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Home OECD Tokyo > 社会問題 > 社会指標に関する報告書最新版、発表

社会問題

2005年OECD社会政策担当大臣会合
「機会拡大:積極的な社会政策の貢献」最終コミュニケ

2005/04/01


我々、OECDの社会政策担当大臣は2005年3月31日から4月1日までパリで会合を開き、「機会拡大:積極的な社会政策の貢献」について討議した。議長はアート・ジャン・デ・ゲウス・オランダ社会問題雇用大臣、副議長はベリット・アンドノール・スウェーデン社会問題大臣と金槿泰・韓国保健福祉部長官が務めた。この会合の一環として「政府のみが社会保障を提供しなければならないのか」と題したフォーラムも開かれた。BIAC(経済産業諮問委員会)とTUAC(労働組合諮問委員会)もこのフォーラムに参加し、我々と協議した。

我々は、社会が社会的目標を達成できるかどうかは経済の力強さに左右されるということで意見が一致した。経済成長は、家庭に支援を提供し、政府の援助の必要性を減らす上で極めて重要である。効果的な経済政策は、機会を拡大し、より多くの資産を活用できるようにする上で、効果的な社会政策を補完する。同様に、経済的な活力を生み出すとともに柔軟な労働市場に寄与し、子供時代の経験が成人後の不利な状況を招来しないようにし、労働市場や社会からの疎外を防ぎ、持続可能な高齢者支援システムを確保するには、効果的な社会政策が必要とされる。社会政策は、単に不幸や災難に備えるばかりでなく、人々の能力への投資や潜在的な可能性の実現も重視する、積極的なものでなければならない。

今回会合の主な結論

⇒社会政策や家族政策は、子供や若者が人生の最良のスタートを切れるよう支援し、子供から大人への成長を助けるものでなければならない。すべての親が仕事と家庭生活の両立の面でより良い選択ができるようにすることは、特に女性にとって機会の拡大につながり、経済的利益の創出ももたらす。家族に優しい政策は、出生率が過度に低い国では、出生率の上昇を後押しする可能性もある。

  • 子供の発達を促進するために、社会と家族は十分な資源を投資する必要がある。社会と政府機関全てが自らがとる政策が子供に与える影響を考えるきである。
  • 子供が必要とする資源(金銭的および時間的)を与えられないでいる家族については、特に重点的に取り組むべきである。雇用を通じて家族の財政状況を改善し、適切な保育や教育支援を利用できるようにし、子供の貧困を効果的に削減できるように現金その他の給付を設計することが必要である。
  • 育児と仕事の両立を支援する幅広い柔軟な家族支援サービス(保育、質の高い育児介助、結婚生活指導など)を整備し、そのための財源を確保すべきである。
  • 子供の長期的な発達にとって母親と父親が共に重要であることを認識するとともに、家庭生活で両者が十分かつ積極的な役割を果たすよう奨励すべきである。
  • どこでも、適切な情報に基づいた質と選択によって、手頃な費用で、柔軟に、保育サービスを受けられるようにすべきである。
  • 親が働きながら十分な子育てができるように、労働時間の柔軟性、パートタイム労働、適切な育児休暇制度を促進すべきである。

⇒世代間の社会的均衡の改善は、OECD諸国が直面している最も重要な課題の一つであり、今後もずっとそうであり続ける。年金制度の社会的、財政的な持続可能性を改善する必要がある。

  • OECD諸国は公共・民間支出の世代間配分と所得・資産配分へのその長期的な影響を分析すべきである。
  • 高齢者の貧困を減らすこれまでの取り組みを強化する必要がある。寿命の伸びを反映した勤労生活の長期化は、生活水準の維持に寄与するとともに、世代間の争いが生じるのを未然に防ぐ可能性がある。
  • 特定のセクターで働いていたために年金を受けられない人は十分な所得を必要とするが、こうした所得は財政が責任を持って提供すべきである。
  • 社会政策はアクティブエイジング(活力ある高齢化)と老後の自立を促進すべきである。

⇒適切な社会的支援が整備されていない限り、家庭の崩壊、家族介護の必要、病気、失業はいずれも長期的な失業状態につながる可能性がある。社会政策は、雇用障壁の削減、自立支援、働けない人への十分な給付の支給などにより、貧困を削減することができる。我々は、シングルペアレント、高齢労働者、障害者、長期間社会扶助を受けている人々は働くことができない、あるいは働くべきではないという誤った前提を捨てるべきである。「OECD雇用戦略」の見直しでは、労働市場からの排除に終止符を打つのに役立つ政策を特定すべきである。

  • 政策はそれぞれのニーズに沿ったものにするとともに、政策介入は早期に実施すべきである。
  • 政府が就労と社会参加への障害を克服するための資源を提供するとすれば、個人にはその機会を活用する責任がある。
  • 給付金受給者にとって就労を割に合うものにしなければならない。これは、税制や給付制度の見直し、十分な賃金を支給するための措置、就労の非金銭的側面の魅力化などにより、実現できる。
  • 障害者給付も、雇用を妨げるのではなく、雇用を奨励するように設計すべきである。障害者の就労支援には、追加的なコミットメントと投資が必要となる。

⇒こうした社会政策上の課題については責任を共有しなければならない。経済的活力と社会目標の整合性を高めるには、すべての関係者(雇用主、労働者、雇用主と労働者それぞれの代表組織、あらゆるレベルの政府、個人、地域社会、広範な非政府組織など)間に共通の目的が必要となる。社会的プログラムの個々の受益者には、自身の能力開発に寄与する責任がある。

  • 社会政策の利用し易さ、対応性、質、効率性を向上させるには、すべての主要な社会的関係者を政策対話に参加させる必要があるが、政策の実効性を上げるには、明確なプログラム目標を確立・追求しなければならない。
  • 民間の方がより多くの選択肢を提供し、適切な対象範囲を確保し、より柔軟で効率的な社会保障を提供できる場合には、営利、非営利を問わず、民間による社会保障の提供を促進してもよい。
  • パートナーシップや市場、準市場を効果的に活用して社会保障サービスを提供するには、様々な関係者の責任と役割を明確化しなければならない。市民が継続的で利用し易い適切なサービスを受けられるようにするとともに、財政へのアカウンタビリティを確保するためには、公的機関はサービスの提供を効果的に規制できなければならない。
  • 必要に応じて勧告、規制、インセンティブなどにより、これまで排除されていたグループや排除の危険にさらされていたグループに対する企業の雇用意欲を高めるべきである。

OECDがさらに取り組むべき分野

我々はOECDに対し、以下の分野におけるさらなる取り組みを求める:

児童福祉と家族支援
OECDは、子供の貧困を軽減し、ひいてはその根絶に寄与する政策、世代間でパイを奪い合うサイクルを絶ち切る政策、順調に人生を歩んでいく子供の力を育む政策などを特定すべきである。OECDは家族への支援で政策の果たすべき役割に目を向けるべきである。

年金政策の将来的な社会・経済的影響
OECDは、年金制度改革が個人の財政的・社会的状況に及ぼす影響やより幅広い経済的影響を分析するとともに、年金制度の一層の近代化への必要性について評価を行うべきである。

労働市場における障害者
OECDは、可能な場合には障害者の就労を維持し、必要な場合には障害者の仕事への復帰を後押しできる社会政策・労働市場政策を特定すべきである。また、若年障害者の特定の問題に対処する適切な政策についても検討すべきである。

社会保障における権利と責任の新たなバランス
OECDは、労働市場から疎外された人々など、様々なグループに対する積極的な社会政策、制裁、財政的インセンティブ間の適切なバランスに注目すべきである。社会政策は所得の再配分で重要な役割を果たすが、給付金受給者の労働復帰を妨げる制度的障害となる可能性もある。社会保障における権利と責任の新たなバランスが必要とされている。

人生のリスク、生涯、社会政策
OECDは、特定の極めて重要な「移行点」での政策介入や人生のある時点から別の時点への所得の再配分など、どうすれば社会的・経済的目標を最もよく実現できるかを特定すべきである。OECDは、生涯にわたる社会政策に資金を供給するための最善の方法についてさらに評価すべきである。

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