English Chinese Korean
OECD東京センター
BUILDING PARTNERSHIPS FOR PROGRESS

OECD案内
OECD概要
テーマ別情報
主な行事予定
過去のニュース
メール配信サービス

OECD東京センター
概要
アクセス
イベント・セミナー
閲覧室
広報誌
日本語出版補助
プログラム





Home OECD Tokyo > 経済 > ジョンストン事務総長、IMFCでスピーチ

経済

ジョンストン事務総長、IMFCでスピーチ

2003/09/21

ドナルド・J・ジョンストンOECD事務総長のスピーチ
国際通貨金融委員会(IMFC)、 ドバイ

本スピーチは、国際通貨金融委員会会合の暫定議題2(グローバル経済と金融市場)に関するものである。

OECDによる世界経済の評価

OECDは秋の経済見通しの評価に着手したところであり、その予測は11月26日に発表される。今回の我々の見解は以下のように要約される。

世界経済の見通しは前回のIMFC会合以降、明らかに好転している。米国では、金融、財政両面の大型刺激策を受けて景気回復が勢いを増しており、投資持ち直しの兆しが見られる。日本の景気は予想を上回っており、最近では世界経済の足を引っ張っているのではなく、世界経済を下支えしている。ユーロ圏の景気は予想していたより低調で、今年上期のGDPは小幅減少しているが、先行指標は景気が徐々に上向いていくことを示唆している。

GDPが増加している地域でも、依然として大幅な低迷が続いている。OECDの主要三地域でもOECD全体でもGDPギャップは約2%と推定されており、失業率も比較的高い。このため、基調的なインフレ率への上昇圧力は目先的にほとんど見込まれない。従って、各国中央銀行は当面、緩めのスタンスを維持し、総需要に再度陰りが出れば、一段の金融緩和についても検討すべきである。

地政学的な先行き不透明感が多少残っているものの、見通しをめぐるリスクは今やこの春よりバランスがとれている。原油価格はOECDが予測していた水準を幾分上回っているが、イラク戦争直前の大方の予想よりはるかに低い。ただ、石油の備蓄は依然として低水準で、エネルギー供給については引き続きある程度の先行き不透明感が残っている。株価は2000年のバブル崩壊以降最大の反騰を演じており、自信が戻ってきていることがうかがえる。住宅価格は、一部の国では今年ピークをつけるかもしれないが、長期金利は上昇しているので、金利面からの需要下支えはもはや期待すべきではない。

景気回復に伴い、財政立て直しへの取り組みを強めていく必要がある。これまでに何度か景気回復局面で楽観的なムードが浮上し、それが一部の国では今回のリセッションで政策発動の余地を狭めているだけに、同じ轍を踏むべきではない。人口高齢化による財政圧力の高まりを考えれば、これは極めて重要である。財政立て直しは長期金利の上昇を封じ込めることにも資する。財政の持続可能性の回復または強化は主に歳出管理の強化によって追求すべきである。特に減税を行っている国はそうである。

景気回復の幅を拡げ、それを持続させるとともに、今後景気が悪化した場合の回復力を高めるためにも、構造改革の継続と一層の加速が必要である。米国では、エネルギーと医療セクターの改革に優先的に取り組むべきである。ユーロ圏諸国は、2000年にリスボンで取り決められた行程表を守るべきである。日本は依然として金融セクターと企業のリストラが主要課題となっている。

カンクン後のドーハ開発アジェンダの再活性化

WTO第5回閣僚会議が失敗に終わったことは遺憾に堪えない。現在の課題は、ジュネーブで事態を収拾すること、しかもできるだけ早く事態を収拾することである。カンクンでは、多くの国にとってドーハ開発アジェンダの核心に位置している農業分野を含め、広範な問題に関して進展が見られた。この進展を失ってはならない。各国政府やNGOなどあらゆる関係者が建設的な役割を果たし、北対南という不毛な議論に逆戻りする誘惑に駆られないよう努めなければならない。

多国間の改革が失速すれば、多くの国は二国間の取り決めを通じて目的を追求しようとする。すでに幾つかの大陸でそうした動きが出ている。こうした動きに歯止めをかけなければ、一国ではほとんど交渉力のない後発開発途上国は更に取り残されてしまう可能性がある。地域貿易協定は多角的貿易体制を補完することができるが、それは多角的貿易体制そのものが強固で、安定的かつ無差別的な自由化と強化されたルールを促進している場合のみである。

農業と綿花および「新」分野(投資、競争、貿易促進、政府調達の透明性)の交渉をめぐる立場の違いから、WTO加盟諸国は賢明な自己利益を行使し、貿易の自由化とルールの強化によってもたらされる利益を手に入れることができなかった。その結果、全ての国が損失を受けているが、真の敗者は−最も大きな利益を得るはずであった−開発途上国の貧困層である。OECD諸国が農産物市場を開放した場合、開発途上国が享受する経済厚生上の利益は年間1,000億米ドル以上と推計されている。これはOECD諸国の開発援助額を大幅に上回る。貿易の促進によっても、一部の開発途上国にはGDPの最大で5%に上る利益がもたらされる可能性がある。

OECDは、貿易によって得られる利益と代替的な政策アプローチによってどの程度市場開放を後押しできるかを示す政策分析、開発途上国との対話、ピア・レビューとグッド・プラクティスのプロセス促進を通じて重要な役割を果たすことができる。OECDは、歪曲された農業政策が先進国と開発途上国の双方にもたらしているコストの分析と「新」分野のそれぞれによってもたらされる潜在的な利益の分析で世界をリードしている。OECDはより幅広くより効果的に−各国政府、関連のNGO、一般国民に対し−メッセージを伝える努力をしなければならない。OECDは共通目標の実現に向けてIMF、世界銀行、WTOと積極的に協力している。

世界経済の見通しについてはなお先行き不透明感が残り、世界の所得格差が解消されていない中で、OECD加盟国にはリーダーシップを示す特別の責任がある。しかし、これは共通の取り組みであり、開発途上国も万人に恩恵をもたらす貿易取引で自らの役割を全うしなければならない。

 

Top


OECD文書
出版物
SourceOECD
主要統計
公開文書
投稿・オピニオン

 


Online Book Shop Source OECD OECD政策フォーカス OECDオブザーバー

パリ本部サイトお問合せ検索採用情報

Copyright OECD Tokyo Centre. All rights reserved.