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経済

OECD諸国の経済見通し
中間評価

ジャン−フィリップ・コティス
チーフ・エコノミスト

2005/2/17

1.昨年11月に発表されたOECDエコノミック・アウトルックの予測通り、世界経済は、石油価格の値上がりと変動という逆風に阻まれ、回復に時間がかかっている。米国では、僅かながら見られる減速と一致して、より中立的な政策スタンスへと徐々に回帰している。ユーロ圏では、ユーロ高のダメージが幾分遅れて現れてきている。日本では、国内総生産が三期連続で前期比マイナスとなったが、これは輸出の減速が一部反映されたものである。しかしながら、この先を展望すると、企業のバランスシートと収益が著しく強化されたことなど、世界景気が上向く条件が整っている。

2.米国では、個人消費と企業の設備投資が活発で、国内需要は3年連続で堅調である。ドル安にもかかわらず輸入は急増しているが、輸出はそれほどでもない。これによりGDPが減速し、既に拡大している経常赤字がさらに悪化している。雇用創出は、景気循環的平均を下回ってはいるものの、増加してきている。また、労働参加率の低下が続いているものの、失業率は一段と低下している。コンフィデンスやその他の先行き指標は、短期的に潜在成長率程度の伸びが見込めることを示唆している。

3.ユーロ圏の成長については、概ね、目覚ましいと言える成長からは程遠く、比較的高水準にある失業も改善を見ていない。経済のパフォーマンスには、国によってばらつきが見られる。一部の国のGDPの伸びは主に外需によって控えめなものにとどまった。しかし、第4四半期に未だ脆弱であった国内需要も、これまで長く低迷していた部門も含めて回復するものと予測される。企業のコンフィデンスは歴史的平均をやや上回っており、投資が再び活発化する兆しが一部の国(特にドイツ)に見られる。消費者意識は、労働市場が一様に低迷しているものの、長期的平均に向けて上昇している。これらから、GDPは潜在成長率に向かって徐々に伸びていくと予測される。

4.日本では、従来から統計に不明確さがあり、他のどの国よりも動向が読みにくくなっていた。しかし、統計の体系の改訂でより適切な手法が用いられるようになった国民経済計算では、実質GDPが過去3四半期連続で前期比マイナスとなったが、これは輸出の減速と個人消費の低迷によるものである。しかしながら、他の指標を見るとより心強い数字が出ており、景気回復を予示している。企業の設備投資は拡大を続けており、企業収益も改善している。また、労働市場の状況にも同様に明るさが見られ、失業率は1998年来の水準まで低下している。有効求人倍率も高く、雇用の伸びにおいてはパートタイムへの依存が低下しつつある。しかしながら、賃金の伸びは依然としてマイナスとなっており、力強い個人消費の急速な回復に不透明感をもたらしている。

5.OECD主要国の大部分で依然として見られる景気循環的なスラックにより、成長は総じて控えめなものに留まっており、コア・インフレは低い水準にあるか概ね目標レベルにある。こうした背景により、また、生産性の伸びがより持続可能なペースに戻ったように見えることから、米FRBの充分予測された中立的スタンスに向けての確固たる動きは、先に導入された例外的に拡張的な刺激策を徐々に撤回する形となっている。景気循環的なスラックがより大きいユーロ圏や、依然としてデフレ下にある日本では、拡張的なスタンスが転換されるまでには引き続き忍耐と注意深さが必要であろう。

6.大部分のOECD諸国では、財政は不安定な状況にある。これは、直近および、(より問題なのは)景気循環や様々なタイプのワン・オフやオミッションへの調整を行った時に言えることである。また、一部の国(特に日本)では、人口構成によって税収が圧迫され、公的支出が増加し始めているが、そうでない国も間もなくそうなることが予想されている。現在進行中の年金及び健康保険制度の改革は、財政を持続可能な道筋に戻すために必要である。より短期的には、一部の国では景気循環的な状況下にあるため、財政再建は急激ではなく徐々に行うことが求められているが、それが広範囲に広がりすぎると、予想外の長期金利の急上昇につながりかねず、国内生産により悪い影響が及ぼされる可能性がある。


 

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