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持続可能な開発に向けた努力
ケネス・G・ラフィングOECD環境局アクティング・ディレクター
2002/9/4
持続可能な開発に関する世界首脳会議(8月26日‐9月4日)でのスピーチ
この歴史的サミットはあと1週間足らずで閉幕します。しかし、本当の仕事−合意された「実施計画」とタイプ2のイニシアティブを実施し、「政治宣言」に盛り込まれるコミットメントを果たすという仕事−はようやく始まろうとしているのです。
ここにお集まりの大半の方々と同じように、OECD諸国の経済、開発、環境担当の閣僚は、持続可能な開発が自国政府およびOECDという組織にとって重要な目標であるということで合意しています。さらに、OECD諸国は「これまでグローバルな経済と環境において果たしてきた役割からしても、歴史的に、世界全体の持続可能な開発でリーダーシップをとる特別の責任がある」ということも認識しています。今やこれを実行に移すべき時なのです。優先すべき行動は明らかです。我々は、より持続可能な消費と生産のパターンを実現し、これまで以上に経済成長から環境圧力を切り離し、天然資源の持続可能な管理を確保し、絶対的な貧困の根絶に協力して取り組んでいく必要があります。
しかし、これらは言うは易く行うは難しです。一部の分野には、必要な政策改革を阻害している大きな障害があり、その結果、政策提言と行動の間に明らかな「実施ギャップ」が生まれています。この「実施ギャップ」によって、一部で環境状態が悪化するとともに、貧困、飢餓、病気が今もなお多くの人々の生活を支配しています。残されている課題の大半は、生物多様性や安定した気候などのグローバルな公共財の保護に関する課題か、開発、貧困の削減、エネルギーやきれいな水などの生態系の恩恵といった基本的な財やサービスへのアクセスに関して各国間、各国民間に引き続き格差が存在していることに関する課題です。
OECD諸国がリーダーシップを示すことのできる分野の1つは、自国の政策の一貫性と整合性を強めるとともに、政策改革への障害を克服するために単独であるいは他国と連繋して必要な措置を講ずることです。これには、各省庁にまたがる持続可能な開発に関する問題を統合し、既存の政策が互いに足を引っ張り合わないようにすることが含まれます。例えば、OECD諸国は政府開発援助(ODA)の最大のドナーですが、同時に、自国産業の保護・助成政策を実施しており、しばしば開発途上国の経済的チャンスを奪っています。実際、多くの場合、政府援助によってもたらされる開発のメリットは、貿易を歪曲する補助金その他の貿易障壁の影響によって損なわれている可能性があります。OECD諸国の国内生産−特に農業、漁業、エネルギーセクター−への助成額は、開発途上国向けODA額のおよそ6倍から7倍に達しています。これらの補助金の多くは、OECD諸国における経済的な歪曲と環境破壊につながっているばかりでなく、他の貿易障壁とあいまって、貿易相手の開発途上国に推計で年間430億米ドルの損失をもたらしています。OECDは各加盟国と協力し、持続可能な開発のためのより一貫した政策の特定と確立や、政策改革を妨げている障害−競争力喪失への恐れなど−の克服に取り組んでいます。OECDは、部門横断的組織として、持続可能な開発に影響を及ぼす公共政策全般の一貫性を強めようとする各国の取り組みをサポートするのに特に適しています。しかし、政策を処方するだけでは十分ではありません。うまくいくかどうかは結局のところ意志の問題であり、それは政治的リーダーシップにかかっています。
OECDは、各国の持続可能な開発に向けた進捗状況をモニターすることにより、政治的意思を強化する上でも重要な役割を果たしています。進捗状況のモニターは、各国が国家的に合意した目標の達成と国際的なコミットメントの実施のために用いている政策の実効性を見極めるのに役立っています。また、それは各国に適切な政策の効果的な実施を促すツールであるピアレビューとピアプレッシャー(他のOECD諸国からの圧力)を容易にします。OECD独自の国別審査システムは、ピアレビューシステムを利用して政府政策の説明責任を明確にし、各国の経験から最善の政策を共有することによって、健全なガバナンスを促進するのに役立っています。2001年のOECD閣僚理事会のマンデートを受け、OECDでは持続可能な開発政策とそのパフォーマンスに対するレビューを国別経済審査にさらに取り入れるよう作業を進めています。持続可能な開発指標のリストについて合意されたことで、OECD各国の経済審査報告書には、各国のパフォーマンスを評価する新たなセクションが設けられます。これは、OECDという組織にとって新たな出発であるとともに、持続可能な開発への取り組みにおいて透明性とアカウンタビリティを確保する重要な出発点でもあります。この新たな活動は包括的な環境パフォーマンス審査に取って代わるものではなく、包括的な環境パフォーマンス審査は今後も全OECD加盟国に対して5、6年ごとに行われます。
「将来の世代のニーズを満たす能力を損うことなく現在のニーズを満たす開発」というブルントランド委員会による持続可能な開発の定義に異議を唱える人はほとんどいません。社会の中では、ある世代の贅沢品が次世代の必需品となることはしばしば見られます。しかし、裕福か、それほど裕福でないか、貧しいかに関わらず、我々全員が依存している生物圏の健康については、それは当てはまりません。グローバルな共有物の健全かつ効果的な管理は、国別審査をはるかに超える範疇のものです。
そのいずれの場合でも、各国が意見や政策経験を交換するとともに、グローバルな持続可能な開発の実施を促進する適切な枠組み条件とモニタリングシステムを協力して作り上げていく場を提供することによって、OECDは重要な役割を果たしています。
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