|
2002/6/13
外国為替取引は、国際貿易や金融システムが機能する上で欠くことのできないものです。しかし、外国為替取引は変動性が高く破壊的であるという懸念があり、過剰な変動性が毎回の取引に課する少額の税金やトービン税によって緩和させられるのではないかという論議がおこっています。しかし、OECDの最新の研究によると、そのような税金は変動性を必ずしも低下させるわけではありません。そのコストの方が潜在的な利益を上回ると見られています。
外国為替取引への課税は、ノーベル賞受賞者の故ジェームス・トービンが1971年に最初に提唱しました。しかし、トービンは後に、その提言のいくつかの解釈、特にそうした税金を貧しい国々への開発援助資金として用いることができるという解釈からは距離を置きました。外国為替市場で毎日取引される金額が約1兆2500億ドルに上り、そうした税金の潜在的税収は大きいといえます。しかし、それは、一部のトービン税支持者が唱えるように、同税導入によって課税ベース自体が大幅に低くなるほど大きいものではありません。
OECDの研究によると、大量の取引と変動性の高さとは関連しています。しかし、前者が後者の要因となるのかについては明らかではありません。また、変動性と取引高はともに市場に流入した情報によって影響されるものです。
同研究の結論によると、取引税が課されている幾つかの市場を見ると、同税の変動性に対する効果は、良く解釈しても、まちまちと言えます。変動性の低下が認められないケースもあれば、実際に上昇したケースもありました。
トービン税の実施は困難と見られています。それを世界規模で実施しない限り、高い効果は得られそうにありません。取引されているその他の金融商品、さらには課税回避の手段となっている可能性のある一部の実際の商品市場にも課税する必要があるでしょう。その結果、コストが上昇することで潜在的な利益が損われる可能性があります。
本研究「外国為替市場の変動性と有価証券取引税」(http://www.oecd.org/pdf/M00031000/M00031829.pdf)
はOECDエコノミックアウトルックNo.71の中に掲載されています。
|