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OECDドバイ2001−電子商取引に関する
新興国フォーラム
2001/1/17
■シュレーゲルOECD事務次長 閉会の言葉
2001年1月17日、ドバイ
本フォーラムは、電子商取引および情報通信技術(ICT)の利用についてOECDが新興国、発展途上国と政策対話を行う第一歩となりました。ICTと電子商取引は、他に類のない発展の機会を生み出すものとしてすでに認知されています。未来への「リープフロギング」(発展途上国が先進技術を利用することで一気に発展すること)は、抽象的な概念ではありません。それは、発展途上国の経済発展や貧困軽減の機会を現実に提供するものです。本フォーラム開催国であるドバイは、こうした可能性のモデルケースであり、同地域諸国に対して積極的な示唆を与えることになるでしょう。
OECDは加盟国間だけでなく、その他の諸国とも協力のための対話を行っています。技術と知識をグローバルに広めることは、世界経済における富の分配の決定要素です。我々は、シェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下の情報通信の開発と使用を促進するための提案に、注意深く耳を傾けました。OECDは、本フォーラム開催のようなアウトリーチ活動を通して、また他の国際的取り組み(G-8、国連ICT作業部会など)との連携のもとに、電子商取引やICTなどの本質的にグローバルな問題について、加盟国以外の諸国との活動を拡大し、協力関係を強化していきます。
我々は相互の利益のために活動を進めており、この会議の出席者と今後も協力し合うことを非常に期待しています。3月には、この分野での開発援助の利用法に関する会議をパリで開催する他、ナポリで電子政府に関しての会議を開催します。6月には、電子商取引にかかわる租税問題を討議する国際会議をモントリオールで開催します。ドバイは、これら全ての会議に参加者として招待されています。2002年には今回の会議のフォローアップを行う予定ですが、世界の全地域からの広範囲な参加を期待しています。OECDではこれらの問題を詳しく研究、分析し、今回の会議で話し合われたことは、このプロセスに取り入れられる予定です。
ICTと電子商取引は、デジタル・デバイドを克服する機会を提供するものです。競争の激しい市場で必要なインフラの構築や、人々が新技術を利用できるようにする教育などの適切な政策により、すべての人に対してデジタルデバイドを「デジタル・ディビデンド(配当)」や「デジタル・デベロップメント(発展)」に変えることが可能です。我々の目標は、インフラ開発の加速、ICTへのアクセス向上、大小企業や市民のニーズに敏感に応えるサービスの提供です。新しいビジネスモデルは、組織の変化、雇用創出、再訓練、学習の継続に繋がるものです。
電子商取引に対する政策の調整を進めること。世界が一つとなる情報社会では、文化的差異を理解することが重要です。すなわちそれは、発展を優先するさらに広い枠組みにおいて、電子商取引政策に整合性をもたせることを意味します。政府の政策や規制は、ダイナミックに変革する市場でのニーズ、消費者保護、競争、課税、知的所有権の保護などのために必要な規制の枠組みとバランスのとれたものでなければなりません。電子商取引によって、世界規模での企業活動に新たな障害が生じてはなりません。OECDは、国際協力を促進し、国内での規制の取り組みが国際的に整合性を持つような枠組みを提供します。
アクセスの確立。アクセスは情報社会の前提条件です。ネットワークやサービスへのアクセスも重要ですが、それには組織や教育面でのイニシアチブも必要です。アクセスには、企業間や技術間の競争、手ごろな価格、国内や海外のネットワークとの相互運用性や相互接続性などを奨励する法律、規制が必要です。個々のアクセスや、キオスクやテレセンターを介してのアクセスの独創的モデルも不可欠です。全体的なアクセス環境がまだ完全には整っていない国では、インフラ開発が優先課題になっています。それ以外の国では、コンテンツが優先事項です。こうした優先事項は、時と共に変わって行くでしょう。
信用なくして電子商取引の成長はありません。政府と民間部門は、企業との取引時のプライバシーと消費者の保護、賠償の補償、グローバル・インフラの強化の必要性について意見が一致しています。OECDの「プライバシー、安全、消費者保護に関するガイドライン」は、加盟国以外も利用、適用できる手引きとなっています。
電子商取引のための税制。これには、電子商取引を活発化させると同時に、各国の租税面の主権を保護するような税環境を提供するという2つの課題があります。オタワ会議で合意された租税の枠組みはその後進展をみせ、すでに全体的な政策上のコンセンサスが得られています。しかし、実際の運用では、税務当局による世界的な協力が必要です。そのプロセスは、公平な税制の発展に向けた企業、OECD諸国、非加盟諸国の協力につながるものでなければなりません。また、税制が中小企業に及ぼす影響については、特に考慮する必要があります。
電子商取引のルール。インターネットはグローバルなネットワークであり、グローバルな政策を必要とします。したがって各国の国内ルールが国際的に整合性をもつようにしなくてはなりません。そして、規制と自主規制の組み合わせによって、電子商取引を予測可能なものにしなければなりません。これは電子商取引の発展に不可欠です。電子商取引の場は、明瞭でなければなりません。ここでの論点は、規則を増やすべきか否かです。また、関税、サービス、知的所有権の適用の面で、公平な貿易と市場自由化のWTO等のルールを明確なものにすることが必要です。
キーワードはパートナーシップ。新しいタイプの官と民のパートナーシップが必要です。あらゆるレベルの政府は、利害関係者が意思決定や協調的行動に参加できるように努力しなくてはなりません。公的部門が市場自由化や消費者保護の政策の確立を主導するのに対し、民間セクターは市場ニーズに応えて新しいサービスを提供しています。今回の会議では、国際機関間、各国間、政府、企業、市民団体間といった国際レベルのパートナーシップの意義が示されました。世界中の人々の利益のためにこのパートナーシップを継続し、21世紀に電子商取引とICTがもたらす機会を最大限に活用していきたいと思います。
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