|

OECD閣僚理事会
多国籍企業ガイドライン改訂版を採択
2000/6/27
OECD加盟29ヶ国とアルゼンチン、ブラジル、チリ、スロバキア4ヶ国の政府によって採択された多国籍企業ガイドライン改訂版は、急激な変貌を遂げつつあるグローバル経済における責任ある企業行動の枠組を強化させるものになるでしょう。
1年以上にわたって各国政府当局者や実業界、労働界、環境保護団体、市民社会団体などの代表との協議が重ねられてきた改訂多国籍企業ガイドラインは、パリで開かれたOECD閣僚理事会で採択されました。
閣僚理事会の議長を務めたオーストラリアのピーター・コステロ蔵相は、「ガイドラインの基本的な前提は、国際的に合意された原則は、多国籍企業とこれらの企業が事業展開する地域社会との間の紛争防止と信頼向上に役立つということであり」、「新ガイドラインには持続可能な開発という課題の中で経済、社会、環境面の要素を強化する広範な変更が盛り込まれている」と述べました。
OECDガイドラインは、採択に合意した33ヶ国の多国籍企業とこれらの国で事業展開する多国籍企業に向けて各国政府から出された責任ある企業行動に関する勧告(recommendation)です。ガイドラインは、1976年に初めて発表されてから定期的に改訂が行なわれています。
新ガイドラインには、労働や環境のコア基準に関する勧告のほか、汚職の防止や消費者の権利保護に関する章も盛り込まれています。新ガイドラインの採択は、グローバル経済の枠組に関する合意形成を進めていく上で大きな前進と言えるでしょう。
新ガイドラインの特徴の1つは実施手続きが強化されたことです。勧告は企業に対するものですが、一方で政府はナショナル・コンタクト・ポイントを通じてガイドラインの促進や問い合わせの処理、問題が生じた場合の解決支援などの責任を負います。新ガイドラインは透明性、説明責任、最善の方法を推進するためのメカニズムを示したものです。
近年では多くの企業が独自の行動規準を作成していますが、OECDガイドラインは、政府による推進が公約され、かつ、国際的に承認された唯一の包括的行動規準です。従って、OECDガイドラインは、グローバリゼーションに対する人々の懸念解消に大きく寄与すると同時に、国際投資環境の改善にも貢献するものです。
ガイドライン改訂版を見る
注:
- OECD多国籍企業ガイドラインが前回改訂されたのは1991年である。今回の改訂作業は1998年11月から始められた。ガイドラインに法的な拘束力はないが、採択した政府はガイドラインの促進と速やかな実施を公約したことになる。
- OECD加盟29ヶ国とアルゼンチン、ブラジル、チリ、スロバキアの他に、OECD経済産業諮問委員会(BIAC)とOECD労働組合諮問委員会(TUAC)を通して実業界や労働組合の関係者も協議に参加した。改定作業に際しては実業界、労働者代表、NGO、非加盟国政府などとの協議が行われたが、いずれからも貴重な意見が寄せられた。
- 新ガイドラインには企業行動の多くの分野における勧告が盛り込まれている。環境、労使関係、一般的な事業方針に関する従来の章については、人権擁護やサプライヤーその他の事業パートナーとの関係への言及がなされるなど、大幅な改訂が行なわれた。汚職防止や消費者保護に関する新たな章も追加された。
- 実施手続きに関する改定では、どのように責任を遂行すべきかについて各国のナショナル・コンタクト・ポイントへの手引きが加えられた。また、ガイドラインの運用について監督責任を負うOECD国際投資・多国籍企業委員会(CIME)の役割を明確化する改訂も行なわれた。
|