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2007/06/19
「OECD加盟国政府は、グローバル化を脅威と捉えずに、変化する雇用市場に国民が適応できるよう、労働規則と社会保障制度の改善に重点的に取り組むべきである」
これは、OECDの年報『雇用アウトルック』2007年版からのメッセージです。本報告書では、オフショアリング(海外企業への業務委託)が労働者、中でも低技能労働者の交渉力を弱めさせる可能性があると指摘しています。それが現実のものか、将来的脅威なのかを問わず、今後、オフショアリングは先進国の雇用と賃金を弱めていくおそれがあります。
賃金格差も拡大しています。1990年代初め以降、データが存在するOECDの20加盟国中18カ国において、高所得者層と低所得者層の格差が広がっており、唯一の例外国はアイルランドとスペインのみとなっています。
本報告書では、雇用の創出・改善のために政府がとるべき政策について勧告しています。
ベルギー、フランス、スウェーデンなどの社会保障負担の大きい国に対しては、OECDは社会保障費の財源調達先を拡大することを提言しています。主に賃金がベースとなっている社会保障費は、労働に対する税金として作用し、雇用の創出を抑制します。国民所得に占める賃金の割合が低下している現状では、社会保障負担を減らし、その財源確保のために所得税や付加価値税など税基盤を拡大することがカギとなります。
グローバル化には、労働者が将来性のない仕事にとらわれることにならないよう、流動性が必要です。本報告書では、この対策としてオーストリアとデンマークが導入している、いわゆる「フレキシキュリティ(flexicurity)」政策を高く評価しています。たとえばオーストリアでは、従来の退職手当制度に代わり、労働者がそれぞれ個人の貯蓄口座をもっており、転職の際にはその口座も移動します。失業した際には、労働者はその口座から資金を引き出すか、あるいは将来年金として受け取るために権利を貯めておくかを選択することができます。
本報告書では、失業者は雇用に配慮した社会保障制度によって補償される必要があるともしています。これは、再雇用のチャンスを増やす「就労化」対策を実施するとともに十分な手当を支給することによって可能です。北欧諸国とオーストラリアでの経験は、適切に策定された政策であれば、失業者の再雇用の可能性が高まり、グローバル化による不安も軽減されることを証明しています。
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