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中国の公共支出に関する報告書発表、保健医療と教育関連の公共支出拡大が必要

 

2006/02/14

社会的目標を達成しつつ経済の近代化を推進しようとする中国政府を支援するためのOECDの新しい報告書によれば、中国は、保健医療と教育関連の支出を増やすとともに公的資金をもっと有効的に配分する必要がある。新しい報告書が求めているのは、主に政府収入と支出をめぐる中央政府と地方政府の関係を改革することである。

『中国公共支出の課題:実効性と公平性の向上にむけて』によれば、保健医療と教育関連の公共支出は中国の開発ニーズを満たすには余りにも少なく、また非効率的である。この2分野に文化と科学を合わせた2002年の公共支出のGDP比は、OECD諸国平均の28.2%に対し5.5%であった。

中国では、地方当局が保健医療、教育、社会プログラム関連の支出を所管しているが、その地方当局はしばしば十分な資金を確保できず、自立性の乏しさによって足を引っ張られている。報告書によれば、中央政府からの財政移転方法は非効率的である。資金不足を補うため、地方当局は様々な非公式の税や料金を徴収している。中国の法律では地方当局が資金を借り入れたり債券を発行したりすることは非合法であるが、地方当局が債務に頼ることは一般化している。

中国の公式的な総政府支出は、1995年のGDP比17.7%から2003年にはGDP比27.4%へ急増しているが、それでもOECD平均の44.5%は大きく下回っている。このような、公共支出の増加が最も著しいのは、インフラ投資と行政の分野である。

教育関連の支出には地域格差がある上、その比較的多くの部分が初等・中等教育を犠牲にして高等教育機関に振り向けられている。農村部の保健医療サービスは相変わらず深刻な資金不足の状態にある。農村当局は財政力が乏しいことや、農村部は膨大な貧困層を抱えていることを考えると、広範な改革を行うとともに保健医療分野の政府支出を大幅に増やす必要がある。報告書によれば、都市部の人口の約50%、農村部の人口の約80%が医療保険に入っていない。

報告書の主な提言は以下の通りである。

  • アカウンタビリティーと効率性を高めるため、非公式の支出を公式の予算に組み入れ、全政府支出を正確かつ包括的に報告できるようにする。
  • 主要な社会的ニーズや開発ニーズ、戦略的ニーズに関する支出額を明確に決定・評価できるよう、会計制度を改革して透明性を高める。
  • 提供すべきサービスが財源にマッチするよう、中央政府と地方政府の関係を改革する。
  • 教育や保健医療など主要な分野にパフォーマンス目標を設定して地方政府のアカウンタビリティを強化するとともに、支出を評価するためのより標準的なベンチマークを導入する。
  • 地方政府の行政面における重複や過度の行政段階などを整理する措置を講じる。

本報告書は、OECDと中国が1995年から行っている協力プログラムから生まれたOECD報告書シリーズの1つである。このシリーズは、バランスのとれた持続的な経済成長、ガバナンス制度の近代化、国際経済への円滑な統合などに関するOECDの経験を中国に伝えることを目的としており、すでに『中国経済審査報告書』、『中国におけるガバナンス』、『農業政策審査報告』、『世界経済における中国』などを刊行している。

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