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OECD雇用アウトルック2001 発表
2001/7/3
今日、政府がダイナミックな労働市場を促進しようとするのであれば、柔軟な社会福祉政策や雇用政策が一層重要になります。このことは、サービス産業、労働と家庭生活の関係の円滑化、移住労働者に関する政策の分野において特に顕著です。7月3日発表の「OECD
雇用アウトルック2001」にはこれら三分野に関する考察が掲載されています。
■マック・ジョブ神話の正体
マック・ジョブ(McJob:ファーストフード店での仕事)神話は、サービス部門の新しい職の大半は低賃金で不安定だという見解ですが、立証されてはいません。賃金と労働条件、あるいは仕事に対する満足度の尺度で見ても、サービス部門の仕事が製造業に劣ると単純に結論づけることはできません。また、雇用数が増加すると仕事の質が下がるという単純な図式も成立しません。サービス部門が拡大することによって、高賃金の仕事が低賃金の仕事よりも急速に増加しています。さらに、低賃金の仕事だけでなく高賃金の仕事においても、雇用率は大半のヨーロッパ諸国よりも米国の方が高くなっています。このように、サービス部門の仕事の質とその雇用増大との関係をよく見てみると、2つの政策提言が浮かび上がります。第一に、雇用状況を改善するための政策は、未熟練労働者だけに適用するよりも、より広範な層を対象として、雇用創出障壁の撤廃を目指した方が成功しやすいということです。第二に、一般に仕事の質を向上させるには、スキル獲得への投資が依然として重要であるということです。
■仕事と家庭生活とのバランス
労働市場に参入できると同時に、家庭生活を楽しみ、幼い子供へのケアを行える個人の能力のバランスを保つためには、より柔軟な雇用・福祉政策が必要です。本アウトルックによると、依然としてOECD諸国の多くでは、母親は仕事があってもパートタイムで働く傾向が高く、父親が金銭的報酬を伴わない家事や子育てに従事する時間は母親よりも少なくなっています。これらを全て考慮すると、フルタイムの仕事から報酬を得ている女性はおおむね男性よりも労働時間が長く、金銭的報酬の無い仕事しかしていない女性は男性よりも労働時間がわずかに短くなります。産休や保育施設は増加しており、母親の有給職へのサポートに繋がっています。さらに、雇用者の果たす役割も重要で、法律が定める対策に加えて「家族にやさしい」配慮を行っている雇用者も多数います。しかし、国によって状況は様々で、法定対策の水準が比較的低いため、雇用者による自発的特約では不充分となっている国もあります。
■移住と熟練外国人労働者の役割
OECD 諸国の大半では過去10年間、外国からの移住者は、数においても全人口に占める割合においても増大しています。しかし、移住者社会の規模や構成については国によって様々です。外国人雇用は、周期的変動への労働市場の調整に対する緩衝剤の役割を果たしています。しかし、労働市場の短期的ニーズへの対応を主目的とした移民政策を実施しようとすると困難が生じます。したがって、労働市場の不均衡の責任は外国人労働者にあるとみなすことはできません。また、外国人労働者の雇用を、労働市場調整の代替手段にすることもできません。むしろ、供給不足となっているスキルを外国人労働者が提供してくれるのであれば、外国人労働者はその国の経済に多大な貢献をすることが可能です。このことはOECD諸国の多くで認識されており、外国人専門家の参入を容易にする政策が導入されています。特に、情報通信技術関連においてこの傾向が顕著です。
"OECD Employment Outlook 2001" ISBN:
92-64-18689-1 ¥6,050 pp.284
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