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科学・革新

中国のイノベーション促進のためにはさらなる改革が必要

2007/08/27

OECDの新報告書「OECD Reviews of Innovation Policy: China」によると、中国が2020年までに「イノベーション志向型」経済化という目標を達成するためには、急増している研究開発(R&D)・高等教育向け投資のリターンを改善する必要があります。

OECDは中国のイノベーション制度に関する初の審査報告書の中で、中国は依然として近代的でパフォーマンスの高い国家的なイノベーション制度が整備されていない、と述べています。R&D費は1995年以降年率19%のペースで増加し、2005年には世界第6位の300億米ドル(恒常為替レートベース)に達しています。中国はこれまでR&D、人的資源、R&Dインフラの分野で膨大な投資を行っていますが、本格的で成熟した国家的なイノベーション制度は整備されていないのが現状です。しかも投資の多くは、長期的なイノベーションの土台となる基礎研究ではなく、ハイテク部門、機器・設備の更新、新製品の試験的研究などに集中しています。サービス、エネルギー、環境技術、基礎研究などへの投資を増やす必要があります。

中国は現在、研究者数で米国に次いで世界第2位にあるにもかかわらず、将来的には科学技術分野の熟練労働者不足に直面する可能性もあります。近年、理系の学位を持つ人の数は絶対数で減少すらしています。中国はより多くの学生を引き付けるために科学教育の質を高め、経営的な専門知識や起業家精神の育成にさらに注力する必要があります。

1980年半ば以降の一連の改革にもかかわらず、中国企業のイノベーション能力は依然として貧弱です。いまだに国有銀行に支配されている中国の金融制度をさらに改革すれば、企業のイノベーションに寄与します。また、資本市場の開放と効率化を促進すれば、起業家はもっと多くのリスクをとり、長期的な投資を必要とするバイオテクノロジーなどの分野に投資できるようになります。

国内企業のイノベーションを奨励するとともに、外国企業のR&D拠点との関係強化からより大きなメリットを受けられるよう、政府は知的財産権(IPR)をより実効的に執行し、競争を強化すべきです。

大学は中国のイノベーション制度で主要な役割を果たしています。大学は中国の科学技術企業の10社に1社を経営し、年間特許取得件数の5分の1を占め、有望な新興企業にベンチャーキャピタルを供与しています。これらの公的研究機関のさらなる改革は研究者の質と効率性を高めることに寄与します。これは、現在、優秀な経営者や高度な資格を有する研究者の需要が供給を上回っていることからも重要です。

中国は科学・イノベーション政策のガバナンスも改善すべきです。政府が優先度の高い政策に公的資源を配分できることは中国と世界の技術格差を縮小する上で大きな役割を果たしています。しかし、各プログラムの設計、管理、評価には改善と市場志向化を進める余地が残されています。

中央政府は国レベルの省庁間で取り組みをもっと実効的に調整するメカニズムの創設を検討し、地方と国の科学・イノベーションプログラムの重複を避ける指針を設定する必要があります。各プログラムを監視し、その成否を評価する独立機関の創設も有益です。

中国が科学・イノベーション分野でグローバルプレーヤーとして興隆することは中国にとっても世界にとってもメリットがあるはずです。中国がグローバル知識経済へ円滑に統合できるよう、中国とOECD諸国は特にIPR、技術移転、技術基準などの問題に関して対話と協力の精神を維持する必要があります。

中国はOECD加盟国ではありませんが、一部の委員会のオブザーバーとしてOECDの活動に参加しています。中国のイノベーション制度に関するOECDの審査報告書は、非加盟国へのアウトリーチ活動の一環として1995年にスタートした協力プログラムの一部です。OECDはすでに、中国経済、中国におけるガバナンス、外国直接投資誘致策に関する審査報告書など、他の調査研究を発表しています。

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