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Home OECD Tokyo > 税制 > OECD、電子商取引の税制上の取り扱いに関する国際的コンセンサス作りに向けて前進

税制

OECD、電子商取引の税制上の取り扱いに関する
国際的コンセンサス作りに向けて前進

2001/2/12

 OECD各国政府代表は、企業と消費者にとってより明確な電子商取引課税に関する重要な結論と提言について合意しました。OECD租税委員会及び同委員会によって設置された企業/政府諮問グループによるこれらの結論と提言は、国際的な直接課税、消費税、税務行政という3つの主要分野をカバーしたものです。

 ガブリエル・マクロフ租税委員会議長は、OECDの調整によって進められている電子商取引の税制上の取り扱い問題処理に向けた国際協力上の「重要な前進」として、これらの結論と提言を歓迎しました。所得税については、OECD諸国は、電子商取引による利益への課税国を決定する際の基本となる恒久的施設に関する現行ルールの解釈について幅広い合意に達しました。OECD諸国は、この問題を調査研究するために設置された企業/政府諮問グループから提出されたばかりの報告書を踏まえて、様々なタイプの電子商取引による支払いの租税条約上の取り扱いを明確化する作業に入っています。

 消費税の分野では、OECD諸国は消費地における効果的な課税という望ましい成果を達成するための実務的方法の認定に向けて大きく前進しています。また、税務行政の分野でも、OECD各国政府は税務当局が直面する主な行政上の困難と機会及び各国政府が考慮する必要のある対応策について合意に達しています。各国政府は、消費税と税務行政に関する提案に対するパブリックコメントを求めています。

 「特に納税者サービスの領域では、税務当局がその経験と専門知識を国際的に共有するためにできることやすべきことはたくさんある。」「各国政府と企業にとって電子商取引への課税ルールを明確なものにするため、国際的コンセンサスを強化する努力を今後も続けていくことが重要である。」とマクロフ議長は述べました。

 租税委員会の電子商取引に関する作業は、1998年10月にオタワで開かれた電子商取引に関する閣僚会議でOECD加盟国とOECD非加盟国が合意したオタワ課税枠組み条件(各国政府が電子商取引の税制上の取り扱い問題にどのように対処すべきかを取り決めた一連の原則)をベースにして進められています。これらの原則は、租税委員会で現在進行中のより詳細な作業の基礎となるものとして幅広く認識されています。委員会はパリで開かれた最近の会合で、これらの問題については今後も各国の実業界や非OECD加盟国と対話を継続していく意向を再確認し、こうした対話を進めるための新たな計画を承認しました。

 租税委員会の結論と提言の詳細については、この資料の附属及びOECDのウェブサイト を参照願います。


附属1

OECD租税委員会による現段階の検討結果と提言及び報告書の発表

1.国際的な直接課税

租税委員会は、恒久的施設(PE)の現在の定義の適用に関し、OECDのモデル租税条約のコメンタリーを明確化することについて最近達成された大筋の合意を歓迎した。明確化の概要は、次のとおり。

  • ウェブサイトはそれ自体ではPEとならない。

  • ウェブサイトを載せる取決めは、典型的には、そうしたウェブサイトを通じて事業を行う企業がPEを有することを意味しない。

  • インターネット・サービス・プロバイダーは通常、他の企業のPEを構成する代理人とはならない。

  • サーバーのようなコンピューター設備が置かれている場所は一定の状況下でPEとなりうるが、そのためには当該場所で遂行される機能が重要であるとともに企業の事業活動にとって本質的ないし中核的部分であることを要する。

 税委員会は、また、電子商取引における支払の条約上の所得分類に関する技術諮問グループ(TAG)の報告書(附属2参照)を歓迎し、所得分類の問題がどのように解決されるべきか、またモデル条約のコメンタリーが所得分類に関しどのように明確化されるべきかについて、同委員会が早期に合意する上でこの報告書が役立つという点で意見の一致をみた。コメンタリーの明確化は、電子商取引における支払が租税条約の適用上どのように分類されるべきかという問題に対処するものとなろう。

2.消費課税

 租税委員会は、消費課税作業部会の報告書に示されている現段階の検討結果を了承し、パブリック・コメントを求めるために同報告書を公表することを承認した。同報告書は、消費地課税原則をより明確に定義し、同原則を最良のかたちで実現しうる徴収の仕組みを検討する必要があるとしている。

 同報告書は、クロスボーダーのサービス・無形財産取引に係る消費地の定義を、BtoB(事業者間)取引については消費側事業者の事業拠点、BtoC(事業者対消費者)取引については消費者の通常の居住地とするガイドライン案を提示している。徴収の仕組みに関しては、BtoB取引については自己申告制が最も実現可能なオプションであるとしている。BtoC取引については、中期的には技術を活用したオプションが潜在的に有力であると指摘しつつ、暫定的には、簡素な登録制が必要とされる場合がありうるとしている。同報告書は、いくつかの課題につき更なる検討作業が必要であるとし、この作業は引き続きビジネスとの協力の下で行っていくことを提案している。

3.税務行政

 租税委員会は、また、電子商取引と税務行政に関する報告書に示されている現段階の検討結果と今後の検討課題を了承し、パブリック・コメントを求めるために同報告書を公表することを承認した。同報告書は、税務当局が電子的な環境において効果的な執行をいかに確保しうるかなどの問題や、税務当局間で国際的な協力を強化するためにとるべき措置について検討している。同報告書は、また、納税者サービスの向上のために各国の税務当局が既にとりつつある一連のイニシャティブを確認している。

4.今後の検討課題と検討体制

 租税委員会はいくつかの分野において多くの検討課題が残っていることを認識している。今般の報告書等の公表は、この検討過程の重要な一部をなすものである。2001年から2003年にかけての作業計画における主な検討課題は、次のとおり。

  • 直接課税:サーバーPEへの利得の帰属に関する問題、課税上の居住地の決定に際しての「実質的管理地」概念の精緻化、電子商取引の文脈における現行の条約ルールの適格性について、現行ルールに代替しうるルールの可能性及び現行ルールの明確化又は修正の可能性を考慮しつつ、更に検討

  • 消費課税:技術をベースとする徴収の仕組みの実現可能性、制度の簡素化のための方策、執行上の効果的な国際協力を促進するための手段

  • 税務行政:適正な納税を確保するための手段、税務当局間の「ベスト・プラクティス」の共有、納税者サービスの更なる向上

 検討体制について、租税委員会は、現行の技術諮問グループ(TAG)プロセスの補強や、協力的な国際的議論を更に奨励するためのその他のイニシャティブを通じて、ビジネスや非加盟国との対話を継続していく必要性について合意した。

5.報告書及びテクニカル・ペーパーの公表

 租税委員会は、電子商取引の課税問題に関する検討作業のすべてを網羅する包括的な進捗報告書をまもなく公表することとしている。暫定的に、以下の報告書やテクニカル・ペーパーがウェブサイト上で閲覧可能となっている。

(国際的な直接課税)

PEの定義の解釈に関する租税条約モデルのコメンタリーの明確化についての合意文書

所得分類問題の解決のための作業のベースとして租税委員会が活用する所得分類TAG報告書

サーバーPEへの利得の帰属及び実質的管理地に関するディスカッション・ペーパー(パブリック・コメント用)

事業所得TAG報告書

(消費課税)

消費課税作業部会報告書(パブリック・コメント用)

消費税TAG報告書

技術TAG報告書

(税務行政)

戦略的マネージメント・フォーラム報告書(パブリック・コメント用)

専門データ評価TAG報告書(パブリック・コメント用)  


附属2 

条約解釈に関する技術諮問グループの報告書

 課税と電子商取引に関する作業の関連で設置された条約解釈に関する技術諮問グループ(TAG)は2月1日、租税条約を適用する際に電子商取引の様々なタイプの支払いをどのように解釈するかという問題に関する最終報告書を公表した。この報告書はOECDのウェブサイトで入手可能。

 TAGの全メンバーによって承認されたこの報告書は、租税条約のどの規定が電子商取引の様々なタイプの支払いに適用されるのかを決定する際の、即ち、どの国がこの種の支払いにどのような条件で課税するかを最終的に決定する際の、租税条約の解釈について取り扱ったものである。この報告書では、租税条約のどの規定が特定のケースに適用されるのかに関する分析、結論、提言が提示されているほか、これらの提言が電子商取引の28種類の典型的カテゴリーにどのように適用されるかについてTAGの見解が明らかにされている。TAGの主な結論と勧告は次の通り。

  • 顧客が自身の利用や娯楽を目的としてデジタル製品を電子的にダウンロードする取引の場合(例えば、顧客がインターネット上のウェブサイトからソフトウエアや音楽を注文し、そうしたデジタル製品をそのサイトからダウンロードする場合)、支払い代金は、ロイヤルティーとしてではなく、企業の利益として解釈されるべきである。

  • ロイヤルティーとされるノウハウ料の支払いを伴う電子商取引は比較的稀であるが、報告書にはサービスの提供とノウハウの提供を区別する際に役立つ多くの判断基準や事例が盛り込まれている。

  • 時間制限によるデジタル製品の利用やデータ・ウエアハウジングのような取引のための支払いは、一部の条約でロイヤルティーとされているような、産業・商業・科学的機器を利用するための、あるいは利用する権利のための支払いと見なすことはできない。

  • 時間制限によるデジタル製品の利用やデータ・ウエアハウジングのような取引のための支払いは、一部の条約でロイヤルティーとされているような、産業・商業・科学的機器を利用するための、あるいは利用する権利のための支払いと見なすことはできない。

 報告書の提言、特に、そこに含まれているOECDモデル租税条約のコメンタリーを変更するための提言は、OECDモデル租税条約の適切な変更を速やかに行なうために、租税委員会によって検討されることになっている。(1963年に初めて公表され、その後定期的に改定されているOECDモデル租税条約は、互いの直接税のシステムを調整する二国間租税条約を交渉し、適用し、解釈する際に、OECD加盟国および非加盟国に利用されている基本的な参照マニュアルである。)

 TAGは、「必要な明確化を供することを目的として電子商取引の様々なタイプの支払いを租税条約上どのように解釈するかという問題を検討する」ことを使命として、OECD租税委員会によって1999年に設置された。TAGのメンバーには、OECD加盟国やOECD非加盟国の税務関係者のほか、実業界の代表も含まれており、アリアン・ピカリング(オーストラリア国税庁)、ゲアリー・D・スプレイグ(ベーカー・アンド・マッケンジー)、リズロット・カナ(チリ財務省)の各氏が共同議長を務めている。

 この報告書は、TAGが各界の意見を聴取する目的で2000年3月と9月に公表した草案に続くものである。前2回の草案ではTAGメンバー間の大きな意見の食い違いが一部反映されていたが、その後各界から有益な意見が寄せられたこともあり、TAGは2000年11月6,7日にムンバイ(インド)で開かれた前回の会合で意見の食い違いを解消できた。これにより、本報告書は全メンバーの承認によって採択される運びとなった。

 

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