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米国経済審査報告書2007、発表

 

2007/5/29

OECDは5月29日、米国経済審査報告書2007を発表しました。以下はそのエグゼクティブ・サマリーです。

エグゼクティブ・サマリー

住宅市場の急激な調整にもかかわらず、経済全体の成長は堅調さを保っている。好調な外需と輸入の減少で対外赤字の増加は鈍化している。経済活動がフル稼働状態に近づいているため、インフレ圧力が一部生じている。成長を抑え込まずにインフレ圧力を抑制することが金融政策の主要課題となっている。将来的には、健全な成長を維持するとともに、人口の高齢化に直面する中で財政の持続可能性を確保することが主要な課題となる。こうした状況を背景に、本審査報告は以下の問題に焦点を当てている。

経済の成長ポテンシャルの強化:トレンド成長率は鈍化している。これは、労働生産性の伸びが、依然として高いものの、主に人口動態的要因による雇用失速の可能性をもはやカバーできなくなっているためである。生産性伸び率の見通しは明るいように見えるが、構造改革の分野で積み残されている課題を処理すれば、一段の効率向上を達成できるだろう。障害者向けの労働インセンティブを強化し、勤労所得控除を拡大し、退職年齢を遅らせれば、労働力の供給を押し上げることができるだろう。

財政の持続可能性確保と税制改革:連邦財政赤字は縮小しているが、赤字を解消するには歳出の引き締めを強化する必要がある。この点では、期限切れとなった法定の予算執行規則を復活させることが有益だろう。長期的に財政の持続可能性を確保するには、人口の高齢化と医療費の増加によって圧力が増していく社会保障の改革が不可欠である。歳入面では、税制優遇措置の削減により課税ベースを拡大する改革に優先的に取り組むべきであるが、消費税などの間接税についても考慮すべきである。

住宅支援の再検討:住宅所有への直接的・間接的な支援が住宅価格の高騰を招き、ひいては家計の借入増につながっている可能性がある。税制優遇措置はコストが高くつく上、いずれにしても住宅を所有しやすい高所得家計が主にそのメリットを受けるという歪みをもたらす恐れがあるので、時間をかけて改革していくべきである。政府系企業は、その活動が当初付託されていた範囲を超えており、財務の安定性を損ないかねないので、規制を強化する必要があるとともに、その役割を住宅所有の促進という当初の目的に再度絞るべきである。

初等・中等教育の改善:米国の生徒は他の多くの国の生徒に比べ国際テストの成績が劣っている。この理由ははっきりしないが、ひとつには地方分権化されている基準、カリキュラム、試験で求めているものがそれほど厳しくないためである。こうした制度上の弱点に対処するための連邦法は総じてよく練られてはいるが、基準、評価、アカウンタビリティの立法化された枠組みを高校まで拡大することなどにより、連邦法は強化することができる。教育の責任を第一義的に有する州・地方自治体は、より厳しい基準を採用・実施しなければならない。

高等教育機関への入学促進:中等教育までの欠陥にもかかわらず、高等教育制度はおおむねうまくいっている。しかし、入学できない生徒が多いのは問題である。政策当局は奨学金を増やすことでこの問題に対処することを提案している。しかし、入学しやすくするための、より費用効果の高い、効率的で公平な手段は、所得連動型の学生ローンを促進することだろう。学生ローンの限度額を引き上げれば、学生の助けになるとともに、納税者の負担も少なく入学を促進できるだろう。

 

 

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