|

OECDヘルスデータ2010
保健医療支出の増加が政府予算を圧迫
2010/6/29
全てのOECD諸国で保健医療支出は経済成長を上回るペースで増加しており、保健医療支出のGDP比は平均で2000年の7.8%から2008年の9.0%へと上昇しました。保健医療支出を押し上げている要因である技術の変化、人口予測、高齢化は今後もコストを上げる方向に働き続けるでしょう。
一部の国では、景気後退によるGDPの減少と保健医療コストの上昇で、保健医療支出のGDP比が急増しました。その割合はアイルランドでは2007年の7.5%から2008年の8.7%に、スペインでは8.4%から9.0%に上昇しました。
米国の2008年の一人当たりの保健医療費は7538ドルで、これはOECD全加盟国平均である3000ドルの二倍を優に上回る水準でした。一人当たりの保健医療費が次に多かった国はノルウェーとスイスで、米国よりはかなり少なかったものの、それもでOECD平均を50%以上回りました。
大半のOECD諸国政府は、保健医療費のかなりの割合を負担しています。政府支出に占める保健医療費の割合は殆どの国で増加し、平均で1900年の12%から2008年には過去最高の16%に上昇しました。財政赤字削減が各国政府の急務となっていることから、OECD諸国政府は、保健医療制度の維持、保健医療への公的支出の伸びの抑制、その他の分野での支出削減、あるいは増税との間で難しい選択を迫られることになります。
医療技術が保健医療費を押し上げている。
新たな医療技術は診断と治療を改善していますが、保健医療費を増加させてもいます。OECDヘルスデータ2010によると、診断のために使用されるコンピューター断層撮影装置(CT)と磁気共鳴画像診断装置(MRI)の設置台数と使用回数は急増しています。一人当たりのMRI台数のOECD平均は2000年から20008年の間に二倍以上に増え、2000年に100万人あたり6台であったのが20008年には13台となっています。CTの台数は、2000年の100万人あたり19台から24台に増えています。日本、米国、イタリア、ギリシアにはその他の国を大きく上回る数のMRIがあります。これらの国ならびにオーストラリアと韓国は、CTの台数でもその他の国を上回っています。
MRIとCTの購入と運用には高額な費用がかかります。一人当たりの使用回数には国によって大きなばらつきがあり、米国、カナダ、フランス、オランダで他の国を大きく上回っています。米国では過去10年間にこれらの機材が診断に使用されることが急増したことで、画像の中には有用でないものがあるかもしれないとという懸念が生じました。不必要な診断手順とコストを削減するために、多くのOECD諸国は高価な医療技術の合理的な使用を推進しようとしています。
OECDヘルスデータ2010は、OECD加盟31カ国(本年OECDに加盟したチリを含む)および加盟予定の3カ国(エストニア、イスラエル、スロベニア)の保健医療と保健医療制度に関する比較可能な統計の最も包括的な情報源です。1960〜2008年をカバーするこの双方向データベースは、以下に関する比較分析に利用することができます。
- 健康状態
- 健康リスク要因(喫煙、肥満など)
- 保健医療リソース(資金、人材、設備、技術等)と利用
- 長期ケア・リソースと利用
- 保健医療支出と財源
- 社会保障(公的健康保険、民間健康保険など)
- 医薬品市場
詳細を見る
図表を見る
主なデータを見る
|