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OECD科学技術産業スコアボード2003、発表
2003/10/22
OECDは10月22日、「Science,
Technology and Industry Scoreboard 2003」 を発表しました。 以下はその概要です。
ノレッジ・ベース・エコノミー(知識基盤経済)は衰えず
むしろ急速なグローバル化の兆候
経済活動の低迷、「ニュー・エコノミー」に対する関心がトーンダウンするなか、OECD諸国経済の知識集約度を多様な指標で測ると、実際には知識集約度はさらに強くなっている。特に、米国、カナダ、オランダ、オーストラリアでは、情報通信技術(ICT)投資対する投資、知識集約が一層凝縮された民間の非農業部門(特に、ICTサービス、ハイテクおよび準ハイテク製造業)で労働生産性が向上している。
研究開発(R&D)への投資、ICTの活用、特許の取得、さらなる科学技術の開発というサイクルを見ると、こうした活動がOECD加盟国だけに留まらず非OECD諸国でも活発になっている。
この傾向は、知を創出する要因となっているスキルド・ピープル(高度な人材)、イノベーティブ・ビジネスと資本に関するグローバルな競争がいっそう激化していることを示している。
今回の第6版OECDスコアボード(ノレッジ・ベース・エコノミーのスコアボード)では、科学・技術・産業についての200以上の指標を集約し、4つの分野(知識の創出と拡散、情報経済、経済活動のグローバル化、生産性と産業構造)から見た各国の知識基盤経済の変化を分析している。
(1)知識の創出と拡散
- OECD諸国のR&D投資は2001年、2002年はいずれも増加。
- ICTとバイオテクノロジー分野での特許出願が加速され、この10年間で倍増。
- 非OECD諸国のR&D投資は、全世界の約17%に相当。
- 中国のR&D支出は約600億米ドルで、米国と日本に続き世界3位。
- インドのR&D支出は約190億米ドルで、世界の10位以内。
- 台湾は、世界第4位の米国特許受入国。以下、フランス、英国、韓国、カナダの順。
- 欧州では、OECD諸国の科学技術でのPhD学位全体の約36%を、米国は24%を授与。
- 米国ではこの差を補うために、海外出身のPhDに依存。英国やカナダの人材のほか、米国で活動を行っている中国出身科学者は英国人科学者の3倍、インド出身科学者は英国人か学者の2倍。
- スイス、ベルギー、英国では、PhDコースの1/3が留学生で、英国は27%、オーストラリアは21%、デンマークは18%、カナダは17%。
- 留学生の実数は、米国が約79000人とOECD諸国では最大、これに次いで英国が約25000人。
(2)情報経済
- ICT(情報通信技術)は、拡大の一途。
- 2002年には、デンマーク、ドイツ、スウェーデン、スイスでは2/3の世帯に家庭用コンピュータ。
- OECD諸国の80%以上の企業(従業員10人以上)がインターネットを活用。
- ブロードバンドは、韓国、カナダ、スウェーデン、デンマーク、ベルギー、米国で広く活用。
- デンマークとスウェーデンでは、5社に1社が2Mbps以上でインターネットに接続。
- 日常生活とインターネットとの統合が加速。
- 米国では約40%の利用者がオンライン・ショッピング。2000年第4四半期から、2002年第4四半期の間に、米国での電子購買は全売上高の約70%、小売全体の1.5%に迫る勢い。
- ポルトガルとスウェーデンではインターネット利用者の約半数がオンラインゲームや音楽のダウンロードを、またスウェーデンとデンマークでは、半数以上のユーザーがEバンキングを利用。
(3)経済活動のグローバル化
- GDPに対する貿易の比率は、米国と欧州で1990年代に比べ2ポイント増加、一方で日本は不変。○ 貿易に占める航空機、コンピュータ、医薬品、科学機器などのハイテク製品の比率は25%、1990年代の20%弱よりも増加。
- 貿易面での際立った特徴は多国籍企業間の取引。こうした異なる国にある多国籍企業間の企業内輸出はOECD諸国内の輸出総額の35%〜60%。
- 多国籍企業のR&D支出は、1993年から1999年にかけて90%近く増加。
- 多国籍企業の主要なR&D支出先である国は、全製造業R&Dの約18%が多国籍企業によるもの。
- カナダ、アイルランド、ハンガリー、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国では、製造業R&Dの30%以上が多国籍企業による。ハンガリーとアイルランドでは、この比率が70%以上。
(4)生産性と産業構造
- 1990年代のOECD諸国の成長は、高度労働力、資本の深化、ICTの要素の組み合わせ、及び多要素生産性(MFP)の成長による。
- 1990年代後半では、フィンランド、ギリシア、アイルランド、ポルトガルで、MFPの成長がGDP成長に寄与。
- 2000年時点で、OECDのGDPの約70%はサービス部門(製造部門は18%)。
- 現在、OECD諸国では、労働生産性の成長はビジネスサービスに依存。サービス部門に対する製造部門からの需要による。
- 製造部門に内生化されていたサービスの外生化(アウトソーシング)による。
日本の知識基盤経済の程度をOECDスコアボードでチェックすると?
(1)知識の創出と拡散
Q1) 知への投資は?(A.1.:以下カッコ内はスコアボードのチャートを示します)
A1) R&D支出、高等教育への支出、ソフトウェアへの支出の総額を指標として採用。 R&Dへの高い支出(GDPの3%超)に対し、高等教育とソフトウェアは低い。
総合ではOECD平均を下回る。
Q2) R&D投資の規模は?(A.2.)
A2) この対GDP比で、世界3位(スウェーデン、フィンランドに続く)。G8中ではトップ。
Q3) 誰がR&D投資を?(A.3.)
A3) 主役は民間企業(シェアはOECDトップ)。反対に政府の投資シェアはOECD最下位。
Q4) どの産業がR&D投資を?(A.4.2.)
A4) R&Dの主体は製造業。サービス部門のR&D支出はOECDのなかで最下位。
Q5) ベンチャーは育っているか?(A.4.4.)
A5) R&Dを実施している中小企業の比率はOECDのなかで最下位。
Q6) バイオテクノロジーのR&Dは?(A.6.1)
A6) バイオ関連のベンチャーキャピタルは、OECDの最下位グループ。
バイオ特許出願は、特化指数(バイオ特許数の国別シェア/全特許の国別シェア)でみると、 OECD平均以下。
Q7) ナノテクノロジーのR&Dは?(A.6.6)
A7) R&D支出は、米国、EUに続き第3位。論文数では米国について第2位。
Q8) ベンチャーキャピタルは活発か?(A.7.)
A8) ベンチャーキャピタルによる投資の対GDPを指標にとると、0.1%未満。
OECDの最下位グループ。
Q9) 人的資源の状況は?(A.8.1.)
A9) 25歳以上65歳未満の人口で4年制大学・大学院卒業者の比率は約35%。 OECDのなかでは上位グループ。
Q10) PhD取得者の数は?(A.8.2)
A10) 労働市場でのシェアは1%未満。OECDの最下位グループ。
Q11) 米国でPhDを取得した日本人(A.10.1)
A11) 英国とカナダに続き3位。人数は英国の1/3以下。
Q12) 国際的な特許出願状況は?(A.11.1)
A12) EPOに申請した特許件数のうち日本のシェアは約20%。米国、ドイツに続き世界第3位。
(2)情報経済
Q13) ブロードバンド環境は?(B.3.1.)
A13) 人口100人あたりのブロードバンド接続者の指標の第一位は韓国の約19人。 日本は約4人でOECDの上位グループ。
Q14) 家庭からのインターネットアクセス状況は?(B.4.2.)
A14) 約40%の家庭がインターネットアクセス。OECDの下位グループ。
Q15) Eコマースの状況は?(B.4.6.)
A15) インターネット導入企業は90%超。受注に活用しているのは全体の20%程度。
Q16) ICT部門のGDPへの寄与は?(B.6.1.)
A16) ICT部門のシェアは全GDPの約10%。OECD平均をやや下回る。
Q17) ICT部門の雇用への寄与は?(B.6.2)
A17) 全雇用に占めるシェアは約8%。フィンランド、スウェーデン、カナダに続き第4位。
Q18) ICT部門の貿易への寄与は?(B.7.)
A18) 貿易に占める割合はハード中心で約25%。G8では最大。サービス部門は弱い。
(3)経済活動のグローバル化
Q19) GDP にしめる貿易の比率は?(C.2.1)
A19) 貿易の対GDP比率は約10%とOECDで最下位。特にサービス貿易が弱い。
Q20) 海外からの直接投資は?(C.3.1.)
A20) 海外からの投資は依然として低い水準。OECD下位グループ。
Q21) 海外企業との合併・資本提携は?(C.3.2.)
A21) 海外企業の国内での提携、国内企業の海外提携ともOECDの下位グループ。
Q22) 科学技術分野での国際協力の状況は?(C.5.3)
A22) 論文の国際共著は、米国、英国、フランス、ドイツについで第5位。
特許の国際共同出願は、OECDのなかで最下位。国内技術への依存がみられる。
Q23) 技術貿易収支は?(C.5.4.)
A23) 輸出額、輸入額ともGDPに占める割合は0.5%未満。輸出がやや上回る。OECDの下位。
(4)生産性と経済構造
Q24) 技術集約産業と知識集約産業(D.6.)
A24) ハイテク製造業と知識集約サービス業(通信・金融・ビジネスサービス)の付加価値の対GDP比 を指標にとると、ハイテク製造業(技術集約産業)の付加価値創出は全体の約10%。OECD上
位。一方、知識集約サービス業の付加価値創出は全体の約15%。OECD平均以下。
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