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思いやりのある社会に向けての新社会政策
1998/6/23−24
■OECD厚生・労働大臣会議開催 6月23-24日、パリ
今日、われわれの社会は深刻な社会問題に直面している。未熟練労働者の労働市場からの締め出し、高齢化、貧富両者の間で差が見られる健康状態、家族の崩壊、財政支出削減の圧力など、問題は多様である。橋本首相の提案を受け、OECDは、社会問題担当の閣僚会議をパリで開催した(日本からは、小泉厚生大臣が出席)。同会議の概要は次の通り。
(詳しくは、パリ本部のホームページで英文コミュニケを参照。)
・社会保障・健康保険制度をより平等で効率的な制度に改革することは、これからの経済にとって不可欠である。
・特に、人々が職と所得を得ることが出来るような社会政策、いわば、雇用志向型社会政策を推進する。種々の社会保障支払いは、就業意欲を削ぐようなマイナスのインセンティブとならないようにする。
・社会の変化は家庭に大きな影響を与えている。家庭こそが育児、介護、世話の核になるものであり、家庭のこの役割を支援する必要がある。幼児期は人の発達の上で決定的な時期である。女性は家庭において特別な役割を果たしている。社会政策は、このような点に配慮して、雇用促進と家庭支援とをバランスをもって推進しなければならない。
・健康保険制度改革は、費用対効果の高いものである必要がある。その際、治療方法、病気予防、医療技術開発などを見直して、健康保険支出の効率的運用を図る。また、比較的余裕のある人には応分の負担をお願いする一方、経済的弱者には十分な医療を確保する。
・ 2010年以降、高齢化は大いに顕在化し、社会保障・健康保険制度に重圧がもたらされる。今から「活力ある高齢化戦略」を進めて、人々が年齢を重ねながらも生産的な生活を送れるようにする。それは、個々人の判断により、給与を得る仕事もあろうし、ボランティアーだったり、家庭内介護だったりするだろう。
・高齢化問題への対処として、定年を延長し、就業期間をより長くすることが効果的である。生涯教育や、高齢者雇用に対する使用者側の理解の増進が必要。
・高齢化は2010〜2035年にピークを迎える。これまでに新しい年金制度が完成するようにするためには、年金制度改革は直ちに大至急で取り進められなければならない。
・特に、慢性疾患が多くなっている高齢者については、長期介護と医療保険をうまく調和させて、費用対効果の高いサービスを提供できるようにする。
・ 社会政策には、個人の自立と社会の連帯の間のバランスを図ることも求められる。最近の改革の特徴は、個々人に対して、可能な限り自分の生活は自分で面倒みることが期待されるようになってきていることである。
・OECDは、以上のような社会政策改革の各国における成果をモニターし、評価するとともに、国際的に比較可能な指標を開発することとなっている。
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