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長期的な労働力ニーズに対処するため
移民労働者への門戸は開けておくべき
2009/06/30
OECDの新報告書によると、経済危機の影響により、OECD諸国への労働移民者数は1980年代以降初めて大幅に減少する可能性があります。労働移民の減少は、アイルランド、スペイン、英国など、最初に景気下降の打撃を受けた国々ではすでに生じています。
『国際移民アウトルック2009(International
Migration Outlook 2009』によれば、移民労働者は労働市場の情勢悪化からより大きな影響も受けています。真っ先に職を失っているのは移民労働者であり、アイルランド、スペイン、米国では移民の失業率が危機発生以降ほぼ2倍に上昇しています。スペインでは、2009年1‐3月期の移民の失業率は自国出生者の15.2%に比べ27.1%でした。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、「このような困難な状況下で、政策当局は労働市場への移民の統合に優先的に取り組むべきである」と述べています。報告書によれば、OECD諸国への労働移民者数減少の背景には、危機の影響と並行して、政府の政策がより制限的になっているという事情もあります。
今年、米国では数年ぶりに、主要な一時就労ビザの発給枠がすぐには埋まりませんでした。オーストラリアでは2009年1‐4月に熟練労働者の一時移民が25%以上減少しました。英国とアイルランドでは新規EU加盟国からの移民が50%以上減少しています。
チェコ、日本、スペインは、帰国資金の支給により、失業した移民の帰還移民を奨励する政策も導入しています。しかし、過去の経験によれば、こうした制度の影響は総じて限定的なものです。
OECD諸国の人口高齢化現象は今後も続きます。本年版『国際移民アウトルック』は、労働移民管理へのロードマップを提示し、労働市場のニーズをより正確に特定し、それに応じて移民フローを調整する、非正規移民や不法雇用を縮小させ合法的なチャネルへと向け直す、移民とその子供たちの統合強化を確保する、などを提唱しています。
グリア事務総長はパリで行われた本報告書発表記者会見の席上、「移民は意のままに開け閉めできる蛇口ではない」と述べました。さらに、「我々が必要としているのは機動的で、公正で、効果的な移民・統合政策―うまく機能し、好景気にも不景気にも適応する政策―である。移民のメリットが送出国と受入国の双方で共有されるようにする必要もある。そのためには頭脳流出のリスクを回避するための責任ある人事採用政策を整備しなければならない」と付け加えました。
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