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Home OECD Tokyo > 企業、産業、サービス > 鉄鋼に関するハイレベル会合開催

企業、産業、サービス

鉄鋼に関するハイレベル会合開催:
補助金と過剰生産能力の削減問題に進展

2002/12/19

2002年12月18、19日の両日、OECDパリ本部において、主要鉄鋼生産諸国・地域(注1)の政府高官が一同に会し、鉄鋼に関するハイレベル会合が開かれました。本会合では、政府のあらゆるレベルで実施されている鉄鋼貿易を歪曲する補助金を、削減または廃止するための取り決めの項目について直ちに作業に取りかかることで合意しました。更に、業界の代表者や各国の金融機関と協議し、会合参加諸国・地域の様々な状況を考慮した上で、生産能力の進展についてのピア・レビューを強化するとともに工場閉鎖を促進する種々
の選択肢を検討することで合意しました。


最近の進展


協議では、一部の市場では回復の兆しが見られるものの、鉄鋼産業は依然として厳しい状況に置かれていることが指摘された。一部の分野では市況が改善し、リストラも進んでいるが、回復は弱く、多くの企業が依然として収益性の維持あるいは回復に向けて懸命の努力を続けている。このような状況は、鉄鋼製品の貿易にも影響を与えてきた。世界規模で非効率的な過剰生産能力が維持されていることが、鉄鋼貿易の不安定性の原因となってきた。

本会合での決定事項は次の通り。

生産能力と業界のリストラ

  • ピア・レビュー ――ハイレベルグループ(HLG)は、生産能力の動きを検証し、1998年から2005年までに1億4,000万トンの生産能力が削減できると指摘した。また、鉄鋼生産能力の動きおよび業界のリストラに関する政府間レビューを継続させ、報告をより正確、完全で時宜を得たものとし、より徹底したレビューを実現させることで同意した。競争面で支障がない限り、この過程における業界の連携を奨励していく。これには、過去と現在の市況に関する意見交換を行い、生産能力の動向に関する政府間協議を支持することも含まれるであろう。本レビューは全ての国・地域が対象であるが、大幅な変化が予想される国・地域に主な焦点があてられる。
  • 生産設備閉鎖の促進――HLGは、生産能力作業部会(CWG)に対し、工場閉鎖の促進につながるような選択肢のフィージビリティ評価を指示した。それには、工場の永久的閉鎖の障害となりやすい、閉鎖に関わるコストの検討も含まれる。

CWGは、競争面で情報提供の支障が生じない限り、必要に応じて関係国際金融機関、業界専門家およびその他専門家に情報の提供を要請するとともに、閉鎖のための財源を含む可能な資金調達形態を検証する。この中で、CWGは、閉鎖コストの種類を特定し、非効率的な生産設備を閉鎖するインセンティブを経営者に与えるメカニズムについて検討する。資金が意図された目的で確実に利用されるためのメカニズムの開発が不可欠である。この作業は、2003年の完了を目指して実施される必要がある。

規律

HLGは、(1)補助金と関連政府助成、および(2)貿易救済措置の2つの分野に強い関心があることで一致した。また、補助金に関する規律強化作業が優先事項であり、鉄鋼に限定した貿易救済措置の検討は後回しにし、補助金問題に直ちに着手すべきだという全体的なコンセンサスが得られている。

  • 補助金及びその他の政府助成――HLGは、規律調査部会(DSG)に対し、既存の多角的合意とメカニズム並びに途上国のニーズを配慮しつつ、あらゆる政府レベルで提供されている鉄鋼貿易を歪曲する補助金を、減額または廃止するための取り決めの項目に関する作業を開始するよう指示した。同グループは速やかにこの作業を進め、2003年2月24日から25日に第一回会合の開催を予定している。必要に応じて業界の代表者との協議が行われる。

DSGは、本作業の結果をどのような形でWTOの枠組みに組み込むかを検討する

  • 任意のコミットメント――ハイレベル会合の参加者は、開発ニーズを念頭に置きながら、生産能力を維持または強化する新規助成プログラムの導入を控える任意のコミットメントについて検討し、後の段階で決定を行うことで合意した。
  • その他の分野――HLGは、補助金や政府助成に関する優先作業をおろそかにすることなく、実行可能な部分については、利用可能なリソースを用い、他の分野でもコンセンサスに基づいて作業を進めるよう勧告する。

今後の取り組み

HLGは、CWGとDSGによる作業の結果を踏まえて2003年の状況を詳細に検証し、その活動を完了することを目指す。非効率的な生産設備と関係業界のリストラを検討するために設けられたピア・レビュー・プロセスは、その意義を本会合参加者が認める限り、2003年以降も継続する。

ハイレベル会合は2002年12月18日から19日にパリで開催され、ヘルヴィッヒ・シュレーゲルOECD事務次長が議長を務めた。本会合は、2001年9月17日〜18日、2001年12月17日〜18日、2002年2月7日〜8日、2002年4月18日〜19日の会合に続く第五回会合である。2002年2月の会合で、HLGの活動を補佐するためにDSGとCSGが設置された。


(注1)
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、チェコ共和国、デンマーク、エジプト、欧州委員会、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、インド、イタリア、日本、韓国、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア連邦、スロバキア共和国、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、トルコ、ウクライナ、英国、米国

 

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