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持続可能な開発:OECDの取り組み(1998〜2001年)

 

1998年9月

 近年、「持続可能な(sustainable)開発・発展」という用語が幅広く用いられるようになってきています。これは、持続的(sustained)発展ではありません。開発を持続可能なものとするためには、開発に用いられる諸々の天然資源、つまり私たちを取り巻く環境そのものを守り、保全することが必要です。将来長きにわたって開発や発展を続けることができるように、環境という資源を破壊しない努力が求められているのです。

 OECDは、25年以上も前に環境局を設置し、持続可能な開発についての活動を続けてきています。OECDハイレベル環境諮問グループによる1997年11月報告書は、持続可能な開発の実現には、経済、環境、社会政策をすべて取りまとめた総合的施策が必要であると結論づけています。

持続可能な開発の意味: 環境・開発世界委員会(ブルントラント委員会)で、持続可能な開発とは「将来世代のニーズに応える能力を毀損することなく、現世代のニーズに応えるような開発」と定義されました。持続可能な開発を目指すとは、経済成長よりも広い意味での真の豊かさや、社会的・経済的公平さを達成し、さらには、環境や天然資源、社会的結束・連帯などの世界の共有物を脅かそうとするものに立ち向かっていくことです。重要なのは、持続を可能とするための主要な要素、つまり、経済政策、社会政策、環境政策をきちんとバランスさせて実施していくことです。

 環境問題を考える場合には、問題の経済的側面を見る必要があります。環境悪化の主たる原因は、経済活動にとって多くの環境資源(例えば、水、空気など)がただで自由に手に入るため、環境悪化というコストを真剣に考えるインセンティブが働いていないところにあります。ですから、環境資源に「適正な価格を設定する」という経済的手法が重要なのです。環境資源を利用する際には、個人的コストは払っても、社会的コストは払っていないことが起こっているのです。環境の快適さの維持と、ものの生産の双方をバランスよく達成する必要があります。持続可能な開発の目的は、人々の幸福を最大化するとともに、将来の世代に健全な経済・社会・環境上の基盤を残すことなのです。

OECD非加盟諸国との協力: 持続可能な開発はグローバルな問題です。ですから、OECDは、ブラジル、中国、インド、インドネシア、ロシアなどの非加盟国との政策対話、研究協力を推進してきています。また開発援助の分野でも、「21世紀のOECD援助戦略」に基づき、経済的豊かさ、社会開発、環境保全を目指した長期的な開発援助戦略を推進しています。

持続可能な開発 具体的プロジェクト: OECDとその関連機関は今後3年間、次の4プロジェクトを推進していく方針で、その成果は、2001年のOECD閣僚理事会に提出される予定です。

1)気候変動
京都議定書の具体化と実施

2)政策手段としての政府補助・課税・資源価格設定
持続可能な開発のためには、環境規制、取引可能なガス排出権、直接的・間接的政府補助の廃止や見直し、使用料、手数料、税の徴収などの手段が利用可能です。政策手段としては、経済的手段の利用が望ましいのです。

3)技術革新
技術革新は、経済成長と環境悪化とを切り離す上で重要な役割を果たします。また、技術革新によって、コストの大幅削減、資源利用効率の向上、廃棄物・汚染物質の排出削減などの機会が開かれます。

4)指数設定によるパフォーマンス評価
経済、社会、環境の分野での活動を持続可能な開発に照らして評価するために、新たな「指数」が必要です。OECDはこのための作業を開始しました。

 

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