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2007/06/25
移民動向と移民政策に関するOECDの年次報告書「International Migration Outlook 2007」によると、OECD諸国への移民は引き続き増加しています。2005年のOECD諸国への新規永住移民は約400万人に達し、2004年に比べ10%増加しました。
アンヘル・グリアOECD事務総長はこの数字に関し、国際移民はグローバルアジェンダの主要な問題の一つであると指摘しました。
記者会見でグリア事務総長は「このアジェンダの他の多くの側面と同様、人の国際的流動性は適切に管理し、健全な政策を設計・実施する必要がある。移民はOECD諸国の労働力不足と人口高齢化の解決策の一つであるが、そのメリットをフルに活用するためには、特に教育と労働市場の分野で効果的な統合政策が必要とされる」と述べました。
グリア事務総長のコメントの全文は以下のとおりです。
グローバルアジェンダの主要な問題の一つは国際移民である。このアジェンダの他の多くの側面と同様、人の国際的流動性は適切に管理し、健全な政策を設計・実施する必要がある。移民はOECD諸国の労働力不足と人口高齢化の解決策の一つであるが、そのメリットをフルに活用するためには、特に教育と労働市場の分野で効果的な統合政策が必要とされる。
こうした政策を設計・実施するには送出国と受入国における関連の要因、トレンド、考えられる影響を明確に理解する必要がある。また、政策アジェンダの他のテーマとの関連を十分に把握する必要もある。OECDが本日発表する「国際移民アウトルック」の目的はここにある。
OECD諸国への永住/一時的移民は増加している
比較可能なデータを入手できる直近年である2005年の移民は、2004年に比べ10%増加した。すなわち、2005年のOECD諸国への新規永住移民は約400万人に達した。移民が最も多かった国は米国、スペイン、英国、カナダであるが、2004年に比べ移民が最も増えた国はアイルランド、韓国、ニュージーランドである。特にオーストラリア、カナダ、ドイツ、日本、ニュージーランド、英国、米国では一時的な労働移民も多かった(OECD全体で180万人)が、これらの国の大半では永住移民も多い。これは記録のある移民に関する数字であり、その性格上、実態をつかみにくい不法移民が多いことも留意しておく必要がある。
移民の流入で最も多いのは、引き続き家族再結合のための移民であるが、労働移民も増えている
永住移民の流入で最も多いのは家族再結合のための移民である。しかし、人道的上の移民が減少している一方、労働移民も近年の傾向に沿って増えている。全体として労働移民は永住移民の約30%を占めている。多くの欧州諸国では、労働移民の大半は欧州連合(EU)域内における労働者の自由な移動である。
留学生はほとんどの国で増えており、平均では2000年に比べ約9%増加している。OECD諸国への留学生数は約230万人で、最も多いのは総数の4分の1を占めている米国、次いで英国、ドイツ、フランスの順である。OECD諸国は、高等教育市場でこれまでにも増して活発に競争しているだけではなく、卒業後に熟練労働者として留学生を採用することにも期待を寄せている。
送出国については、(特にEU拡大を背景にした)中東欧諸国からの移民や中国、インド、サハラ以南アフリカからの移民が近年増えている。
移民の技能や資格はほとんど活用されていない
OECDの分析によれば、移民がOECD諸国で就く職業とその資格の間には大きなミスマッチがあり、その資格にふさわしくないように思われる職業に就く可能性は、同じ資格を持つ受入国出生者より移民の方が高い。外国出生者の女性はさらに不利な状況に置かれているように思われる。外国出生者の女性は受入国出生の労働者より失業率も高い。
大半のOECD諸国は高度の技能を持つ移民を呼び込み、その定着を図っているが、こうした戦略がうまくいくのは、その人的資本が受入国の労働市場で有効に活用されている場合のみである。
開発途上国から医師・看護師が「頭脳流出」する可能性が懸念されている
この問題に関しては、多くの逸話的なエピソードこそあるものの、疑問の余地のない確かな事実はほとんどない。OECDでは、OECDとWHOの先駆的な共同プロジェクトによるデータに基づき、このギャップを埋めようと努めている。2000年の平均を見ると、OECD地域で雇用されている看護師の11%、医師の18%が外国出生者であった。この比率は、高度な技能を持つ移民が労働力全体に占める比率とほぼ同じである。
アフリカ諸国とカリブ海諸国は国外移住率が50%を超えている国が多く、保健医療専門家の海外流出により際立って大きな悪影響を受けている。保健医療専門家の海外流出は、これらの国が直面している労働力不足の問題を悪化させている。実際、推計によれば、これらの国の保健医療分野における労働力不足は、これらの国から流入してきたOECD地域の保健医療従事者の約8倍に達している。
送出国と受入国は、保健医療専門家が外国に移動する権利と、その技能が最も必要とされている国への配分の間でうまくバランスを取るよう協力する必要がある。
移民政策は移民とその子供らの統合に重点的に取り組む必要がある
多くのOECD諸国において、移民が労働力の増加という役割を果たすためには、一般の人々が移民は労働者不足と人口高齢化の解決策の一つであることを理解しなければならない。しかし、これを達成するには、移民とその家族を受入国の経済と社会にうまく統合しなければならない。
しかし、移民の統合を進めていくことは多くのOECD諸国にとって非常に難しい。いくつかの移民グループ、特に女性や若年層の移民が依然として労働市場への統合で困難に直面しているのは残念な事実である。移民の子供についても同様のことが言える。一部の国では、移民第二世代の20〜29歳の年齢層の失業率が受入国出生者の同じ年齢層の失業率の2倍にも達している。
効果的な統合政策の例としては、賃金補助(デンマーク)(受入国出生者の場合より移民の場合の方が大きな効果を発揮することが実証されている)、企業内研修(スウェーデンやデンマーク)、実習の奨励(ドイツ、第二世代向け)などが挙げられる。OECDは最近、一部のOECD諸国で成果を上げている政策への理解を深めるため、「移民の雇用:オーストラリア、デンマーク、ドイツ、スウェーデン」と題した調査報告書を公刊した。
結論
移民はOECD加盟国のアジェンダで上位に置かれている。今日のグローバル化した世界では、移民のメリットを増やし、そのコストを減らすための政策を設計・実施する必要がある。これを達成するには、関連している問題への理解を深めるとともに、国際協力の強化を後押しする必要がある。これこそOECDがグローバル政策問題に関する対話のハブになるというマンデートを果たすために取り組んでいることである。
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