OECD プリント

航空貨物輸送、2002年と2003年に回復の見通し

 

2002/1/25

 「航空貨物輸送の自由化に関するOECDワークショップ」に参加した業界関係者によると、2000年秋に低迷に転じ、2001年9月11日の米国同時多発テロによって一層悪化していた航空貨物輸送の見通しが上向いてきています。このワークショップでは航空貨物部門自由化の見通しについても討議され、いくつかの提案は各国政府によって今後検討されることになっています。

 最新のデータによると、2001年末から一部の地域では航空貨物輸送のトレンドが上向きに転じており、今後さらなる伸びが見込まれています。航空貨物各社の状況はまちまちですが、大方の予想によれば、航空貨物需要は2002年前半に緩やかに増加し(1%)、後半には一層上昇(3%)します。経済活動が世界レベルで活発化する見通しを踏まえると、2003年には最高で9%もの高い伸びが見込まれます。

 OECD諸国、航空貨物業界、国際機関の代表が個人的資格で参加したワークショップでは、現時点で航空旅客サービスと同様の規制下に置かれている航空貨物セクターの規制状況の検証も行われました。これらの規制の多くは効率的な航空貨物サービスの障害となっており、利用者のニーズに合わないとみなされています。OECDの研究によれば、業務の柔軟性が高まれば、航空貨物各社のサービスは向上し、市場ニーズの変化に迅速に対応できるようになります。

 ワークショップの参加者は、国際運輸権に関する現行規制を緩和すれば、市場アクセスの改善や、利用者の要望への迅速な対応が可能になると見ています。航空貨物会社の「所有と経営」に対する政府規制が撤廃されれば、この産業の構造とサービスは世界や地域の航空貨物業務により適したものになるでしょう。ただし、公共の利益であり極めて重要である航空の安全性に対する規制管理が確保されている場合のみ自由化措置をとるべきであるという点で、参加者の意見はおおむね一致しました。環境への配慮やインフラ面の制約も考慮する必要があります。

 ワークショップでは、航空貨物サービスの自由化に役立つものとしてOECD事務局が準備した2つの文書についても検討されました。

 現行の二国間航空サービス協定の下では別々に扱われることがある航空貨物サービス、付随サービス、その他の特定航空貨物輸送のための航空権自由化に焦点を絞った二国間の議定書。

 民間航空の基本的な安全性を損なわずに航空貨物サービスの早期自由化を促進するための多国間協定。こうした条約は、多国間ベースで現行の市場規制を自由化する手段となり得る。

 この会合以降、OECD各国政府は、航空貨物市場の自由化に向けてこれらのアプローチを用いるか、あるいはその代わりに、航空貨物サービスの自由化を目的とする特定の規定を利用するか、検討できるようになります。

 

Copyright OECD Tokyo Centre. All rights reserved.