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家庭に優しい政策は社会に幅広い利益をもたらす
2002/11/06
OECDの新刊“Babies and Bosses: Reconciling Work and Family Life”によると、仕事と家庭生活とのバランスを取る政策を導入することにより、社会に幅広い恩恵がもたらされます。その恩恵としては、雇用創出、家庭の収入源の安定化、ジェンダーの平等の強化、子供の発達促進等が挙げられます。
本書は、オーストラリア、デンマーク、オランダの労働市場に参加する親を対象とした研究で、保育、育児関連休暇、税制、優遇政策といった家庭に優しい政策が、いかに仕事と家庭生活とのより良いバランスにつながるかを解説しています。
価格が手頃で質の良い保育サービスへのアクセスは、極めて重要な要素です。デンマークでは他の2カ国に比べてかなり多くの児童が正式な保育サービスを受けています。また、政府助成金も多く支給され、ほとんどの女性はフルタイムで働き、正式な保育サービスの質が高いことを親が確信しているといった点は、北欧諸国における集団保育制度の長い歴史を反映しています。オーストラリアの正式な保育サービスは、助成額ではデンマークに劣るものの、柔軟性は高く、親の保育ニーズに応えるための選択肢をいくつか提供しています。オランダでは、正式な保育サービスへの助成はほとんど無く、就学前の子供が2人以上いる家庭にとっては法外に高いサービスとなる可能性もあります。このためオランダでは、子供が二人以上いる母親の多くはパートタイムで働くか仕事をあきらめています。
3カ国全てに共通しているのは、有給の育児関連休暇が激しい政策論争を巻き起こしたという点です。デンマークでは現在、親は子供が約1歳になるまで有給育児休暇を取ることができます。オーストラリアでは、有給育児休暇を認める雇用者もいますが、育児休暇を取得する親全てに支払われる手当てはありません。本書は、出産後数週間あるいは数カ月に過ぎない有給育児休暇に対して人々が非常に高い関心を持ち、多くの労力を注いでいることは驚くべき事であると指摘しています。仕事と家庭生活とのバランスを取る際に親が問題に直面するのは、子供が幼少の時期だけではありません。オランダはこの問題への取り組みを少なくとも部分的に開始しており、労働時間を調整する自由を全ての親に認めています。
3カ国全てにおいて、現在の職場文化は、家庭に優しい諸制度を利用する父親に対して不利益をもたらすものになっています。このため、母親が休暇制度やパートタイムおよびフレックスタイム勤務を最大限に利用しています。これは、女性のキャリア開発を男性と比べて不利にする可能性があり、労働市場における既存のジェンダー不平等を固定化させています。育児関連の諸制度を利用する男性に対する雇用者と被雇用者の態度を変えるには、さらなる努力が必要です。
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"Babies and Bosses - Reconciling Work and Family Life" (volume 1: Australia,
Denmark and the Netherlands)
ISBN 92-64-19843-1 ¥3400
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