OECD プリント

環境政策の自主的取り組み、実効性に疑問

 

2003/06/20

環境政策における自主的取り組みは幾つかの国で益々一般的になっていますが、OECDの新刊「Voluntary Approaches for Environmental Policy: Effectiveness, Efficiency and Usage in Policy Mixes」はその環境効果と経済効率を疑問視しています。本書によれば、自主的取り組みが「通常の事業」以上に環境改善をもたらしているケースはほとんどありません。また、本書は、環境目標が国家レベルでなく、個々の企業や業界毎に設定されていることもあり、一層の環境改善を実現するコストは汚染者によって大幅に異なるという理由から、自主的取り組みの経済効率にも疑問を投げかけています。

自主的取り組みには、業界との交渉による環境パフォーマンスに関する取り決めと企業が自主的に参加できる公的プログラムとがあります。自主的取り組みは規制や租税、排出権取引など他の環境政策手段と併用されることが多くなっているか、それらに取って代わりつつあります。

本書では、幾つかの新たなケーススタディと入手可能な文献の広範な調査に基づき、自主的取り組みの利用に関する詳細な評価が行われています。また、個別に利用されている自主的取り組みと、ポリシーミックスの一環として利用されている自主的取り組みの双方に分析の焦点があてられています。

本書によれば、様々な管理コストや取引コストはそれぞれの自主的取り組みによって大きく異なります。しかし、自主的取り組みの準備、交渉、実施への資源投入が不十分であれば、その環境への影響は小さいと見られています。

ポリシーミックスに関する調査によると、自主的取り組みと租税または排出権取引を併用すると、莫大な追加的管理コストが発生する可能性があります。更に、他の政策手段の環境への影響が弱められてしまう可能性もあります。


Copyright OECD Tokyo Centre. All rights reserved.