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Home OECD Tokyo > OECD Observer 日本語版 > No.216


 OECD Observer 日本語版

広範な特許は将来の発明に対する権利を与えるべきか

 非常に新しい技術分野において近年いくつかの「パイオニア的」発明が発表されたことは驚くには当たらない。 特許機関はこれらの新発明に対して広範な保護を与えてきた。 これらの特許はまだ未知である,将来の用途の保護にも及んでいる。 たとえその特許が最初の治療法の大発見に基づいて与えられたものであってもである。 仮定的な例を挙げてみよう。

 ある科学者が降圧剤について広範な特許を得た後に,別の人が同じ薬が耳の感染症にも効果があることを発見したとしよう。 この新しい発見者はこの薬の新しい効能について特許を受けることはできない。 この人はこの薬の新しい用途を利用するために特許権使用料を支払わなければならない。 

 もう一つの例は新しい作物である。 特定の害虫に耐性をもつ新種の綿花は,すべての遺伝子組換え綿花に対する特許独占権を得られるかもしれない。 これにはまだ発明されていないものも含まれる。 つまり,現在の広範な特許権所有者は将来の発明に対しても所有権を有するのである。 そのような広範な保護は,新しい道を切り開く発見の場合には公正な報酬であるかもしれないが,将来の研究にブレーキをかける可能性もある。 もし問題の遺伝子組換え商品がすでに特許を受けていれば,研究者はその商品に関する重要な調査さえ止めてしまうことになるかもしれない。 また実際の研究成果を商業化するためではなく,将来の発明に対する特許権使用料を確保するためにのみ,特許を求め,特許を集めることになるかもしれない。 その結果,主要な特許が少数の人の手に集中し,新たな市場のゆがみが生じ,これがバイオテクノロジーの根底を蝕むことになるだろう。 

 これは最も重要な政策問題であり,それは,知識市場の開放と,より大きな利益のためにアイデアを保護することの間に適正なバランスを見つけることができるかどうかにかかっている。


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