|
2004/02/27
マネーロンダリングとテロ資金から世界の金融システムを保護する国際機関、金融活動作業部会(FATF)は2月27日に開かれた総会で、大幅な改革を実施したウクライナとエジプトを非協力国・地域(NCCT)リストから除外したことを発表しました。
クラエス・ノルグレンFATF議長は「これはNCCTプロセスがうまく機能していることを示すものであり、各国は自国の金融システムの健全化のために実質的な行動をとっている」と述べました。
ノルグレン議長は更に次のように述べました。「従って、FATFはウクライナとエジプトをNCCTリストから除外することを決定した。これは両国と国際社会にとって朗報である。これまでの慣行どおり、FATFは今後も両国におけるマネーロンダリング防止制度の実施状況を仔細に監視していく」。
FATFは国際的なマネーロンダリング防止基準を満たしていない非協力国・地域リストを維持しています。これらの国・地域に対しては、NCCTリストの掲載国・地域と取引する銀行による監視の強化等の対抗措置が発動される可能性があります。
現在、NCCTリストに掲載されているのはクック諸島、グアテマラ、インドネシア、ミャンマー、ナウル、ナイジェリア、フィリピンです。FATFは加盟国に対し、自国の金融機関がこれらの国・地域の個人、企業、金融機関とのビジネスや取引について特に注意することを求める勧告を維持するよう要請しました。FATFは、ミャンマーとナウルに対して、現時点ではリストからの除外を正当化できるだけの進展が見られないことを理由に、現行の対抗措置を維持することを決定しました。
FATFはリストに掲載されている一部の国・地域について更に進展が見られること、特にグアテマラでは最近オフショア銀行を管理枠組みに取り込む等大きな進展が見られたことを歓迎しました。FATFはマネーロンダリング防止へのグアテマラの取り組みを歓迎しています。
FATFとIMF、世界銀行との連携
FATFは、マネーロンダリング防止とテロ資金根絶の基準を世界各国に整合的に適用する12ヶ月間のパイロットプログラムにおいてIMF、世界銀行と密接に協力しています。この中には、IMFと世界銀行がFATFの勧告を利用して各国の金融システムを評価するパイロットプログラムが含まれています。FATF議長はIMFと世界銀行に書簡を送り、その中でパイロットプログラムが成功裏に完了したことを歓迎するとともに、両機関が金融セクター評価プログラムの正式な一部として包括的、統一的かつ恒久的に評価を継続することを求めました。
「FATF加盟国は、マネーロンダリング防止とテロ資金根絶の基準遵守状況を評価する新たな共通の手法について合意した。この手法がIMFと世界銀行に承認されることを期待するとともに、両機関にこれによる評価を恒久的かつ包括的に行っていくよう奨励する」とFATF議長は述べました。
テロ資金に関するセミナー
テロ資金根絶策を更に強化する取り組みの一環として、FATFはこの問題に関して総会前の2月24日に特別セミナーを開催しました。
「テロ資金の問題に対処することはFATFの極めて重要な使命である。このセミナーはテロ資金根絶への国際的取り組みにおける主要なパートナーと接触する上で重要な役割を果たした」とノルグレン議長は述べました。
セミナーでは代替的送金システム、現金の運搬人、非営利組織、麻薬密輸とテロ資金の繋がりから生じるリスクについて討議されました。参加者は、国際社会はテロ資金に関する情報を収集・共有するメカニズムを強化する必要があるという点で一致しました。
セミナーにはFATF非加盟国(1)を含む44ヶ国のほか、オブザーバーとなっている国際機関やFATFと類似の地域機関(2)も参加しました。セミナーは、2003年9月にドバイで開かれたG7と招聘国の財務相・中央銀行総裁会議でのテロ資金根絶への政治的コミットメントを受けて開かれたものです。
FATFは国際社会がこの分野で実際的措置を実施・導入していくための作業を進めていきます。
類型学
2003年11月、FATFの類型学専門家グループがメキシコで会合を開きました。この会合の報告書(3)では、電信送金、非営利組織とテロ資金との関係、保険セクターのマネーロンダリングに関する脆弱性、政治的重要人物、マネーロンダリング・スキームの「門番」等の問題が取り上げられています。
ノルグレン議長は「FATFはマネーロンダリングとテロ資金に関する既存および新規の手法に関する体系的な情報収集の重要性を認識している。従って、各種の類型を引き続き審査し、危険性の高い特定の分野に取り組むプロセスの実効性を強化していくことで合意している。当初は電信送金と保険セクターに焦点を絞って取り組んでいく」と述べました。類型学とはマネーロンダリングの傾向や手法に関する調査研究のことです。類型学報告書は、警察や政策立案者、民間セクターがマネーロンダリング防止に取り組む上でしばしば利用されています。
FATF、マネーロンダリング防止とテロ資金根絶への取り組み、40の勧告、現行のNCCTリストに関する詳細情報はFATFウェブサイトでご覧頂けます。
FATFは独立の国際機関で、事務局はOECD内に置かれています。FATFの31加盟国・政府は次の通りです。アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、ロシア、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国です。2つの国際機関(欧州委員会、湾岸協力会議)も加盟しています。
--------------------
- 招聘された非加盟国は次の通り。アルジェリア、バーレーン、中国、エジプト、インド、インドネシア、クウェート、マレーシア、モロッコ、パキスタン、フィリピン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦。
- マネーロンダリングに関するアジア太平洋グループ、カリブ金融活動作業部会、東部・南部アフリカマネーロンダリング防止グループ、欧州評議会マネーバル(MONEYVAL)委員会、南アフリカ金融活動作業部会(GAFISUD)。金融監督者オフショアグループも参加した。
- 2003/2004年の類型学報告書はFATFウェブサイトに公開されている。
|