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2002/4/19
OECDが開催する鉄鋼に関するハイレベル会合の継続につき、ほぼ全ての鉄鋼生産諸国・地域(注1)は支持を表明しました。同会合は鉄鋼の短・長期的問題に取り組むために2001年9月に開始されたもので、主に、世界規模での非効率的な過剰生産能力の削減、鉄鋼市場の歪曲等の問題を議論してきました。
現在の状況
本会合では、各国の鉄鋼市場や鉄鋼産業の最近の動向について情報や意見の交換が行われした。また、多くの国で貿易制限措置を求める圧力が存在すること、実施された措置の多くがWTOの枠組み内で対処される紛争案件となっていることが明らかになりました。参加者からは、最近の貿易制限措置の拡大が鉄鋼産業に必要なリストラを遅らせかねないという懸念が表明されました。会議ではOECDでの取り組みを加速させるべきであるという点で一致しました。政府間協議の進展は、長期的には貿易制限措置やその見直しを求める圧力を低下させるでしょう。
今後の活動の方向性
会議では、世界の鉄鋼産業で現在生じている摩擦は鉄鋼産業が抱える深刻な構造的問題の現われであるという点で一致しました。参加者は、市場を歪曲し非効率的な過剰設備を存続させている諸要素への対応を強化することで合意しました。また、鉄鋼産業のリストラ促進のほか、非効率的な過剰設備に対する政府支援の中止を求めました。またハイレベルグループが幾つかの主要分野で大きな進展を遂げたことを指摘したほか、鉄鋼の貿易面や生産調整面の課題に対する持続的かつ長期的な解決策を特定するために、各国政府が共同作業を継続することで合意しました。
非効率的な過剰設備
会合で示された最新の情報によれば、会合参加国・地域において1998年レベルと比較して、2002年末までに9,100万トンから9,500万トン分の粗鋼生産能力が削減され、また2005年までにはさらに2,300万トンから3,300万トン分が削減されると見られます。このように多大な削減量が示された一方で、こうした削減量が最終的なものかどうか、また現在の市況が閉鎖の規模にどの程度の変更を与えるのかという懸念も表明されました。
会合では以下の点で一致しました。
- 「生産設備の永久的閉鎖」が何を意味するのかをより正確に定義する。
- 正確な定義の観点から、また現在の市況を考慮しつつ各国・地域での生産能力削減データを見直す。
- それらのデータを遅くとも2002年6月末までにOECD事務局に提出する。
- リストラおよび非効率な過剰生産能力の削減に向けての活動をさらに進展させる。
- 削減に関する財政面、規制面での過去の事例および削減過程を支える助成手法について調査する。
- 定期的に各国・地域の鉄鋼生産能力の変化に関する情報をアップデートするためのレヴューを進める。
2002年9月に行われる生産能力作業部会の第一回審査では、各国・地域が予測していた生産能力削減がどの程度実現されたかを調査する他、以下についても議論する予定です。(1)
長期的な存続可能性についての鉄鋼産業自身の見方、(2) 非経済的な生産能力の削減を妨げる経済・社会・規制的課題の特定、(3) 鉄鋼産業におけるリストラ、生産能力合理化、非効率的生産能力削減を推進するための政策および提言。作業部会参加者は、最新情報を半年に一回のペースで提供すること、および2003年半ばまでに各国・地域についての第1回の政府間レヴューを完了させることで一致しました。
市場を歪める政府措置および業界慣行
会合では、市場を歪める政府措置および業界慣行に関する規律調査部会の作業について論議しました。また同部会が、事務局資料に基づき、規律改善の可能性のある分野の分析を行い、その結果を次回のハイレベル会合で報告することを決定しました。
会合では、各政府が鉄鋼市場を歪める措置を自発的に制限する余地についても討議されました。会合参加者は、短期的にはそうした行為に適した状況ではないという点で一致しましたが、ハイレベルグループの今後の活動においてこの課題が重要な位置を占めることから、本件を今後も検討することで合意しました。
今後の取り組み
ハイレベルグループは、鉄鋼産業の状況を評価し、生産能力および市場を歪める措置に関する作業の結果を討議するため、年末までに会合を持つことで合意しました。生産能力作業部会は本年9月に会合を開き、その後は半年ごとに会合を持つ予定です。規律調査部会は生産能力作業部会と連動して会合を持つとともに、その後は必要に応じて会合を開きます。また、こうした作業の特定の部分では鉄鋼産業の代表者および専門家を参加させることでも合意しました。
ハイレベルグループはOECD事務総長に対し、鉄鋼産業とその将来展望に関する同グループの討議について、2002年5月の閣議理事会に報告するよう要請しました。
ハイレベル会合は2002年4月18、19日の両日、パリで開催され、ヘルヴィッヒ・シュレーゲルOECD事務次長が議長を務めました。本会合は、2001年9月17、18日、2001年12月17、18日、2002年2月7、8日の会合に続く第四回会合となります。OECDに加盟していない国・地域も、OECD諸国と対等の条件で会合に参加しています。2月の会合ではハイレベルグループの活動を補佐するための規律調査部会と生産能力作業部会が設置されました。
(注1)
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、チェコ共和国、デンマーク、欧州委員会、エジプト、フィンランド、フランス、ギリシャ、ハンガリー、インド、イタリア、日本、韓国、ルクセンブルグ、メキシコ、ノルウェー、ニュージーランド、オランダ、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア連邦、スロバキア共和国、スロベニア、スペイン、台湾、スウェーデン、スイス、タイ、トルコ、ウクライナ、英国、米国、ベネズエラ。
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