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FATFが2001〜2002年の年次報告書を発行

 

2002/6/21

 金融活動作業部会(FATF)は 第13年次報告書 ( http://www.oecd.org/pdf/M00031000/M00031428.pdf ) を発表しました。この年次報告書では、テロ資金の根絶と非協力国・地域(NCCT)に関する取り組みにおける重要な進展を含め、香港(中国)が議長を務めた2001〜2002年のFATFの主な実績について概要が示されています。

 FATFの2001〜2002年の主な優先課題はテロ資金根絶に向けた行動計画の実施で、この中には全ての加盟国のテロ資金対策に関する自己審査が含まれています。八つの特別勧告が出されてからまだ8ヶ月しか経っていませんが、FATF加盟国は勧告の迅速な遵守に取り組んでいます。FATFは、加盟諸国及び地球規模でこれらの勧告が完全に遵守されるよう今後も努力していく方針です。

 勧告の全世界的な遵守に向けた取り組みの一環として、FATF非加盟国についても加盟国と同様の任意の自己審査プロセスが開始され、これまでに50以上の国・地域から回答が寄せられています。FATFのクラリー・ロー議長は、「FATF非加盟国がこの自己審査に参加していることに非常に勇気づけられており、まだアンケートに回答していない国に対しても9月1日までに回答を寄せるよう働きかけていきたい」と述べています。FATFは、自己審査アンケートへの回答に基づき、適切なテロ資金対策を講じていない国・地域を特定する作業部会も設立しました。ここで特定された国・地域はIMF、世界銀行、国連によるフォローアップ評価や技術支援の対象となります。

 FATFはマネーロンダリング対策に非協力的な国・地域(NCCT)のリストから、ハンガリー、イスラエル、レバノン、セントクリストファー・ネイビスを除外しました。これまで同様、FATFは引き続きこれらの国・地域の今後の動きを注視していく方針です。

 現時点でNCCTリストに含まれる国・地域は以下の通りです。

 クック諸島、ドミニカ、エジプト、グレナダ、グアテマラ、インドネシア、マーシャル諸島、ミャンマー、ナウル、ナイジェリア、ニウエ、フィリピン、ロシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島、ウクライナ

 NCCTリストの変更を受けて、FATFは加盟国に対し、自国の金融機関がNCCTリスト掲載国・地域の人物(企業・金融機関を含む)とのビジネスや取引に特に留意することを求める勧告を最新のものにするよう要請しています。

 FATFは15のリスト掲載国・地域(1)の多くで一層の進展がみられたことを歓迎しています。こうした進展を踏まえて、グレナダ、ニウエ、ロシア、セントビンセント及びグレナディーン諸島に対して法改正の実施状況の評価を行うために、FATFは実施計画の提出を要請する予定です。FATFは2002年10月9日から11日の次期総会で各NCCTの状況を再度点検することになっています。

 FATFは、ナイジェリア政府が早急にFATFと連絡をとり、適切な法改正を実施しなければ、2002年10月31日をメドに(金融取引その他の関連活動の監視・報告を強化する可能性を含めた)追加的な対抗措置の適用を勧告することを決定しました。ナウルはオフショア・バンキング・セクターの欠陥に対処していないため、FATF加盟国は引き続きナウルに対して対抗措置を適用していくことになります。FATFは、実体のないダミー銀行はマネーロンダリングに利用される恐れがあり、とうてい容認できないとの立場から、ナウルに対しこの種のダミー銀行を撤廃するよう要請しています。

 FATFは、2001年9月のリスト掲載以来、ウクライナで適切な法整備が行われていないことも懸念しています。FATFは、6月14日に提出されたマネーロンダリング法の可決に最優先に取り組んでいくという、ウクライナ大統領の6月18日の声明に注目しています。次期総会までに包括的な法整備が行われなければ、FATFは追加的な対抗措置の採用を検討することになります。

 国際的なマネーロンダリング防止基準を強化するため、1990年の40の勧告採択以来初めて、FATFは勧告の見直しにあたって考慮されている広範な問題について説明した参考資料(2)を発表しました。この資料に関する協議は今も行われており、FATF世界基準の見直しは2003年初めに完了する見込みです。

 FATFは、南アフリカに対して10月のFATF次期総会にオブザーバーとして参加するよう招聘していることも発表しました。これは、南アフリカ政府の、FATFの勧告を支持し、二回の相互評価を行い、地域のマネーロンダリング防止で積極的な役割を果たすとの政治的コミットメントを受けたものものです。一回目の相互評価で好ましい結果が得られれば、その時点で南アフリカは正式に加盟することになります。

 FATFは国際金融機関との協力を強化しました。FATFは、IMF-世界銀行金融セクター評価プログラムと基準および規準の遵守プロセスに関する報告の一環として評価を行う際に、40の勧告と8つの勧告の全てに基づく包括的手法を用いることを承認しました。また、FATFおよびFATFと同じスタイルの地域機関からマネーロンダリング防止とテロ資金対策の専門家を、包括的手法に基づいて遵守状況を評価するIMFと世界銀行主導のミッションチームに派遣することにも同意しました。

 FATF、テロ資金根絶へのFATFの取り組み、現時点のNCTTリストに関する詳細情報は、ウェブサイト ( http://www.fatf-gafi.org ) に公開されています。

 FATFは独立の国際機関で、事務局はOECD内に置かれています。FATFの29の加盟国・地域は次の通りです。アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国。2つの国際機関(欧州委員会、湾岸協力会議)も加盟しています。


(1) NCCTが2002年1〜2月以降にとった措置の最新情報は、以下の付属資料の通りである。2001〜2002年のNCCTに関する詳細な報告については、http://www.fatf-gafi.org/NCCT_en.htm を参照のこと。

(2) http://www.fatf-gafi.org/40RecsReview_en.htm を参照 のこと

附属資料

 NCCTが2002年1〜2月以降にとった措置の最新情報

  • 四つの国・地域が、先に認定された欠陥の矯正に必要なほとんど(全てではないが)の法律・法規を制定した。

  • グレナダは、2002年国際金融サービス(雑修正)法(2002年第2号)、2002年グレナダ国際金融サービス庁(修正)法(2002年第13号)、2002年オフショア・バンキング(修正)法(2002年第14号)、2002年マネーロンダリング(防止)(修正)法(2002年第15号)、2002年国際企業(修正)法(2002年第16号)を、それぞれ制定した。

  • ニウエは2002年国際バンキング廃止法を制定した。同法は2002年6月5日に施行され、これにより、ニウエのオフショア銀行は2002年10月までに廃止される。

  • ロシアでは、「犯罪的手段による所得合法化の根絶に関する」法律が2002年2月1日に施行された。2002年4月2日の政令第211号により、金融監視委員会(FMC)に対して金融情報機関の責務に沿った特別な権限が付与された。「金銭その他の財産にかかわる業務を行う機関からFMCへの情報提供手続きに関する規制の承認に関する」2002年4月17日の政令第245号により、こうした機関の報告手続きが規定された。

  • セントビンセント及びグレナディーン諸島は、2002年4月と5月に様々な法改正を行うとともに、2002年5月30日に、従来の制限的な機密関係保護法(国際金融法)を廃止する情報交換法(2002年第29号)を制定した。また、2002年1月29日に2002年犯罪収益(マネーロンダリング)規制(2002年規則・命令第5号)を、2002年4月26日に2002年犯罪収益(マネーロンダリング)(修正)規制(2002年の規則・命令第29号)を、2002年5月28日に金融情報機関(修正)法(2002年第24号)を、2002年5月28日に犯罪収益およびマネーロンダリング(防止)(修正)法(2002年第25号)を、2002年5月28日に国際事業会社(修正)法(2002年第26号)を、2002年5月28日に国際トラスト(修正)法(2002年第27号)を、2002年5月30日に国際銀行(修正)法(2002年第30号)を、それぞれ制定した。

 その他の国・地域も、法案を可決するか、最近制定された法律の施行に向けた措置をとった。

  • クック諸島のマネーロンダリング防止規制は2002年1月23日に公布され、2002年2月7日に施行された。

  • ドミニカは2002年1月31日に情報交換法を制定した。

  • エジプトは2002年5月22日にマネーロンダリング防止法(2002年第80号)を制定した。

  • グアテマラは、2002年6月1日制定の銀行および金融グループ法(2002年第19号)および2002年6月3日制定の同法施行規則、2002年4月27日制定の「資金等の資産の洗浄防止法」のための規制(2002年第118号)など、大幅な改革を行った。

  • インドネシアは2002年4月17日、マネーロンダリング犯罪法に関するインドネシア共和国法(2002年第15号)を制定した。

  • マーシャル諸島は2002年5月27日、報告と遵守の基準を定めた規制を制定した。

  • ミャンマーは2002年6月17日、「マネーロンダリング規制法」を制定した。

  • フィリピンでは2002年4月2日、2001年マネーロンダリング防止法の施行規則が発効した。

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