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2007/6/20
OECDは6月20日、韓国経済審査報告書2007を発表しました。以下はそのエグゼクティブ・サマリーです。
エグゼクティブ・サマリー
韓国は依然としてOECD地域で最も経済成長率の高い国のひとつである。内需の低迷にもかかわらず、堅調なハイテク部門と中国の旺盛な需要が過去4年間、輸出の伸びを下支えしている。こうした成長パターンは、製造部門とサービス部門、大企業と中小企業の不均衡を増幅し、ひいては所得格差の拡大や構造的弱点の悪化につながっている。さらに、資本と労働の投入量鈍化も相まって、韓国の1人当たり所得は依然としてOECD平均より3分の1少ないものの成長ポテンシャルは低下しているという懸念が生じている。成長ポテンシャルの持続は韓国政府の「ビジョン2030」計画の主要なテーマとなっている。
金融政策は中期的なインフレ目標の達成に注力すべきである。2005年末以降、金融引き締め政策が採られている理由のひとつは住宅価格高騰への懸念である。しかし、利上げによる住宅価格高騰への対処は、為替レートに上昇圧力をかけるとともに、内需、輸出とも減少させる。政府は柔軟な為替政策を維持し、韓国銀行は2.5〜3.5%のインフレ目標の達成に注力すべきである(現在のところ十分に達成可能である)。
住宅政策は価格の統制より効率的な市場の整備に重点を置くべきである。韓国の全国住宅価格上昇率は他のOECD諸国に比べれば比較的小さいが、人口の約半数が住む首都圏の特定地域で住宅価格(特にマンション価格)が急騰しているため、この18カ月間に5つの不動産対策が打ち出された。住宅価格の安定という目標を達成するため、政府は、主に公的セクターを通じて、首都圏の住宅建設を増やそうと計画している。しかし、民間セクターを積極的に活用した方が消費者の好みに合った物件が供給されるので、政府としてはまず住宅供給の制限規制を削減すべきである。不動産対策は新築住宅への価格上限制導入により「投機的」需要の削減と住宅価格の引き下げも狙っている。住宅価格の安定という目標を達成する上ではメリットがあるものの、こうした政策の一部は往々にして住宅供給を減少させるので、長期的に続けられると大きな悪影響を及ぼしかねない。
急激な人口高齢化に直面しているので、財政の健全性を維持することが極めて重要である。実際、「ビジョン2030」計画の予測によれば、公的社会支出のGDP比は現在の6%から2030年には現在のOECD平均とほぼ同じ21%まで上昇する。公的社会支出の拡大には慎重な姿勢で臨み、各分野で効率の改善を目指すことにより、どうしても避けられない税負担の増加を抑えることが重要である。優先的に取り組むべき措置として以下がある:
- OECD地域で最低の1.08にまで低下している出生率上昇への障害を取り除く。
- 女性の就業率の上昇を促し、人口高齢化の影響を緩和する。
- 公的な託児サービスや長期介護サービスの供給増から世帯へのバウチャー(利用券)配布へと重点を移し、競争を高めるとともにより一層消費者ニーズに応える。
- 新企業年金制度を促進するとともに公的職業年金制度を改革する一方、所得別の高齢者給付を拡大する。
- 国民健康保険改革を実施し、保健医療支出への上昇圧力を抑制する。
- 上昇している非正規従業員の割合を低下させることで、格差と貧困の拡大に対処する。
韓国の世界経済への統合を強化することが優先課題である。過去10年間の進展にもかかわらず、韓国は依然として製品輸入、対内外国直接投資(FDI)残高、外国人労働者流入数などの点で比較的孤立している。外国のモノやサービス、FDI、外国人労働者をフルに活用することは、中小企業の人手不足に対処するためばかりでなく、生産性の伸びを高めるためにも重要である。この目標を達成するためには、FDIや農産物輸入などへの障壁を低めるとともに、外国人労働者の流入規制を緩和する必要がある。
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