、政府が資金を出し合って成人学習の費用を「共同負担」する仕組みによって生涯学習プログラムを奨励しようとしている国もあります。この制度によって個人が学習機会を得る選択肢は増えていますが、新たな学習機会も最も必要としている恵まれない成人にまでその対象を広げるのは難しいとされています。
最後に、本書2003年版は、多くのOECD諸国がキャリアガイダンスの役割を拡大し、生涯学習プロセスに取り込んでいる方法についても調査しています。単に就職か進学かの進路決定をサポートするのではなく、キャリアアドバイザーがキャリア管理スキルの幅広い構築をサポートするとともに、成人になってもガイダンスを広く受けられるようにする必要性が増しています。しかし、現在のところ、こうしたサポートを利用しているのは主に公共職業安定所に足を運ぶ失業者です。成人がキャリアガイダンスを容易に利用できるようにするために、本書は成人向けガイダンスの新たなファイナンス方法(個人学習口座や市場メカニズムの活用など)、生涯学習サポート面の役割を強化する公共職業安定所改革、地域社会や情報通信技術をベースにしたガイダンス手法の活用などを提言しています。
*分析対象国はベルギー(フランドル地方)、カナダ、チェコ、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルグ、メキシコ、オランダ、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国。
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