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OECD図表で見る教育2008年版:
学生数の急増が資金と質の両面で
OECD諸国の大学の課題となっている
2008/9/9
大学進学者数が増加の一途を辿るなか、各国政府とも学位への需要増に適切に対応すべく資金と質の両面で厳しい意思決定を迫られていることが、OECDの新たな調査で明らかになりました。
OECDの年刊「図表で見る教育」2008年版で公表されたデータによれば、OECD諸国では過去10年間に大学進学率が平均で約50%近く上昇しています。
しかし、公財政に占める教育支出の割合が1995年の平均11.9%から2005年の13.2%へと拡大しているにもかかわらず、多くの国では高等教育支出の伸びが学生数の伸びに完全には追い付いていません。それどころか、一部の国――特にハンガリー、オランダ、スウェーデン――では、学生1人当たり支出(調査研究費を含む)が過去10年間に減少しており、ベルギー、ドイツ、アイルランドではそれは2000年から減少を始めています。
「図表で見る教育」2008年版の発表の席上、アンヘル・グリアOECD事務総長は「OECD諸国が現在直面している課題は、質を高めつつ需要増に応えることであり、そのためには資金を増やすだけでなく資金の使途も変える必要がある」と述べました。
さらに、「OECD諸国は、高等教育の学位取得を望む学生の急増と高いスキルを備えた若年層を求める企業の増加の両方に応えるため、教育資源を大幅に増やす必要がある。ただし、資金のみではこれは実現できず、教育投資を大幅に効率化する必要もある」と述べました。
各国は高等教育が直面する課題に異なる方法で対応しています。北欧諸国は、個人と社会の両者に配当をもたらす投資として、高等教育への多額の公的支出を認めてきました。これに対し、オーストラリア、カナダ、日本、韓国、ニュージーランド、英国、米国などの国々は、学生の負担割合を高めることで大学生数の増加に対応しています。
一方、大学への公的投資が学生数の増加に見合うほど増えないまま、大学が授業料を課すことも認めていない国もあります。この場合、大学側が財政難に陥るばかりでなく、提供されるプログラムの質が低下する恐れもあります。
「図表で見る教育」2008年版には、政策当局の参考となる幅広いテーマに関する指標が収録されています。教育への参加者や支出に加え、教育制度がどのように運営され、どのような成果を上げているのかも明らかにされています。
2008年版の主なポイントは以下の通りです。
- OECD諸国平均では、今や高校卒業者の57%が大学に進学している(1996年の同数値は37%)。
- オーストラリア、フィンランド、アイスランド、ポーランド、スウェーデンなどでは、高校卒業者の4人中3人までもが大学に進学する。
- 全てのOECD諸国で、高等教育履修者の平均所得は中等教育のみの修了者の平均所得より多い。
- ニュージーランドやノルウェーなどでは、この所得格差は15〜25%と比較的小さい。しかし、他の国での格差はこれよりはるかに大きい。例えばハンガリーではこの所得比率が約2対1である。大半の国でこの差は拡大している。
- 大半のOECD諸国では、依然として公費が高等教育費の大方を占めている。OECD平均で、私費負担は高等教育費全体の4分の1未満である。しかし、私費負担の役割は増大している。
- OECD諸国平均では、過去5年間に高等教育の私費負担はほぼ3倍に増えているが、公的負担は26%しか増えていない。オーストラリア、日本、米国では、私費負担の割合が50%を超え、韓国では75%に達している。
- 自国外の大学に入学する学生数は290万人を超えている。これは1996年に比べ倍増、2000年に比べ50%増である。オーストラリアの大学では5人に1人、ニュージーランドの大学では4人に1人が留学生である。
- ほぼ全てのOECD諸国で、若年層の方が上の年齢層より教育レベルが高い。顕著なのは韓国で、25〜34歳の97%が中等教育を修了しているのに対し、55〜64歳では37%に過ぎない。アイルランドでも25〜34歳の82%が後期中等教育を修了しているのに対し、55〜64歳では41%である。これに対し、米国ではどちらの年齢層も87%と同一水準にある。
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