OECD プリント

国際取引に影響を及ぼす消費税問題への対応プロジェクト

 

2004/07/15

OECDは、二重課税や非課税による悪影響を回避するため、国際取引されるサービスや無形物に、付加価値税などの間接税を適用する方法を改善するためのプロジェクトをスタートさせました。

このプロジェクトは、サービスや無形物の取引への課税に関して国際的な合意に達することを目的としています。アクションを起こす必要が生じているのは、サービスや無形物(テレビ放映権など)の国境を越えた取引が急増しているためです。OECDの分析によれば、税制の複雑さや国による違いが、取引の増加や企業の新規市場参入能力の足かせとなっています。サービスや無形物の販売は、全く課税されない場合もあれば二重課税される場合もあります。

  • 欧州の電気通信企業は、携帯電話利用者向けローミングサービスへの課税額が推定で年間4億ユーロに達しているが、現時点では課税額を政府から回収できないため、顧客に転嫁するか、コストとして吸収せざるを得ない。
  • アテネオリンピックのテレビ放映権に課される付加価値税の還付を巡る論争が、世界各国の視聴者への映像の伝達に関する合意を妨げている。
  • 国境を越えたリース、管理サービス、広告といったサービスの国際取引に関与している企業は、入り組んだ複雑な税制上の要件と格闘している(二重に税を負担している場合もあれば、全く税を負担していない場合もある)。
  • 企業にとってサービス提供業者とグローバルな契約を締結する魅力は、税務上の影響が不透明なため、しばしば損なわれている。

このOECDプロジェクトは、全OECD加盟国(30ヶ国)、欧州委員会、オブザーバー4ヶ国(ロシア、アルゼンチン、中国、南アフリカ)の租税専門家と当局者が租税政策と税務行政に関連した問題について討議するOECD租税委員会の主管で実施されます。サービスや無形物はグローバルな性格を有していること、また付加価値税は世界の大半の国で利用されていることを考えると、非OECD諸国からの意見聴取が特に重要となります。

国家経済への税の負担を抑える慎重な財政運営に関するOECDの勧告と併せて、租税委員会は各国政府に対し、経済成長により好影響を与えるとして、労働や投資への課税から消費への課税へと税制を転換するよう促しています。こうした状況の中で、付加価値税は各国政府にとって益々重要な財源となっています。

このOECDプロジェクトに関し、ビル・マクロスキー租税委員会議長は、企業や非OECD諸国政府と密接に協力を行うと述べました。「企業や企業が成長できる環境にとっての確実さと明確さを確保しつつ、政府にとっても課税ベースが損なわれることのないようにバランスをとる必要がある。最初の任務の一つは、この分野に適用できる一連の国際原則について合意することである」とマクロスキー議長は述べています。

「プロジェクトを推進する包括的プロセスは、企業にとってばかりでなく、付加価値税を導入している非OECD諸国にとっても、極めて重要である」とマクロスキー議長は付け加えています。このプロジェクトの中間報告は2005年前半に発表される予定です。

税制の不明確さや国による違いのために国際取引に生じている問題についての詳細な報告書はOECDのウェブサイトに公表されています。




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