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Home OECD Tokyo > 運輸 > 海上安全保障強化のコストは大規模テロ攻撃の潜在的コストよりはるかに安い

運輸

海上安全保障強化のコストは
大規模テロ攻撃の潜在的コストよりはるかに安い

2003/07/21

OECDの新報告書"Security in Maritime Transport: Risk Assessment and Economic Impact"の推計によれば、テロ攻撃の脅威に備える新たな海上安全保障措置に、海運会社は少なくとも13億米ドルの初期投資を必要とし、その後も年間で7億3,000万米ドルの運営費が必要となります。

しかし、こうした追加的なコストも大規模テロ攻撃の潜在的なコストに比べればはるかに安いと本報告書は結論しています。更に、追加的なコストは効率の向上による経費節減によって一部相殺される可能性もあります。

世界の海上輸送システムは46,000隻以上の船舶と約4,000の港湾から成っていますが、その開放性と柔軟性から、テロ攻撃の標的とされたり悪用されたりしやすいと報告書は結論しています。海上輸送システムは武器の隠匿やテロ組織への後方支援に利用される可能性があります。船舶の所有権は簡単に隠蔽できるので、海上輸送システムはテロ資金源として利用される可能性もあります。

貨物の海上輸送は世界貿易にとっても極めて重要な役割を果たしています。世界貿易の80%以上が海上輸送によるものです。

綿密に計画された大規模テロが発生すると、各国政府の緊急安全保障措置の発動によって、海上輸送システムの全体が停止してしまう可能性があると報告書は述べています。こうした安全保障措置は、港湾の完全閉鎖といった徹底的な措置から長時間に及ぶ何重もの貨物チェックといった非効率的な措置まで多岐にわたります。コンファレンス・ボード及びコンサルティング会社のブーズ・アレン・ハミルトンのシミュレーションによれば、米国が大規模なテロ攻撃を受けた場合の被害は580億米ドルにも達します。

こうした状況を受けて、各国政府は、船舶と港湾に安全保障計画の作成を義務付けたり、大半の船舶に警戒警報システムの設置を義務付けたりするなど、海上輸送ネットワークの安全保障強化に乗り出しています。こうした措置の大部分は2004年7月に発効します。更に、米国は、同国行き船舶を対象にした貨物事前届出義務から荷積み港における危険性の高い貨物の事前検査まで、独自の海上安全保障措置も策定しています。

新規則を遵守するため、海運会社は安全機器の設置やスタッフの増員が必要となり、そのコストは13億米ドル以上に上ると推計されています。新たな機器の設置と増員によって、運営費も毎年推計で7億3,000万米ドル増加すると見られています。港湾も安全機器などをアップグレードする必要がありますが、そのコストを正確に予測するのは困難です。

報告書によれば、こうしたコストは効率の向上によって一部相殺される可能性があります。 何故なら、新たな安全保障措置は盗難の減少、遅延日数の短縮、保険料の低下といったプラス効果につながるからです。

本報告書はウェブサイトに公開されています。

 

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