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OECD環境アウトルック 発表
2001/4/5
OECDは、今後20年間のOECD諸国の環境問題に関する予測と、主要課題に取り組むための現実的優先分野をまとめた報告書「OECD環境アウトルック」を発表した。各国政府は、今後20年間に環境に取り返しのつかないダメージを与えるのを未然に防ぐため、多くの特定分野で直ちに政策を変更する必要がある。各国の環境担当閣僚は2001年5月16日にパリで会合を開き、こうした問題について討議するとともに、この問題に取り組むため「21世紀初頭10年間のOECD環境戦略」を採択する予定である。
- 海洋漁場の4分の3で限界に近い、あるいは限界を越えた魚獲が行われている。
- 熱帯の森林伐採が憂慮すべきペースで継続している。非OECD地域では2020年までに森林がさらに10%失われる。
- 人類が引き起した気候変動によって、すでに世界中の気象パターンが影響を受けている。OECD諸国の二酸化炭素排出量が予測どおり2020年までに3分の1増加すれば、状況はさらに悪化する。
- 多くのOECD諸国で、都市部の大気の質が悪化し、それに伴い健康状態の悪化が見られる。
- エネルギー利用と交通はすでに温室効果ガス排出と大気汚染の主たる原因となっている。OECD諸国では2020年までに自動車利用は40%、航空旅客距離は3倍に、エネルギー利用量は35%、それぞれ増加する見込みである。
- OECD諸国では、一般廃棄物の量が2020年までに大幅に増える見込みである。
- 大半のOECD諸国では、地下水が主に農薬や肥料によって汚染されている。OECD諸国では、2020年までに農業に起因する水域への窒素流入は4分の1以上増加する。
- 分解しにくい有害化学物質が環境に広がり、人の健康に深刻な影響を及ぼす。
- OECD諸国では、病気の2〜6%が環境破壊に起因するものである。
どうすればこうした傾向を逆転できるのだろうか。OECDは「環境アウトルック」の中でいくつかの回答を提示し、「赤信号」が灯っている問題に取り組むための幅広い政策オプションを示唆するとともに、具体的な政策のモデルシミュレーションによってその環境や経済への影響を分析した。
示唆された政策は、環境問題での成功例から学んだ教訓に基づいたものである。この成功例には、オゾン層を破壊するフロン排出量の実質的停止、石油からの鉛の除去、自然保護区の拡大、資源エネルギー利用効率の大幅な向上など「青信号」の事例が含まれる。しかし、多くの場合、消費と生産の増加に伴う環境圧力の全体的な増加を食い止めるほど効率は改善されていない。環境破壊を経済成長から確実に切り離すためには、より厳格な政策が必要である。
これらの政策を実施することで大きな効果が期待できる。OECD諸国が補助金を廃止し、炭素税やすべての化学物質への課税を導入すれば、2020年にOECD諸国のCO2排出量は通常シナリオでの予測に比べて15%、イオウ酸化物排出量は9%、メタン排出量は3%、肥料に起因する水域への窒素流出は30%、それぞれ減少する可能性がある。こうした政策パッケージを実施してもその経済的なコストは微々たるもので、2020年のOECD諸国のGDPは政策パッケージを実施しなかった場合より1%弱少なくなるだけと予測される。
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