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通信アウトルック2007:通信技術の進歩は事業者に新たな課題をもたらす

 

2007/07/12

OECDの新報告書「OECD通信アウトルック2007」によれば、電気通信投資はOECD全域にわたり引き続き増加しており、消費者は総じてより安い料金でよりよいサービスをより多く受けられるようになっています。しかしその一方で、技術の発展は電気通信事業者に新たな課題を提起しています。

本アウトルックによれば、OECD全域でブロードバンド高速インターネットの利用は増加を続け、域内の6割以上でブロードバンド・インターネット利用者数が2億5,600万人に達しています。これが電気通信事業者にさらなる収益をもたらし、依然として収益の大半を占める音声通信の収益の落ち込みをカバーしています。

ブロードバンドは引き続き通信会社にとって主要な成長分野の一つであり、将来的には、従来の銅線ネットワークへの投資を継続するかではなく、光ファイバーなど次世代ネットワークへの投資規模・時期をどう判断するかが主要な課題の一つになるでしょう。

光ファイバーはケーブルやDSLなどその他のブロードバンドネットワークに比べ、大容量のデータをより速く伝送することができます。これが重要である理由は、オンデマンドでのハイビジョンテレビなどの新たなアプリケーションやサービスには現在のネットワークが提供できる帯域より多くの帯域が必要とされるからです。将来的に消費者と企業の光ファイバー需要は増加するとOECDは予測しています。

一部の国の事業者はすでに光ファイバーへ迅速に移行する決定を下しており、これらの国では利用者が最低料金で最高のサービスを受けられるようになっています。例えば、日本の光ファイバー利用者は100メガビット/秒の通信速度でダウンロードすることができます。これはOECD平均の10倍の速さです。しかも、日本のメガビット/秒当たりの料金は月に0.22米ドルとOECDで最低です。日本の光ファイバーでは上り(アップロード)と下り(ダウンロード)の速度が同じであり、これはADSLや大半のケーブルの利用では不可能です。OECDでは、上り/下り対称サービスへの需要が今後急増すると予測しています。

光ファイバーネットワークの新設費用を誰が負担し、誰がそのネットワークを所有するのかという問題は残されています。例えば、地方自治体が自らネットワークを構築し、地方のネットワーク事業者に対して競合他社が同等の条件でネットワークにアクセスできるよう義務付ける傾向が強まっています。

OECDによれば、この課題を解決する万能薬はありません。光ファイバーの整備促進に乗り出している国々はそれぞれ異なるアプローチを採用しています。しかし、政府、業界、地方当局は、最適な通信ネットワークのアップグレード方法について合意するために協力する必要があります。

本アウトルックで分析されているその他の問題としては、通信業界が、音声通信サービスから音声伝送も可能なデータサービスへとはっきりシフトしているということがあります。これはすでに通信事業者の中核ビジネスに影響を及ぼしています。音声は引き続き2005年の市場規模が1兆米ドルを超え、OECD通信市場の主要な牽引者となっていますが、VoIP(Voice over Internet Protocol)などの新技術が音声サービスに強力な値下げ圧力をかけており、今後もこの値下げ圧力は続く見込みです。

OECD市場では移動通信サービスも重要度を増しており、収益全体に占める移動通信の割合は1995〜2005年に3倍増加し、39%となっています。

同報告書はBRICSとして知られるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカにおける電気通信の発展も分析しています。BRICSは世界で急成長を遂げている情報通信技術(ICT)市場であり、その影響はますますOECD市場へと波及しています。2000〜2005年に、世界のICT支出はわずか年5.6%増、OECD諸国のICT支出はわずか年4.2%増にとどまっているのに対し、BRICSのICT支出は1,140億米ドルから2,770億米ドルへと年19%を超えるペースで増加しています。

 

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