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OECD、タックスヘイブンと潜在的に有害な税制を特定

 

2000/6/26

 OECDは、OECD内外の有害な租税慣行の特定及び削減における進捗状況についての報告書(1)を発表しました。この報告書は、OECD加盟国における潜在的に有害な租税優遇措置及びタックス・ヘイブン基準に合致する国・地域を特定しているほか、OECD非加盟国との共同作業に関する最新情報を提供するともに、この共同作業をさらに前進させるための提案を行なっています。

 この報告書は、1998年の閣僚理事会で有害な税の競争を抑制するよう要請(「1998レポート」(2))されたのを受けてOECDが作成した初の報告書です。報告書の作成にあたり、OECDは実業界や市民社会と建設的な対話を行いましたが、この対話は今後さらに活発になるでしょう。OECDの活動では、前向きの変革を行なう意欲があって、透明性、公平性、情報公開という新たな国際原則に貢献しようとする関係者との合意形成を重視した協力的アプローチが採用されています。

 OECDは、バーミューダ、ケイマン諸島、キプロス、マルタ、モーリシャス、サンマリノが有害な租税慣行を排除するとのコミットメントを表明したことを歓迎します。これらの国・地域については、たとえ現時点でタックス・ヘイブン基準に合致していたとしても、報告書ではタックス・ヘイブンと特定していません。それぞれのコミットメントの形は(国・地域が置かれている状況の違いから)若干の相違は見られますが、これらの国・地域はいずれも有害な租税慣行を排除すると明確に約束しています。

 このプロジェクトは、税の負担を公正にし、資金配置の決定において税が支配的な要因にならないようにすることを目的としています。また、有害な税の競争の結果、税収が大幅に落ち込んでいるOECD加盟・非加盟諸国の懸念に焦点をあてています。有害な税慣行により課税ベースが侵害されることは、途上国の経済にとって特に深刻な脅威です。このプロジェクトは、協力的枠組を促進することで、税制度の構築における各国の効果的な財政主権を支援するものです。


OECD諸国における租税優遇措置

 OECDは、自国審査と加盟国間の相互審査(ピアレビュー)の期間を経て、加盟国の47の租税優遇措置を潜在的に有害なものと特定しました。OECDは今後、潜在的に有害な税制が実際に害を及ぼしているかどうか判断する際に役立つ手引きを作成する方針です。OECD加盟国は、1998年レポートに記載されているように、2003年4月までに有害な租税優遇措置から問題部分を取り除き、スタンドスティル条項(有害な租税慣行につながる新規の措置を導入せず、また既存の有害な措置の強化も行わない)を遵守するというコミットメントを堅持しています。


タックス・ヘイブン

 タックス・ヘイブンに関する閣僚理事会の要請に沿って、OECDは多くの国・地域の審査に着手し、それらの国と対話を行いました。報告書ではタックス・ヘイブン基準に合致した35の国・地域を特定しています。これらの国・地域には、OECDと協力して2005年までにその税制から有害な部分を撤廃するかどうかを決定する1年間の猶予が与えられます。OECDは、これらの国・地域の多くが、ここ半年間にわたってOECDと行なってきた建設的な対話を踏まえて、撤廃の方向を選択するものと確信しています。OECDでは、有害な税競争に対してOECD加盟国が共通のアプローチをとれるように一般的枠組みを構築中です。これには、有害な税慣行を撤廃しないことを決めた非協力的タックス・ヘイブンに対してOECD加盟国が対抗措置をとることも含まれています。対抗措置は、2001年7月31日までに作成されるOECD非協力的タックス・ヘイブン・リストに基づいて実施されます。


非加盟国との協力

 OECDは、非加盟国とも有害な税の競争について対話を始めています。これらの国の大半は、タックス・ヘイブンや有害な租税慣行の広がりに対する加盟国の懸念を共有しています。6月29〜30日には、ジョンストンOECD事務総長とフランスのファビウス蔵相の主催で、この分野での国際的協力のあり方を検討する会議が行われます。会議には、OECD加盟29ヶ国と非加盟の30ヶ国が参加する予定です。


注:
(1)Progress in Identifying and Eliminating Harmful Tax Practices(June 2000)
(2)Harmful Tax Competition: an Emerging Global Issue(April 1998)

 

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