OECD プリント

バブル後の電気通信業界に関するOECDレポート発表

 

2003/05/06


OECDの新レポート“After the Telecommunications Bubble”によると、90年代に「バブルがはじけた」電気通信業界は徐々に自信を取り戻しています。現在進行中の事業再構築は避けて通れないものであり痛みを伴うものの、各国政府・規制当局は競争条件の緩和や財政援助による救済措置をとるべきではないと本レポートは指摘しています。

本レポートは、OECD諸国の電気通信業界の現状から見て、新たな投資を奨励する手段として電気通信業界の規制政策を大幅に転換すべきではないと指摘しています。実際、一部の市場(特に高速インターネット接続)では依然として競争が妨げられており、消費者と企業は技術革新の恩恵を十分に受けられずにいます。

本レポートは、電気通信業界に徐々に自信が戻ってきている理由の一つは各社がバランスシートの強化と負債の処理に取り組んでいるためであるとも指摘しています。電気通信業界がGDPに占めるシェアは一般に2%から4%と比較的限定的で、その事業再構築が一国の経済全体に与える影響は小さなものです。電気通信機器のメーカーやハイテク企業は深刻な影響を受けましたが、業界の調整はほぼ完了しています。

本レポートは更に、消費者と企業の需要は旺盛なので、財務再構築が完了すれば電気通信サービス・機器業界は再び安定した成長軌道に乗ると指摘しています。

本レポートによると、EU各国政府による第3世代携帯電話(UMTS)免許の入札価格(総額で約1,000億ユーロ)は電気通信各社の財政を逼迫させた幾つかの要因の1つに過ぎません。ドイツと英国で行われた最初の入札以降、入札価格が大きく低下したことから、入札方法に関しては市場への競争導入という第一義的な目標の達成に向けて細心の注意を払うべきであると本レポートは提言しています。

また、本レポートは、市場への新規参入を奨励する策として電気通信事業者によるUMTS用周波数帯域の転売を認めることも提案しているが、それには慎重さが必要であると指摘しています。免許の価値は入札時よりも上昇し得るので、免許付与後に転売規則を変更することは政府助成にあたると見なされる可能性があるためです。

本レポートは、2003年5月に発表予定のOECDコミュニケーションズ・アウトルックをベースにしたもので、OECDエコノミック・アウトルックNo.73の中の一章となっています。

 


 

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