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2003/02/27
OECDの新刊「Transforming Disability into Ability: Policies to Promote
Work and Income Security for Disabled People」は、障害給付金の受給者の多くは働くことができ、働きたいとも思っているが、政府の誤った政策により求職意欲を失っている、と結論付けています。
本書は、障害関連プログラムを雇用促進的なものにする一連の改革を提案しています。この提案は、個人の職場復帰と社会への再統合を後押ししようとするもので、雇用主へのインセンティブ付与や障害者の求職活動支援などの措置などが盛り込まれています。
改革が必要なことは明らかです。OECD諸国での障害関連プログラムへの支出額は失業対策プログラムへの支出額の二倍以上となっています。障害給付金は平均で社会保障支出全体の10%以上を占めており、オランダ、ノルウェー、ポーランドではその割合は20%にも達しています。
20のOECD加盟国を対象に最近行われたOECDの障害政策調査によれば、障害政策が大きな成功を治めている国は1つもありません。多額の支出にもかかわらず、障害率は依然として高止まりしています。大半の国では、障害関連プログラムの受給者は退職年齢に達するまで給付金を受け続けます。就労する受給者は年間平均で僅か1%に留まっています。
国別調査では次のような驚くべき結果が得られました。
- オランダでは20歳〜35歳の女性の障害給付金受給率が同じ年齢層の男性の3倍に達している。
- オーストリアは55歳以上の障害給付金受給率ではトップであるが、50歳以下の受給率は他の国よりはるかに低い。
- ノルウェーの障害給付金の額は他の国よりはるかに多いが、失業給付金の額は他の国よりはるかに少ない。ノルウェーでは障害関連プログラムへの支出額がGDPの5.5%以上に達している。これは失業プログラムへの支出額の12倍以上である。
障害者制度には、中央政府によって管理運営されているものもあれば、複数の行政レベルによって管理運営されているものもあり、国際比較は困難です。しかし、本書は、障害の定義及び評価方法や給付金の支給方法が受給者数に強く影響することを指摘しています。手厚い給付金を支給している国や給付金を受給しやすい国の方が、障害率は高くなる傾向が見られます。
他の給付金プログラムを利用しやすいかどうかも受給者数に作用します。米国と英国では、失業給付金や早期退職給付金の受給が制限されると、障害給付金の受給者が増加しました。多くの国で障害給付金の受給者は50歳以上に集中していますが、この背景には退職年齢に達するまで失業者を障害関連プログラムに滞留させる傾向があります。
本書では次のような政策改革を提言しています。
- リハビリと職業訓練、求職活動支援、手当、多様な雇用形態の可能性等を含めた個別の給付パッケージを設計する。
- 働くことができる障害者について、求職活動を義務付けるなど、障害者に新たな義務を課す。
- 障害のある従業員が働き続けるのを支援するよう雇用主に奨励する、あるいは、障害者雇用のインセンティブを雇用主に与えたりする等、雇用主を関与させる。
- 仕事の能力や時間の経過に伴う障害の程度の変化に応じて、給付金の額に柔軟性を持たせる。
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Transforming Disability into Ability. Policies to Promote Work and Income
Security for Disabled People
ISBN 92-64-19887-3 ¥3850
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