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再生可能エネルギーに関する発の評価を発表

 

2003/12/01

1970年代の二度のオイルショック以来、OECD加盟国政府は化石燃料への依存を減らし、供給の安全保障を高めるために、エネルギーミックスの多様化を図ってきました。各国政府がこれまでに行ってきた再生可能エネルギーへの投資は、同エネルギーのコスト構造を大幅に改善させています。本日、IEAから刊行された二冊の報告書では、エネルギー持続可能性の向上に貢献する再生可能エネルギーの可能性について、現実に即した評価を行っています。

Renewables for Power Generation: Status & Prospects』は、再生可能エネルギー技術に関する初の包括的な調査報告書となっています。本書では主要な資源、技術的特徴、コスト、開発の動向を明確に特定し、発電に使われる六種類の再生可能エネルギーの現状と短期的な見通しについて、基本となる信憑性の高い評価結果を示しています。

調査は、地域や、技術の発展度合いに応じた資本コストが競争力に最も大きな影響を与えることを示しています。本日パリで行われた報告書の発表記者会見において、ウィリアム・C・ラムゼイIEA事務次長は「再生可能電力のコストは、その地域の資源に大きく依存している。資源の豊富な地域ではコストは最も低い」とし、「我々は大きな前進を遂げている。現在こうした地域では、再生可能電力がキロワット時当たりのコストで化石燃料との競争に十分耐えられるようになり、環境コストを考慮する必要もない。しかし、このような条件を備えた地域は限られており、資源も間欠性がある。我々の課題は、再生可能エネルギー技術を更に発展させ、広く競争力を持たせることである」と述べました。

再生可能エネルギーのコスト削減を進めるには、一層の研究開発が求められます。同時に、市場を刺激し、業界の経験を蓄積していくことも必要です。ラムゼイ事務次長は「技術の発展と市場の経験は密接に関わっている。この二つは共に、技術研究開発、製造工程の改善、市場の経験蓄積との間の関係を強め、好循環を生み出していく。この関係が将来的に続けば、再生可能エネルギー技術のコスト競争力は、各国政府の政策協調を通じて一層強められるだろう」と述べています。政策責任者は技術向上につながる市場の構築を目指し、市場ベースのインセンティブに重点を置くことが必要です。

本書では、再生可能エネルギーには広く類似点があるものの、同時に相違点もあることを政策責任者は認識すべきであるとしています。画一的な対策は機能しません。再生可能エネルギー技術はそれぞれ異なる速度で発展し、間欠性や国民の支持といった点でその限界にも違いが見られます。本書では特に集中型での太陽光発電に注目しています。集中型発電については、カリフォルニアなど資源の最も豊富な地域では支援策が実施され、小売電力コストとの幅が一層狭まっています。その他の資源―風力、バイオエネルギー、小水力、バイオマス―の豊富な地域でも、キロワット時当たりの発電コストが化石燃料に対抗できるようになっています。分散型発電のニッチ市場では太陽光発電、小風力、小水力、バイオマスが競争力をつけています。特に先進国では、この四つの技術は遠隔計測、送水ポンプ、鉄道のスイッチング機器など、中小企業や農業での利用に適しています。一方、開発途上国では主として照明、冷蔵、調理に利用されています。

将来、再生可能エネルギー技術にかかるコストは、設備容量が2倍になるごとに最大で約20パーセント減少することが予想されます。世界的には、太陽光発電技術は経験の蓄積と市場の成長に伴い、次の10年とその次の10年でそれぞれ約30〜50パーセントのコスト減少が、そして風力・地熱発電技術は設備容量が2倍になるごとに約10パーセントの減少が予想されます。これをベースに考えると、風力発電のコストは次の10年とその次の10年でそれぞれ約25パーセント減少し、同じ期間で地熱発電のコストは約10〜25パーセント減少すると考えられます。最も成熟した技術については、コスト削減も小幅なものにとどまる可能性が高く、小水力とバイオマス発電のコストは次の10年とその次の10年で約5〜10パーセントの減少が見込まれます。これによって、2010年までには資源の豊富な地域のコスト競争力が高まり、キロワット時当たりの発電コストが風力で2〜4セント、太陽光で10〜15セント、地熱で2〜3セント、バイオマスと小水力で2〜3セントとなります。

ロシアでの再生可能エネルギーの驚くべき可能性

これまでに述べた調査の結果はロシアにも応用できるものです。本日発表されたもう一つの報告書『Renewables in Russia: From Opportunity to Reality』は、ロシアの再生可能エネルギーの市場潜在力について初めて評価を行ったものです。ロシアでは、石油、ガス、石炭資源が豊富にあるため再生可能エネルギー資源の開発はほとんど必要ないというのが常識となっています。ラムゼイ事務次長はこれについて、「それでも、ロシアは再生可能エネルギーの'眠れる巨人'である。再生可能エネルギーを利用すれば、コスト効率に優れた方法でエネルギー需要を満たすことができ、経済や社会にとっても大きな利益になる」と述べています。

再生可能エネルギーによる分散型発電は競争力があり、ロシアの遠隔地域には特に適用できます。同地域の大半は、燃料を西シベリアといった少数の資源豊富な地域からの輸入に大きく依存しています。ロシア国土の広さを考えた場合、輸送費は燃料費の総額を大幅に押し上げることになり、実際に燃料費が予算の半分以上を占めている地域もあります。ロシア極東地域や北コーカサス地方の地熱資源、多くの河川流域の水力資源、風力や太陽光などの新たな再生可能エネルギーは、遠隔地域の人々の生活に有効であり、集中型発電によるエネルギーも競争力のある価格での供給が可能になります。

配電網にアクセスできない人が約1,000万人いるロシアでは、再生可能エネルギーによる分散型発電システムが大きな可能性を秘めています。多くの孤立した地域では再生可能エネルギーは経済的であるだけでなく、おそらく電気と熱を消費者に供給する唯一の手段であると考えられます。

気候の厳しいロシアでは、暖房は経済的にも社会的にも大きな意味を持ちます。既存の暖房システムの多くはエネルギー効率が悪く、熱損失量が大きいばかりか、サービスの質も劣っています。地熱エネルギーやバイオマスボイラー、太陽集熱器を導入することで、ロシアの多くの地域に暖房や温水を効率良く供給することができ、環境負荷も軽減されることでしょう。

ロシアのことわざに「新しい事は、忘れてしまった古い事」というのがあります。これは再生可能エネルギーにも大いに当てはまります。なぜなら、ロシアがこのエネルギーの開発に着手したのは20世紀の初めであったからです。その結果、ロシアの再生可能エネルギー技術は、機能や科学的・技術的特徴においては外国の技術と遜色ないものとなりました。しかし、実用化という点では立ち遅れています。ロシアの再生可能エネルギー業界は海外の企業と提携関係を築き、政府も業界に対して国内市場発展のためのインセンティブを与える必要があります。

本書の目的は、ロシアでの再生可能エネルギー開発の奨励策について、同国の政策責任者にガイドラインを示すことです。本書で提案した投資刺激策は、現実的でコストも低く抑えられるため、政府の支援は大幅な財政支出に必ずしもつながるわけではないと見られています。

 



 

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