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OECD諸国の環境が1990年代に大きく改善

 

2001/6/11 

 OECD加盟諸国の大半が1980年代に成し遂げた環境面での進歩は1990年代に一層前進し、各種大気汚染物質の排出量が減少し、絶滅危惧種の保護が強化されました。その上、こうした改善をもたらした政策は大きな経済的コストを伴うものではなく、GDPの1~2%程度のコストに留まっています。また、これらの環境政策は、国際貿易のひずみや雇用への悪影響も生じさせていません。むしろ環境政策は、しばしば経済構造改革や技術革新のインセンティブとなっています。

 OECDが今般出版した『OECD環境審査報告書: OECD諸国の実績』には、29のOECD加盟国(注1)の相互評価(Peer Review)によって明らかになった点がまとめられています。この相互評価は、環境関連の国内目標と国際公約について、各国の達成度を体系的に評価するものです。報告書には、1990年代にOECD諸国が環境の持続可能性に向けてどれだけ前進したのか、広範な結論も示されています。

 報告書の主要点は以下の通りです。

  • 酸性化物質、特に硫黄酸化物の大気への排出量が大幅に削減された。

  • 二酸化硫黄、一酸化炭素、鉛といった主要大気汚染物質の排出量と濃度が低減した。これは、こうした物質の排出源となっている施設や車両に対する基準や取り締まりを強化したことによる。

  • 経済の再構築(脱物質化)やエネルギー・ミックスの変化により、経済成長と大気汚染物質排出とを切り離すことができた。

  • 地上水の汚染に関して特に深刻な問題に対する対策がとられた。主な対策としては、廃水処理の強化、主要排水源に対する排出規制、既存法令のより適切な執行、水への課税、水質管理の統合などがある。

  • 廃棄物の削減、回収、リサイクルのための革新的プログラムによって、有害廃棄物処理や地方自治体の廃棄物処理が強化された。


 OECD加盟諸国の大半では絶滅危惧種の保護において進展が見られ、生息環境の保護、土地使用慣行の改善奨励、生物多様性保護のための新規立法などを行った。

 こうした1990年代のOECD諸国の環境改善努力にもかかわらず、いくつかの分野では依然として問題が残っています。その例として、地上水の富栄養化や地下水の汚染、窒素酸化物や微細粒子の排出、地上レベルでのオゾン濃度、自然界や生物多様性に対する負荷の増大、土壌汚染などがあります。国内および国際的な環境問題に取り組むには、特にエネルギー、交通、農業の各部門での近い将来の政策の立案と実施において、環境、経済、社会面の懸念を充分考慮する必要があります。社会や環境のコストを反映した価格シグナルを出すには、環境に悪影響をもたらす補助金による偏りがない市場メカニズムを大いに活用していく必要があります。環境政策では、実施と執行を重視する必要があるでしょう。率直さ、説明責任、情報へのアクセスについても改善が必要で、利害当事者の参加を奨励すべきです。さらに、国際協力の強化も欠かせません。


(注1)
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ルクセンブルグ、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウエー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国


“Environmental Performance Review: Achievements in OECD Countries” ISBN 92-64-18294-2 PP.126 \1,900

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